MC:続いても若村さんにお伺いして参りたいと思います。劇中では土門とマリコ、風丘先生とマリコと、信頼しあったバディーの活躍も見どころかと思います。長年演じられていらっしゃいますが、映画に向けて何か話し合ったことはありますか?
若村:「映画がありますね、楽しみですね」みたいな話はしましたけれども。現場で、風丘早月は普段、共有スペースと解剖室にいることが多くて。外に出ることがあまりないので、今回は外に出させてもらったっていう(笑)。そのときに土門刑事とマリコさんら科捜研のメンバーと現場で会うということがありまして、それが私のクランクインだったんですね。なので、そのシーンの撮影が大きな思い出のひとつになってます。
MC:内藤さんはいかがでしたか?
内藤:ストーリーに関することになってしまうんで、ちょっとアレですけど…。「やっちゃん、これでもう会えないかも…しれない」みたいなことを、ちらっと言ってたかな…。そういうこともありながらの、「集大成として頑張ろうね」的なこととですね、映画ですからテレビとちょっと違った感じで行こうと思って、せっかく劇場に足を運んでくださってお金払って観てくださることもあるのでも、ちょっと違う気分でやろうっていうのはあって。もう一個は「長い間、ありがとうございました…」みたいな…。
MC:意味深ですね(笑)。皆さん、苦笑いしてますけど。そして、改めてマリコと土門、マリコと早月というのは、どんな関係なのかをお聞きしましょうか。
若村:マリコと早月…。やっぱり風丘早月は、榊マリコを尊敬し、信頼している。このことに尽きるんじゃないかと思うんですけど。マリコさんはどう思ってるんですかね(笑)?
沢口:私もやはり先生を尊敬していますし、すごく頼っている部分があるんですけれども、おもしろいところで言うと時間の感覚が違うっていうところがありますよね。先生はご家庭がある方なんですけど、マリコは本当に科学一筋で生きている人なので、夜中の2時なんですけど「先生、まだ2時ですよ。まだできますよ」っていうんだけど、先生からは「もう2時よ!」っていつも怒られちゃうんですけれど(笑)。
若村:24時間科学者であるマリコと、やっぱりお母さんである早月の生活リズムの違いが。でもだいぶ早月はマリコに応えていると思うんですけどいかがでしょうか(笑)?
沢口:いや、いつもいつも応えてくれています(笑)。
MC:マリコさんに皆さんが振り回されるのも非常に魅力のひとつですよね。
若村:はい、そして映画版もかなりそうです(笑)。
MC:土門さんとマリコさんの関係を一言で言うとどうでしょうか?
内藤:皆さん多分、恋愛につながるのではと思って楽しんでいただいていると思いますが、僕たちの中ではあまりその話はしないんですけども、あえて言うなら、血のつながらない親戚。もしくは、兄妹以上、親戚未満。要するに、そこに恋愛感情はない関係、まあ同志であると、そういうふうに思いますね。あと、いつも屋上で最後に話しますよね。あそこは皆さんにも楽しみにしていただいています。映画版では屋上で終わってなかったかな…。以上です!
MC:ぜひ観てのお楽しみですね。それでは、風間さん、金田さん、斉藤さん、山本さん、石井さん。いつものテレビドラマではできない映画ならではのパワーアップさを感じるシーンがたくさんあったということで、皆さんがパワーアップしているなあと感じたポイントを教えていただきたいと思います。
風間:ひとつひとつのシーンが、とても長いんですよね。セリフもすごく難しい専門用語が多いので緊張感があったんですが、それがある意味物語の緊張として映っていて、一人一人の長いシーンを1回撮り終えると、すごいチームワークがより固まって。スケールが大きい映像になってんじゃないかなと思っています。
金田:パワーアップは、もちろんいつもみんなそういう風に考えないで多分演じられてるんですけど、やっぱり映画っていうことになって、スタッフ、キャストの集中力っていうか、それが=パワーアップにつながってるんじゃないですかね。テレビではご家庭でも大きな画面でご覧になることができるんですけど、やはり大きな劇場で大きなスクリーンで、体を取り巻くような音の中で、あの綺麗な京都の景色を見ながら、そして切ない事件というか、いろんなドラマを観られるっていう事は本当に至福の一時になると思います。そういうのは感じました。綺麗ですよ、もう観てください!
斎藤:スケールが大きいということですけども、大画面で観るということを監督が意識してるんですね。映像美っていうんですかね。これはテレビでは観られなかった。ものすごく美しい京都っていうんじゃなくて、映像美にかけてるなっていうのを感じました。どこどこがとは言えませんが、是非皆さん観てください。
MC:山本さんはいかがでしょうか?
山本:亜美ちゃん的にパワーアップだなぁと感じたのが、今までのシリーズで、例えばパソコンを最新にアップデートしたり、早くなるソフトを入れたり、いろんなことをしてきたんですけど、比較的最初の方に初めての機械が出てくるんですけど、それがすごい高いらしくて、お借りしているものだったんですけど、今までで私が触った機械の中で一番値段が高いものだったので、その面ではパワーアップしているし値段もアップしてるなぁと(笑)。映画だからなのかなと思いました(笑)。
MC:石井さんはいかがでしょうか?
