「何を置いてもはせ参じなくてはと思った」山崎貴監督がVFXを監修!沢田研二 × 菅田将暉『キネマの神様』

松竹映画100周年のメモリアルイヤーを記念して、山田洋次監督が沢田研二、菅田将暉のダブル主演、永野芽郁、宮本信子共演で贈る『キネマの神様』。新型コロナウイルスの感染状況を鑑みて4月16日の劇場公開が延期されていたが、このほど、新たな公開日が8月6日に決定した。併せて、VFX監修を務めた山崎貴と山田監督が話し合うメイキングシーンを収めた新特報映像とポスタービジュアルがお披露目となり、さらに、追加キャストとして、片桐はいりと原田泰造が出演することが発表された。

本作は、無類のギャンブル好きで家族にも見放された主人公・ゴウに“映画の神様”が奇跡をもたらす愛と友情の物語。

特別映像には、現在と過去のゴウ(現在/沢田研二、過去/菅田将暉)を繋ぐ重要な本編シーンと、山田監督と山崎監督がその演出について熱心に話し合い、カメラテストをする姿が映し出される。『ALWAYS 三丁目の夕日』、『永遠の0』、『STAND BY ME ドラえもん』など、高度なVFXで数々の作品で定評を集める山崎監督が本作で手掛けたのは、現在のゴウが過去に思いを馳せながら映画を観ていると、主演を務める昭和の銀幕スター・桂園子(北川景子)の瞳がクローズアップされ、若き日のゴウが働く撮影現場の様子が浮かび上がっていくシーン。山田監督の思い描く現在のゴウと若き日のゴウを繋ぐ大切なシーンが、山崎監督の圧巻の技術によって、エモーショナルな映像として具現化された。メイキング映像に切り取られた、両監督の真剣な表情で意見交換する姿からは、本作に懸ける二人の熱い想いが伝わってくる。

ポスタービジュアルには、主人公ゴウと、彼の人生に欠かすことのできない、柔らかな表情をしたメインキャラクターたちの姿が収められる。本作では、映画監督になる夢を追いかけ、挫折を経験するが映画をこよなく愛するゴウ、かつて若きゴウが想いを寄せる食堂の娘であり、ゴウの妻となった淑子(現在/宮本信子、過去/永野芽郁)、そしてゴウとはかつての撮影所仲間で、名画座・テアトル銀幕を営むテラシン(現在/小林稔侍、過去/野田洋次郎)など各キャラクターの想いと共に、夢と愛に満ちた青春そして時代を越えて訪れる“奇跡”に満ちた物語が描かれる。「あの人を愛したから、その神様に出会えました。」というコピーと共に、1本のフィルムが過去と現在のゴウを繋ぐ、まさに“映画の神様”によって奇跡がもたらされるようなビジュアルに仕上がった。

新たなキャストとして、片桐はいりはテラシンが営む映画館“テアトル銀幕”の常連の女性客を演じ、原田泰造はゴウのギャンブル依存に悩まされる妻・淑子と娘・歩(寺島しのぶ)が訪れる相談会の主催者に扮する。片桐と原田は共に山田組初参加となる。

■山崎貴(VFX監修) コメント
Q:山田作品にVFX監修として携わることが決定した際のお気持ちをお聞かせください。
敬愛するレジェンドが僕の何かしらに期待してくれて、仕事を頼んでくれるなら、それは何を置いてもはせ参じなくてはと思いました。僕は邦画の歴史にも大変興味あるので、雑談する中でかつての巨匠達の生の姿を教えていただけることもとても楽しかったです。日本映画の様々な歴史的瞬間を体験してきた方ですから。

Q:本作におけるVFXに関して意識された点、こだわった点について具体的に教えてください。
山田監督の世界観にあったVFXということにはこだわりました。いわば地に足が着いているもの。僕自身の作品のときは荒唐無稽なものをめざしますが、そこは品良くいきたいなと。

Q:撮影現場における山田監督との対話の中でどのような意見交換をされていたのでしょうか?
山田監督は新しい玩具を手にしたように楽しんでいらしたような気がします。僕はその玩具の可能性を出来るだけ広がりが持てるようにレクチャーしていく感じでした。目指すイメージはしっかりと出来上がっていましたね。

『キネマの神様』
8月6日(金) 全国公開
監督・脚本:山田洋次
原作:原田マハ「キネマの神様」
脚本:朝原雄三
VFX監修:山崎貴
出演::沢田研二 菅田将暉 永野芽郁 野田洋次郎 北川景子 寺島しのぶ 小林稔侍 リリー・フランキー 志尊淳 前田旺志郎 片桐はいり 原田泰造 宮本信子
配給:松竹

【ストーリー】 無類のギャンブル好きなゴウ(沢田研二)は妻の淑子(宮本信子)と娘の歩(寺島しのぶ)にも見放されたダメ親父。そんな彼にも、たった一つだけ愛してやまないものがあった。それは「映画」。行きつけの名画座の館主・テラシン(小林稔侍)とゴウは、かつて映画の撮影所で働く仲間だった。50年ほど前、若き日のゴウ(菅田将暉)は助監督として、映写技師のテラシン(野田洋次郎)をはじめ、時代を代表する名監督(リリー・フランキー)やスター女優の園子(北川景子)、また撮影所近くの食堂の娘・淑子(永野芽郁)に囲まれながら夢を追い求め、青春を駆け抜けていた。そして、ゴウとテラシンは淑子に それぞれ想いを寄せていた。しかしゴウは初監督作品の撮影初日に転落事故で大怪我をし、その作品は幻となってしまう。ゴウは撮影所を辞めて田舎に帰り、淑子は周囲の反対を押し切ってゴウを追いかけて行った。2020年。歩の息子の勇太(前田旺志郎)が、古びた脚本を手に取る。その作品のタイトルは、「キネマの神様」。それはゴウが初監督の時、撮影を放棄した作品だった。勇太はその脚本の面白さに感動し、現代版に書き直して脚本賞に応募しようとゴウに提案する。過去の自分と再会した時、ゴウの中で止まっていた夢が再び動き始める。

©︎2021「キネマの神様」製作委員会