吉永小百合「演劇は大丈夫だけど、映画はダメ…。悲しかったです。くじけそうに」“緊急事態宣言下の封切り”に心境語る

都内の終末期医療専門病院に勤務し、命の終わりを真摯に見つめる現役医師でありながら、作家として「サイレント・ブレス」や、NHKにてテレビドラマ化され話題を呼んだ「ディア・ペイシェント」を世に送り出した南杏子による原作を、吉永小百合主演、松坂桃李、広瀬すず、西田敏行共演で映画化する『いのちの停車場』が、5月21日より公開中。このほど、5月22日に丸の内TOEI①にて公開記念舞台挨拶が行われ、キャストの吉永小百合、松坂桃李、広瀬すず、西田敏行、南野陽子、柳葉敏郎、みなみらんぼう、泉谷しげる、田中泯、成島出監督、原作者の南杏子が登壇した。

緊急事態宣言の為、東京・大阪などの映画館が休業に追い込まれる最中、地方の映画館に配信する形で行われた本イベント。主演の吉永は「昨日、映画は封切られました。とてもうれしいことなんですけど、とても残念なこともありました」とし、「緊急事態宣言が延長し、映画館は休業要請が出てしまったんです。演劇は大丈夫だけど、映画はダメということを伺って、大変ショックを受けました。悲しかったです。くじけそうになりました」と正直な気持ちを告白した。「でも、今日このように全国の皆様の前でご挨拶ができるというのは、この劇場にお客様がいらっしゃらなかったから、日本中の皆様に映画をご覧いただけると思っております」と前向きな気持ちを明かした。

松坂は「コロナ渦で公開できない映画があるなかで、『いのちの停車場』が公開延期をしなかったことは、大きな意味があると思う」とし、続けて広瀬も「もちろん辛抱するしかないという気持ちもあるんですけど、何より本作が公開されたことが本当にありがたく、うれしく思っております」と映画が無事に公開されたことに感謝した。

挨拶中に、みなみが体調不良を訴え、吉永が駆け寄って身体を支えるというアクシデントも。みなみが降壇し会場が騒然とする中、西田は「らんぼうさんがお歌いになっている歌が、サントラに収録されて発売されるんですけど、本当に素晴らしい、味わいのある歌です。頭から聞いていくとα波が出ていて、3曲目で寝落ちする。不眠でお悩みの方、ぜひお買い求めください」とベテランならではのフォローで会場を和ませた。みなみは軽い貧血だったとのことで、フォトセッション時には元気な姿を見せていた。

『いのちの停車場』
5月21日 全国公開
監督:成島出
原作:南杏子「いのちの停車場」
脚本:平松恵美子
出演:吉永小百合 松坂桃李 広瀬すず 南野陽子 柳葉敏郎 小池栄子 みなみらんぼう 泉谷しげる 石田ゆり子 田中泯 西田敏行
配給:東映

【ストーリー】 都内の救命救急センターで働いていた主人公・白石咲和子(吉永小百合)は、ある事件をきっかけに故郷の金沢へ戻り、在宅専門医として「まほろば診療所」で働き始める。院⻑の仙川徹(⻄田敏行)、亡くなった姉の子・翼を育てながら働く看護師の星野麻世(広瀬すず)、東京から咲和子を追いかけてやってきた医大卒業生の野呂聖二(松坂桃李)も加わり、いつしか「まほろば」は咲和子にとってかけがえのない家族のような存在に。穏やかな時間を過ごすため、自分らしく生きるため、様々な理由から在宅医療を選択した患者やその家族と向き合ううち、咲和子は“命の終わり”に心地よく寄り添う医療とは何か、深く考えるようになる。

©2021「いのちの停車場」製作委員会