【全文掲載】松坂桃李、吉永小百合が「すごいパワーを送ってくれた」、広瀬すず“太陽のような存在”「意識した」

MC:ありがとうございました。まず、吉永さん。本日の完成披露試写会をお迎えになって、昨年の9月の製作会見の時に「無事にクランクインして、クランアップできるかしら」と、ちょっと不安に思ったこともあるというふうに伺いましたが、今のお気持ちをどうぞお願いします。

吉永:大変な思いの中でクランクインしましたし、でもみんなで力を合わせて、今日の日を迎えられたというふうに思っているんです。だからもう今はホッとしています。

MC:ありがとうございました。では続いて松坂さん、お願いします。

松坂:まず、こうやって皆様と対面して作品を届けることができるっていうのが、今の時期なかなか難しい中で、こういう機会がある事に本当にすごく喜びを感じますし、だからこそ改めて作品をしっかりと届けたいなという気持ちでいっぱいです。

MC:ありがとうございます。そして広瀬さん、お願いします。

広瀬:本当に完成した作品を観たときに、すごく希望のある作品だなと思いました。だからこそ、私もこういう舞台挨拶がすごく久々なので、ちょっとドキドキしておりますが、皆さんにこの作品が届いたらいいなという思いでいっぱいです。

MC:ありがとうございましたでは、西田さんお願いします。

西田:コロナ渦の中で、本当によく最後まで完成に至ったなと思っています。そしてそれはスタッフキャストの皆さんの作品に対する情熱、熱い思いがそのまま投影されていると思います。この時期ですから、いろんな命に問いかける、悩んでいる命、先を急ごうとする命、それからヤケになっている命、そんな命たちに優しく優しく問いかけて、もう一度自分の人生を見直してみてはと問いかけているような作品になっていると思います。皆さん、今日ご覧いただいて、また公開日になったら「ぜひ、ご覧になったらいいわよ」みたいなことをおっしゃっていただいたら、我々は最高に幸せです。ありがとうございます。

MC:ありがとうございました。では皆さんにも今回の役柄を演じるにあたって監督とどのようなお話をされたか、吉永さんからお願いします。

吉永:初めての医師、ドクター役だったので、もう分からないことばかりだったんですけれども、監督が前に『孤高のメス』という作品をやっていらしたので、どういう風にすればいいかといろいろ指示してくださいましたし、映画の中でドクターとしての咲和子が大変な思いをしながらも、少しずつ成長していけばいいと言っていただきました。

成島:前回、『ふしぎな岬の物語』でご一緒させてもらって、何よりびっくりしたのは、あの吉永小百合が、まだ成長しようとするというか、ものすごい映画に対して努力して、「もういいじゃないか」とこっちが思うぐらいに(笑)。今回の役は、年齢に関係なく努力して成長していく、そういう吉永さんを撮りたいと思っていた時に、この原作と出会えた時に、これはピッタリだと思って。うれしい出会いでしたし、吉永さんのために書かれたような原作です。

MC:松坂さんはいかがでしたしょうか。

松坂:僕とすずちゃんは、監督からは「太陽のような存在でいてほしい」言われていて、「吉永さんが月なら、この作品において太陽は君たち二人だから、そのような存在でいてほしい」ということを監督とお話をさせていただいて。そうなれるようにしっかりと努めようと思って現場で向き合っていきました。

MC:広瀬さんはいかがですか?

広瀬:松坂さんがおっしゃった太陽というのは、クランクイン前から言われていたことだったので、ずっと意識しながら。特に私が自分の過去のことを話すシーンがあるんですけど、そこのシーンは特に監督にいろいろなご指導をいただきながらお芝居した思い出があります。

MC:人生が滲みでてましたよね、監督。

成島:はい。僕はふたりとずっとお仕事したくて、今回初めてご一緒できたんですけど、やっぱり素晴らしいんです。観ていただければ分かると思いますが、吉永さんがいらして、すずちゃんがいて、松坂くんがいて。このキャスティングでできて本当に幸せでした。

MC:そして、まとめ役というか、大将的なお立場でしたが、西田さんはいかがでしたでしょうか?

西田:私は金沢にある、まほろば診療所という終末医療、在宅医療の責任者の役なんですけど、吉永さんが私の妻で、桃李くんが私の長男で、すずちゃんが私の長女というような気持ちを勝手に思い込んで、演技させていただきました。だから僕はお父さんですね。

MC:会見の時は「じいじと呼ばれたい」とおっしゃってましたけど(笑)。

西田:「じいじ」と呼ばれたい気持ちもありますけれども、まだ齢73で、もう少しお父さんと呼ばれる時間があってもいいかなと思ってます。そしてなんといっても私の憧れの吉永小百合さんと30数年ぶりにまたご一緒させていただいたんですけど、お会いした時にまったく30数年ぶりの感じがしなくて、まだまだ初々しい吉永さんがそこに立っておられたんで、ちょっとびっくりしました。なんか“時”というのは、人によって公平、不公平があるんだなって事を感じるくらい(笑)。

MC:同感でございます(笑)。今、ご登場いただいている4人のキャストの方は、ご一緒のシーンが多かったんですよね。特に思い出に残るエピソードなどありましたら伺いたいんですけれども、吉永さん。

吉永:これから観ていただくので、あまりそういうことを言いたくないんですけどね…(笑)。

MC:そうですね、すいません。ではベテランのお二人と若いお二人ということなので、吉永さんと西田さんからご覧になった松坂さんと広瀬さんを、どのようにお感じになりましたか?

吉永:本当にすずちゃんは涼やかでかわいくて。桃李さんは素敵で、キリンのようにすくすくと成長されていって、カッコよくて。そういうお二人をいつも毎日見ていて楽しかったです。

MC:ありがとうございました。西田さんは、父のような気持ちでとおしゃっていましたが。

西田:すずちゃんのおじいちゃん役も一度テレビドラマではやらせていただいたことがあるので、じじとお父さんと兼ねてますけど。すずちゃんの今までの活躍ぶりを見てると、本当にのびのびと、生き生きとして、はっきりと物事を言うし、立派に仕事をこなしておられて、見ていてうれしく思います。また松坂桃李くんも本当に素晴らしい仕事をずっと続けておられるし、いろいろな作品がみんな話題になってる、大変な作品ばかりにお出になっていて、今の日本の映画界にもある意味で貢献してる一人だと思っています。嬉しく思っています。