MC:皆さんが共演してみて、印象ですとか、意外なところがあったとか、何かエピソード教えてほしいんですが。
吉岡:お二人ともかなり私的にはキャップがありまして、クランクインする前、すっごい緊張してて、本当は。怒ったら怖そうだなみたいな(笑)。大先輩じゃないですか。尊敬してるお二人というか、畏怖の念みたいなのがあったんですけど、柄本さんもそうなんですけど、3人ともめっちゃ三枚目で。結構びっくりしました。驚愕でした。本当に。ずっとずっと面白いこと言ってるって思いましたね。だから、すっごい楽しい現場でした。皆さん最高です(笑)。
MC:そう言われてますけど、どうなんですかお二人は?
中村:吉岡さんは今こうやって言ってくださってるんですけど、この映画撮った直後、舞台をずっと一緒にやってたんです。そのときに言われましたよ。「映画の現場では多分仲良くなれないだろうなって思った」って。
吉岡:それほんと、やめてください、言うの(笑)。なんか緊張するというか、すごいフラットじゃないですか。すごいフランクに話してくださるんですけど、こっちは王子として見てるんで、すごく緊張感があるわけですよ。でも、めっちゃふざけて話すから、距離感が良く分からなくて…(笑)。
中村:でも、それを言ってくれるぐらいすっかり仲良くなったということで(笑)。尾野さんは以前もご一緒して、その時も気さくで、だから今回は監督とプロデューサーっていう役だったんですけども、入る前から絶大なる信頼と安心感があって、もうこの現場は真千子ネエに甘えようって思っていました。
尾野:あら。喜ばすね? ありがとうございます(笑)。
中村:本音です。好きです!
尾野:ちょっと、やめなさい。いっぱい倫也推しがいるんだから!?ありがとうございます(笑)。
MC:尾野さんは本音でどう感じていたんですか?
尾野:里帆ちゃんは、もうちょっと堅い人かなと思ってました。
吉岡:堅いですよ?
尾野:堅くない。全然堅くない。ビシっ!みたいな感じのイメージがあったんですよ。だけど、「尾野さん、グミ食べます?」って、持ってきてくれるのはいいんですけど、何種類も出てくるの!
吉岡:(笑)。グミがすっごい好きで、尾野さんは優しいし大好きになって、好きな人にグミ食べさせたいと思って、いっぱい渡したんですけど、尾野さんはあんまりグミが得意じゃなかったぽくて(笑)。「そんなにグミ食べるのやめなよ」って言われて(笑)。
尾野:いっぱいくれたの。最後の最後に、干し梅くれたの。
吉岡:たぶん、干し梅の方が好きそうだなって(笑)。それは「美味しい」と言って食べてくださいました(笑)。
MC:中村倫也さんはもらってました?
中村:もちろん、もらってないです(笑)。
吉岡:(笑)。
MC:尾野さんは、中村さんに対してどういうふうに思ってるんですか?
尾野:倫也くんは変わらない、ふわーっとして優しいオーラの持ち主みたいなのは、前から感じていたんです。今回もずっと優しいです。私がどんだけいじっても、「倫也くん倫也くん倫也くん」って言っても、ずっと優しく笑ってくれる。優しいんです。
中村:僕はいじられる側にあんまり回ることがないんですよ。ちょっかい出す方が多いんですけど、イジるのはあなただけです(笑)。
尾野:お?ありがとうございます(笑)。
MC:ここで、もうひとり素敵な方をご紹介したいと思います。原作者の辻村深月さんです。拍手でお迎えください!
辻村:「ハケンアニメ!」の原作小説を書きました小説家の辻村深月です。皆さん今日は本当にありがとうございます。映画が素晴らしいで楽しんで帰ってください。よろしくお願いします。
MC:辻村先生、実際に作品をご覧になってどうだったのかっていうのを伺いたいのと、あと監督の演出ですとか映像の印象ですとか、キャストの皆さんの印象なども聞いてみたいと思います。
辻村:ありがとうございます。私は映画を観ましたが、幸せで、自分が書いたのでどうなるかは分かってるんですけど、どうなるんだろう!?っていうドキドキがあって、原作の中でここを大事にして欲しかったっていうところを、もうほとんど一つも削らずに、長い小説なんですけど監督が表現してくださっていて、ものすごく感謝を覚えました。あと、キャストの皆さんが素晴らしい。後ろで聞いてたんですけど、「私の書いた王子とか瞳とか香屋子の話してる!」と思って(笑)、もうすごい幸せです。ありがとうございます。まず中村さん、王子監督がお世話になりました。すごくクセのある天才監督っていう設定なんですけど、天才と言われながら、その裏にいろんなことを持っている人で、実はプロデューサーさんから「キャスティングで誰か希望はありますか?」と聞かれた時に、「叶うかどうか分からないんですけど、中村倫也さんが演じてくださったら嬉しいです」ってお伝えしていて、キャスティングが決まった時は1人で部屋で「やったぁー!」って叫んだんですね(笑)。ありがとうございました。
中村:ありがとうございます(笑)。
辻村:尾野さんは、香屋子を本当にありがとうございます。香屋子はプロデューサーとして、監督と作品を守るっていう一番難しいことをして、映画を観ていてハラハラするところがいっぱいあるんですけど、信じることってすごく難しいんですよね。だけど監督を信じて守るっていうところを、尾野さんがやってくださるって聞いて、実際に作品を観て表情一つで覚悟が伝わってくるシーンがたくさんあって、とても嬉しかったです。ありがとうございました。
尾野:ありがとうございます(笑)。
辻村:そして吉岡さん、本当にありがとうございます。原作でも主人公の新人監督なんですけど、まず私は映画を観るときに「吉岡里帆の映画を観るんだ」と思って観始めて、開始2分で吉岡さんだっていうことを忘れるぐらい瞳だと思ったんですよね。瞳の表情だし、瞳の怒り方だし、私の描いた瞳が成長していく。それが吉岡さんの中に怒りの演技とか喜びの演技とか、たくさんある中で、瞳だからこの表情をするっていうものを全部演じてくださっていて、こんな幸せなことがあっていいのかなと思いました。ラストもすごく素晴らしかったです。ありがとうございます。
吉岡:ありがとうございます(笑)。
辻村:そして監督、本当にありがとうございます。監督と私は同年代だったので、今まで自分の映像化をお願いする時って、お願いするっていう気持ちがすごく強かったんですけど、今回は監督と一緒に原作者もスタッフの一員として迎えてくださって、このチームの中で一緒に映画作りをさせてもらったっていう気持ちでいっぱいです。最高の形で映像にしてくださって、ありがとうございました。
吉野:ありがとうございます(笑)。