石井:セットがすごく豪華になっていて、佐々木蔵之介さんが演じる加賀野教授という方が、あるものを研究していて、その研究所のセットがすごいんですよ。そこで土門さんとマリコさんと加賀野教授の攻防があるんですけど、その見応えがすごくて、3人の熱量がものすごいんですけど、それを豪華なセットがまた助けていて、すごくいいシーンになっていて、そういうところですね。
MC:ありがとうございます。そして、作品をよりパワーアップさせたこの方よりメッセージが届いているようなんです。皆様モニターにご注目ください。(モニターの映像に佐々木蔵之介が登場)
佐々木:『科捜研の女 -劇場版-』で加賀野亘を演じさせていただきました佐々木蔵之介です。本日はですね、同じ京都府警のサイバー捜査が忙しくて現場には行けなくてリモートの参加という形にさせていただきました(笑)。ほんとに失礼します。沢口さんとはですね、現場ではあまりお話することがなかったんです。それは本当に申し訳なんですけど、沢口さんが取材でおっしゃったんですけど、どうも僕が「怖かった」と恐れられていたと。睡眠を妨害するぐらい。そんな役者ではないはずなんですけども、まあ役柄で敵対する役なので現場ではあんまりお話できなかったんですけど、本当に申し訳ございませんでした。内藤さんは僕が京都に行ったら「京都の仕事場を荒らすな」というふうに。いや、僕こそが京都人なんです。そういうことを言われるんですけど、本当にとても温かく現場に受け入れてくださいまして、とても感謝しています。劇場版に出させていただいたことを光栄に思っています。ありがとうございます。「科捜研の女」は20年の歴史があり、でもそれに甘えることなく皆さん強く堅固な信頼関係を保ちながら、現場はとても穏やかにそして楽しく進んでいきました。とても僕は幸せでした。京都だけではないスケールの大きな「科捜研の女」、ぜひ五感をフル稼働しながら楽しんでください。
MC:映画のゲスト、佐々木蔵之介さんからコメントを頂戴致しました。ありがとうございます。沢口さん、怖かったんですか?
沢口:一番接近したときが、(手の平をを顔の前において)これぐらいの時がありました。普段は京都弁ですごくざっくばらんで面白い方なんですけれども、役に入るとガラッと変わりまして、飲み込まれそうになりました。睡眠妨害は…ちょっと分からないです(笑)。
MC:内藤さん、「京都の現場を荒らすな」とは?
内藤:ホンマですよ。あいつ京都生まれなのに、なんとなく東京で仕事してるでしょ。僕、京都に本籍を移したんですよ。で少しずつ京都に生活を移してるんですけど、あいつは京都を捨てた男です!で、僕は「荒すな」と言ってるですけど、きおるんですね。ですが、褒めることもあって、役が逸脱した科学者の役なんですね。どうしても機械的に見えるところを、蔵之介は本当に上手くて、難しい言葉を早く言えるので、普通なら体温のないような逸脱した科学者を、人間として演じてるんですね。本当に素晴らしい。本人にも伝えました。僕たちの映画に力をくれました。すごい役者っているんですよね。なので僕は潰していこうと思います(笑)。あいつは京都を捨てたので、なるべく蔵之介の仕事を取っていきたいと思います(笑)。それほどすごい役者ということです(笑)。最高ですし、ハートも良い男なんですけど(笑)。楽しい仕事でした。
MC:ありがとうございます。それでは、最後に代表して、沢口靖子さんから皆様にメッセージをお願いいたします。
沢口:はい。今日はひとつ夢が叶い、ひとつ叶いませんでした。劇場版がついに完成して、このようにご報告できたのは嬉しいのですが、長年応援して下さった支えてくださったファンの皆様に直接この場でお伝えすることができませんでした。正直残念でたまりません。でも私は辛いときこそ諦めずに前向いて歩いていこうと、マリコに背中を押されてここまで来ました。科学でより良い未来を切り開く、それがこの映画のテーマです。今は大変な時期ですが、一人一人の心がけ次第できっと素敵な未来がつかめるはず。9月にはぜひ劇場で皆さんの前に立ってご挨拶できるように、一緒にこの困難を乗り越えていきましょう。それまでどうぞお元気でお過ごしください。
『科捜研の女 -劇場版-』
9月3日(金) 公開
監督:兼﨑涼介
脚本:櫻井武晴
音楽:川井憲次
主題歌:遥海「声」
出演:沢口靖子 内藤剛志 佐々木蔵之介 若村麻由美 風間トオル 金田明夫 斉藤暁 西田健 佐津川愛美 渡部秀 山本ひかる 石井一彰 渡辺いっけい 小野武彦 戸田菜穂 田中健 野村宏伸 山崎一 長田成哉 奥田恵梨華 崎本大海
配給:東映
【ストーリー】 京都、ロンドン、トロント…「助けて」と叫びながら高所から飛び降りたのは、全員が科学者だった。だが、犯罪に繋がる物的証拠はゼロ。各地で自殺として処理されようとしていたが、榊マリコ(沢口靖子)をはじめとする科学捜査研究所のスペシャリストたちと捜査一課の土門刑事(内藤剛志)、解剖医の風丘教授(若村麻由美)らは、半ば強引に捜査を進めていた。やがてマリコたちは、「未知の細菌」の発見で世界的に脚光を集める天才科学者・加賀野亘(佐々木蔵之介)にたどりつく。だが、加賀野には鉄壁のアリバイが存在するのだった…。スクリーンに散りばめられた謎を解かなければ、死の連鎖は止められない!
©2021「科捜研の女 -劇場版-」製作委員会