【全文掲載】佐藤健、瀬々敬久監督の本音にマジ照れ!「褒めるのも恥ずかしいんですけど…。いつも命がけ。そこが好きなところ」

MC:ありがとうございます(笑)。そして阿部さん、林遣都さんが演じる後輩の蓮田智彦と一緒に利根を追いかけるシーンがありましたが、あれはかなりの雨量の中を走られていたと思うんですけれども、思い返されていかがですか?

阿部:30年ぶりに全速力で走りましたね。あの一日で終わると思ったら二日間あったので、一本2~300メートル走るんですよ。まあ本当に大変でした。だけど刑事というのは追いかけるときにこれだけ本気なんだなっていうのは実感できましたし、そこから半年間、足が痛かったですね(笑)。

MC:かなり足場も悪かったですよね、佐藤さんはいかがでした?

佐藤:走る距離が長かったですね。次の日に僕、本当にしんどくて、でも阿部さんはケロッとされてるんですよ。だから阿部さんに「大丈夫なんですか?」って言ったら、「全然、大丈夫」っていうことだったんで、すごいなーと思ってたんですけど、時間差だったんです(笑)。自分だけきついのかなと思ってたんで(笑)。

MC:逆に半年間も続くというのは、かなり辛いですよね(笑)。

阿部:たぶん、筋を痛めたんですね(笑)。

MC:ありがとうございました(笑)。お時間の方も迫っておりますので最後に作品を代表して監督と佐藤さんから一言ずつ皆様にご挨拶をいただきたいと思います。

瀬々:今回は実際に震災のあった宮城という場所で撮影させていただきました。こういう内容なのに引き受けていただいた宮城の方に、本当に感謝しています。当時もまだコロナの渦で、そういう時にもかかわらず僕らを受け入れてくれた現地の方にすごく感謝していますし、そこで見聞きし発見したことが、この映画で実際に多く生かされています。そして今日は終戦の日で、今後も皆さんに平和な日々が続いていけばいいなと思いますし、平和な日々を目指せるような国にしたいって、俺が言うのも気持ち悪いんですけど(笑)、そうなるように、この映画が皆さんの生活の日々の支えになればと思っています。いろいろ難しい感じにとらえられるかもしれないですけど、エンターテインメントでもありますし、フィクションのおもしろさもあると思いますので、ぜひこの映画を、雨の中で走った阿部さんと健くんのように、一緒に走ってもらえればと思います。外に出たら雨は止んでるでしょう! 宜しくお願いします(笑)。

MC:ありがとうございます(笑)。佐藤さん、お願いします。

佐藤:本日は皆さん本当にありがとうございました。僕がこの完成した映画を観た時に、一番胸に残ったことは、命の重さだとか命の尊さだとか、そういうことというよりかは、誰かが誰かに生きていて欲しいと思う気持ち、その気持ちに一番僕は心を打たれました。大切な人がいるっていうこと。そんな日常の幸せに感謝し、幸せをかみしめながら、同時にみんなでより良い国により良い生活を目指して、そのためにどうするべきかを共に考えながら、そんなことを思うきっかけとなる映画になっているんじゃないかなと思います。沢山の方に観て頂きたいと思っております。皆様のお力をお貸しいただければ非常に嬉しいです。本日は本当にありがとうございました。

『護られなかった者たちへ』
10月1日(金) 全国公開
監督・脚本:瀬々敬久
原作:中山七里「護られなかった者たちへ」
脚本:林民夫
音楽:村松崇継
主題歌:桑田佳祐「月光の聖者達(ミスター・ムーンライト)」
出演:佐藤健 阿部寛 清原果耶 林遣都 永山瑛太 緒形直人 岩松了 波岡一喜 奥貫薫 井之脇海 宇野祥平 黒田大輔 西田尚美 千原せいじ 原日出子 鶴見辰吾 三宅裕司 吉岡秀隆 倍賞美津子
配給:松竹

【ストーリー】 東日本大震災から10年後の仙台で、全身を縛られたまま放置され“餓死”させられるという不可解な殺人事件が相次いで発生。被害者はいずれも、人格者として知られた人物だった。捜査線上に浮かんだのは、別の事件で服役し出所したばかりの利根(佐藤健)という男。刑事の(阿部寛)は、利根と被害者たちとの接点を見つけ出し彼を追い詰めていくが、決定的な確証がつかめないまま、第3の事件が起きようとしていた。なぜ、このような殺し方をしたのか?利根の過去に何があったのか?やがて事件の裏に隠された、切なくも衝撃の真実が明らかになっていく。

©2021映画『護られなかった者たちへ』製作委員会