MC:ありがとうございます。あの重ねて、すみません。山田監督、北川さんが今回演じられたのが昭和の銀幕スターということなんですが、その時代を知られている山田監督からご覧になってこの役というのはいかがでしたか?
山田:本当にきれいな人で(笑)。映していてうっとりするくらいきれいな人で。こういうことはとても大事で、たくさんのカットがありましたけど、その中の1カットは、僕はたぶん彼女がたくさん出た映画やテレビドラマの中でも一番きれいなカットだと密かに自負しているカットもあるくらいなもんです(笑)。
北川:どれですか(笑)?
山田:それはちょっと言えないけども(笑)。
北川:知りたい(笑)。
山田:短いカットですけどね(笑)。
MC:北川さん、心当たりはありますか?
北川:ないです(笑)。あとでちょっとこっそり粘って聞いてみます(笑)。
MC:ありがとうございます(笑)。そして今回、菅田さん、永野さん、野田さん、北川さん、撮影のシーンが一緒になることが長かったと思うんですけれども、撮影中はどんなことを話されていたんですか?
菅田:どんな雰囲気でしたかね?
北川:なんか大した事を話してなかったんだよね(笑)。
野田:外のドライブのシーンは4人でずっと車に乗ってたので、「これリテイクの可能性あるな」って話してた気がしたのですが(笑)。スタッフがなんか話し合ってるんですよ。
北川:そうね(笑)。「駄目だったのかもしれないね」とか言いながら(笑)。
菅田:ありましたね(笑)。
MC:ありがとうございます。最後にですね、宮本さん、寺島さん、前田さんに伺います。本作は映画館で観ることの魅力が詰まっている作品だと思いました。ぜひ皆さんの映画館での思い出を教えていただきたいんですが。
宮本:私の小さい頃は、本当に映画が盛んな時ですから、ともかく鞍馬天狗が出てきたりなんかすると、手を叩いて観てましたから。全部映画に乗り移ったように映画を楽しんでいる、そういう状況の中で育ちましたので、それが一番思い出です。
寺島:思い出っていうのはデートしたとか、デートで何を観たかっていうのはあるんですけど、やっぱり子供がいると、子どもの作品を親が付き合うということになって、「これ面白いのかなあ? 私も楽しめるのかな?」って思ってると意外と子供より入り込んじゃって最後泣いてしまうっていう(笑)。そこに入り込んで一緒に楽しむということはすごく大事なことなのかなっていうのは、子供に教わったような気はします。
前田:僕は大阪で育ったんですけど、僕の地元の周りに映画館がなくて、今考えたら別にそんなに遠くない距離なんですけど、小学生ぐらいのときは結構な距離だったので、なかなか自分達だけで映画に行くことはなかったんですけど、小学5年生の時に初めて友達と自分たちで切符を買って電車に乗って映画を観に行って、行き帰りの道とかでの思い出は、今でもスゴい鮮明に覚えてます。すごいワクワクしたなっていう思い出がありますね。
MC:ちなみにどちらの映画館に何を観に行ったんですか?
前田:たぶん梅田なんですけど、実写の『カイジ』を初めて観に行ったんですけど、もうすごいワクワクして、それぐらい小学生の時に映画を観に行くというのは、特別な娯楽だったなって覚えてます。
MC:ありがとうございます。お時間の方が迫っておりまして、この後上映もございます。最後に山田監督と菅田さんから、これから作品をご覧になる皆様に、そして全国で本作を楽しみにされている方に向けてメッセージをお願いしたいと思います。まずは山田監督からお願いいたします。
山田:さっきも言ったような気がしましたけれども、8月6日の封切りの日が無事にくるように心から願っております。そしてその時にはできることならば50%じゃなくて、びっしりと満員の映画館で大勢の方がこの映画で観てくださるような状態であることを心から願っているし、さらに言えば、例えば『寅さん』が上映している頃というのは、お正月などはもう超満員の状態で、座席どころか通路にもびっしりと人が、通廊にはみんなベタベタ座っていたし、廊下側のドアがお客さんで膨れてしまって閉まらないぐらいに、そんな状態の中でワーワーお客もにぎやかに大声で叫んだり、笑ったりしながら観てくれたことを思い出します。そして映画って本当はそんな風にして大勢が賑やかに声を上げながら観るもんじゃないのかと。「静粛に観てください」なんて最近テロップが出てくるんだけども、僕に言わせればそんなことは大きなお世話だっていうふうに思いますね(笑)。お金払って観に来たんだから、うんと楽しんでいただきたいと。前の座席ぐらい蹴っ飛ばしたって一向に構わないと、そういうふうに僕は思います。そういう映画館であってほしいし、そういう映画を作りたい、これからもね。そんな風に思っております。どうかこの映画を楽しんで、皆さんにとって楽しいものでありますように。
MC:ありがとうございます(笑)。それでは菅田さん、お願いいたします。
菅田:いや、もうこの後にしゃべるのもあれですけど(笑)。でも、こういう話は山田さんはすごくたくさんしてくださって、撮影の合間にポンって肩に手を置きながら「昔こんなことがあってね」っていう昔の話を聞いている時間が本当に俳優として財産で、そんな映画がちゃんと完成してもうすぐ公開できるってことが、まず今本当にうれしいです。まだ100%安心はできないですけれども、きっと期待に応えられる作品になっていると思いますので、楽しみにしていてください。どうか『キネマの神様』をよろしくお願いします。
『キネマの神様』
8月6日(金) 全国公開
監督・脚本:山田洋次
原作:原田マハ「キネマの神様」
脚本:朝原雄三
VFX監修:山崎貴
主題歌:RADWIMPS feat.菅田将暉「うたかた歌」
出演:沢田研二 菅田将暉 永野芽郁 野田洋次郎 北川景子 寺島しのぶ 小林稔侍 リリー・フランキー 志尊淳 前田旺志郎 片桐はいり 原田泰造 宮本信子
配給:松竹
【ストーリー】 ギャンブル漬けで借金まみれのゴウ(沢田研二)は妻の淑子(宮本信子)と娘の歩(寺島しのぶ)にも見放されたダメ親父。そんな彼にも、たった一つだけ愛してやまないものがあった。それは「映画」。行きつけの名画座の館主・テラシン(小林稔侍)とゴウは、かつて撮影所で働く仲間だった。若き日のゴウ(菅田将暉)は助監督として、映写技師のテラシン(野田洋次郎)をはじめ、時代を代表する名監督やスター女優の園子(北川景子)、また撮影所近くの食堂の娘・淑子(永野芽郁)に囲まれながら夢を追い求め、青春を駆け抜けていた。しかしゴウは初監督作品「キネマの神様」の撮影初日に転落事故で大怪我をし、その作品は幻となってしまう。あれから約50年。あの日の「キネマの神様」の脚本が出てきたことで、ゴウの中で止まっていた夢が再び動き始める。
©︎2021「キネマの神様」製作委員会