【全起こし】永瀬正敏、岩田剛典、森山未來が再会したい大切な人を告白!映画『Vision』上映会付き完成披露イベントレポート 全文掲載

MC:皆さん、楽しみにしていてください。それでは夏木まりさん、夏木さんの役も本当に神秘的で、人ではないというか(笑)。

夏木:また人じゃないんですよ(笑)。奈良の歴史が1000年あるとすれば、アキさんにも1000年の歴史があって、山と一体というか、山です。そんな感じの予習をして現場に行きました。山の生活は本当に過酷でしたよね?過酷なんですけど、私達の中に入っていって、絵になるとすごく美しくて。自然と一緒に生きている女ですから、人間生きていく時に、自然に生かされたり、自然に励まされたり、自然に影響されたりするのを、私は都会の女だから感じていなかったんですけど、2週間奈良の吉野で寝泊まりした時に、本当に自然ってありがたいし怖いし素敵だなと、改めて今になっても思う映画です。映画を観てもらえればきっと私達の苦労が分からないところでも美しく映ってます。

MC:ありがとうございました。それでは岩田さんにお聞きしますが、本作に関わってご自分の中でなにか役者としての変化はございましたか?

岩田:役者としてというよりも、僕は山守の中でも特殊伐採という特殊な…伐採ですよね(笑)?

河瀬:そのまんまやん(笑)。

岩田:すいません(笑)。特殊伐採を生業にしている人物だったんですけど、ロープ一本で木を登って行って、その先の枝をノコギリで切り落とすシーンがあるんですけど、実際に吹き替えを使わずに自分でやりたいというのもありまして、数日間練習しました。一日二日くらいで馴染んできて、意外と向いてるのかなと。もし転職するなら次は山守かなという、新しい発見が(笑)。

河瀬:言いましたよ、今。失業したらよろしくお願いいたします。

岩田:よろしくお願いいたします(笑)。

MC:ありがとうございました(笑)。美波さんはフランスを拠点に活動されていますが、河瀬組への参加はどんな体験だったでしょうか?

美波:去年もフランスで『あん』が上映されていて、今年は『光』でとても反響が素晴らしくて、周りの人に言ったら『ナオミカワセ!?ワーオ!」という声が多くて、とにかく映像が美しいことと、深いことと。不思議だなと思ったのは、日本人にしか理解されないような内容だったり、言い回しだったり、日本ならではの風習だったりというものが、フランスの人から観ても美しかったり、悲しかったり、侘び寂びというのが伝わっているんだなという実感は、目の当たりにして感じました。まず、自分が半分外人なのに、出られると思わなくて嬉しかったです(笑)。

MC:どうもありがとうございます(笑)。

河瀬:不思議でしょ?話を聞いていても、この人。ジュリエット・ビノシュさんのアシスタント役で来るんだけど、即興で翻訳しなくちゃいけないんですよ。フランス語を日本語に訳すことと、日本語をフランス語に訳さなければいけないのが、すごい大変だったんですけど、フランス語もちょっとおかしいし、日本語もちょっとおかしいっていう感じはちょっとあった(笑)。

美波:はい、どっちも苦手です(笑)。すごい難しかったのは、ジュリエットさんは役作りの為にものすごく興味を深く掘る方で、神道とか日本の宗教とか日本語でも説明できないことをフランス語で説明するのはすごく難しかったです。

夏木:私の役は、彼女が訳してくれないとフランス語が分からないおばあちゃんなんですが、何言ってるか全然分かんないんだよね(笑)。

美波:ときどきちょっと、適当に言っちゃったり(笑)。

夏木:適当でしょ(笑)?

河瀬:それでも、アキは分かっているように見えてましたよ。

夏木:そうですか。1000年生きてますからね(笑)。