【全起こし】古川雄輝、舞台挨拶でマジックを披露するも「正直僕たちもどうやっているのかわからないんです(笑)」『風の色』公開初日舞台挨拶 全文掲載

MC:はい。そして本作にマジック監修という形で携わったのがMr.マリックさんなんですけれども、国際的に活躍していらっしゃるクァク・ジェヨン監督から最初にマジックの監修というオファーを受けたときはどう思われましたか?

Mr.マリック:まず脚本を見させていただいたときに、マジシャンがスターになっていく段階がきちっとその通り、もう実話ではないかというくらい出現されていまして。何かのきっかけでマジックを始めて、アマチュアのサークルで学んでコンテストに出て、そしてテレビに出てスターになっていく、このマジシャンがスターになっていく過程がもう現実と同じなんです。それで台本を読んでいて「うーん、ここはこうやったらいいなぁ!」というところが一か所だけありまして、コンテストで優勝するシーンがあるんですよね、マジシャンとして。ここは本当に優勝するだけのマジックをやってもらわない限り、全てリアリティが飛んじゃうんですよね。そこが実は、一番クオリティの高いマジックを教え込んだときはよくやり込んでくれたなと思って。このままコンテストに出ても優勝できるなという(笑)、そんなすごい特訓をしまして、映画の中で観ていただきたいと。普段見慣れたマジックを教えるぐらいでしたら簡単なことですけれども、このストーリーに沿ってものすごく難しくなっていく過程を見事に少しずつやっているところも観ていただきたいと思います。監督が日本で最初に私の前に現れて、「日本でマジックを観るところはないか」と言われて、「銀座にありますよ」とご紹介したら観に行かれまして。「どうでしたか?」って言ったら、「今日もまた行く」と、「2日連続でまた行く」と、マジックにかなり熱を入れてこの映画に取り組んでいただけましたので、結構マジックシーンも楽しんでいただけると思います。

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MC:古川さんはマジックってこれまでおやりになったことはないですよね?

古川:やったことなかったですし、見るのもたぶん銀座に行ったときのマジックがほぼ初めてぐらいだったので結構大変でした。その銀座のお店で見たときのマジックも、実際に実は映画内で一つ披露していまして。紙をバラの形に折って、それを浮かして燃やすと本物になるというのも練習したんですけれども、それは大変だった印象がありますね。これぐらいのお客さんがいらっしゃる前で全部本当にやるんですよね。だから結構大変でしたね。

MC:撮影とはいえ、その撮影の緊張感、プラスアルファでお客様に見られていると。

古川:そうですね。監督が、エキストラさんが入られているんですけれども、その反応も撮りたいということで、リハーサルとかなしで急に本番ということでやったので…はい(笑)。

MC:振り返ってみてもその当時をまざまざと思い出してしまうといった状況でしょうか?

古川:まさにそのシーンで、僕はひよこを出すんですけれども、そのときひよこを出したカメラマンさんがいらっしゃるので思い出してしまいました(笑)。今ハットを被っているんですけれども、そこからひよこを出すシーンがあって。ご本人が目の前にいたので(笑)。

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MC:そうですか(笑)。いろいろと思い出に浸りながらのお話というところでしょうか(笑)。そこは観ていただきたいところですけれども。撮影現場を振り返ってみて、ぜひ藤井さんにも伺いたいなぁと思うのが、今回の役どころは一人二役、古川さんもそうなんですけれども、演じられるというのが観ているこちらとしてもどんなふうに演じられたのかなと興味が湧くところではあったんですけれども、何か演じるうえで大切になさったこと、監督から言われたことはありましたか?

藤井:古川さんは二役やられていたんですけれども、私は亜矢とゆりは一人の人間として多重人格というかそういうものだったので、あまり難しいということはなかったんですけれども。個人的には今回泣くシーンがとても多くて、ほぼ泣いてるんじゃないかというくらい泣いていたんですけれども(笑)。このシーンは涙を流さなくてもいいシーンなのに、感情が溢れてしまって涙を流しそうになったときに、監督から「自分で涙のコントロールをこれからできていければいいね」というアドバイスはいただきました。

MC:やっぱりそれだけ感情がすごく動いてお芝居をなさっていたということなんでしょうか。

藤井:そうですね。

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