永瀬正敏「心」、岩田剛典「目」、森山未來「匂い」映画『Vision』上映会付き完成披露イベントレポート

世界中で高い評価を受けている河瀨直美監督が、生まれ故郷である奈良県を舞台に、ジュリエット・ビノシュと永瀬正敏をダブル主演に迎えた映画『Vision』が、6月8日より全国公開となる。本作の上映会付き完成披露イベントが5月17日に丸の内ピカデリーで行われ、永瀬正敏、岩田剛典、夏木マリ、美波、森山未來、河瀨直美監督が登壇した。

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河瀨監督は「何が届くのか私にも分からない作品。森に入っていくということは、旅の中で何かがあるわけで、帰ってきた時には違う自分がいると思う」と、観客にその変化を楽しんで欲しいとコメント。以前の記者会見では興奮で寝られなかった語っていた永瀬は、「今度は、皆さんがどんな感想を持たれたのか、気になって寝られないかもしれない」と笑った。

続けて永瀬は「監督はたぶん異次元から来ている。監督が書かれた本で、今日は『雨が降るよ』って誰かが言うんですけど、撮影中(そのシーンで)本当に雨が降るんです。監督はそういうものを持っている」とコメント。森山も「河瀨さんは呪術師のように現場を巻き込んでいく。催眠術をかけられたような気持ちで、奈良から大阪に戻る時、俺は幻覚を見ていたんじゃないか?」と不思議な気分を味わったという。対して河瀨監督は「魔法が使えるんです」と本気とも冗談ともとれるコメントで会場を煙に巻いた。

ロープ一本で木を登り、枝を切り落とすシーンを自らこなしたという岩田。「数日間、練習したんですけど、馴染むのが早くて、意外と向いているのかなと。もし転職するな山守になりたい」とコメント。すると、河瀨監督から「言いましたよ、今。失業したら、よろしくお願いします」とカメラに向かってアピールしていた。

映画の内容にちなみ、人生でもう一度会いたい人はという質問に、岩田は「おじいちゃん」と答え、「僕が生まれたときには亡くなっていたので、会ってみたい」と告白。永瀬は「おじいちゃんと亡くなった弟」と答え、「弟は生まれてすぐ亡くなったんですが、河瀬監督と同い年で」と不思議な縁があることを明かした。

最後に河瀨監督から、ジュリエット・ビノシュ演じるジャンヌに、役としてどこに惹かたかを聞かれた男性陣。森山は「匂い」、岩田は「目」、永瀬は「心」と答えると、河瀨は「これらはきっと、男性陣の惹かれる女性像かもしれません」と答え、イベントは和やかに幕を閉じた。

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『Vision』
6月8日(金)全国ロードショー
監督・脚本:河瀨直美
エグゼクティブプロデューサー:EXILE HIRO
プロデューサー:マリアン・スロット 宮崎聡 河瀨直美
出演:ジュリエット・ビノシュ 永瀬正敏 岩田剛典 美波 森山未來 田中泯 夏木マリ
配給:LDH PICTURES

【ストーリー】 世界中を旅しながら紀行文エッセイを執筆しているフランスの女性エッセイスト・ジャンヌ。アシスタントの花と共にとあるリサーチのため奈良の吉野を訪れる。杉の木立が連立する山間で生活をしている山守の男・智(とも)は、ジャンヌが山に入ってくるという老女アキからの予言通り、ジャンヌと出会い、文化の壁を超え、次第に心を通わせていく。智と同様、山守の鈴(りん)、猟師である岳(がく)、源(げん)もまた、山に生き、山を守る。それぞれの運命は思いもよらぬ形で交錯していく…。ジャンヌはなぜ自然豊かな神秘の地を訪れたのか。山とともに生きる智が見た未来とは―。

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