MC:ありがとうございました。では中山忍さん、お願いします。
中山:監督に現場でおっしゃっていただいて、すごく印象的なことがありまして。現場に入るまでは吉永小百合さんのお母さん役ということで、すごく浮足立つ気持ちというか、嬉しくて嬉しくてみたいな気持ちでいたんですけれども、最初のテストの時に監督から「忍さんね、お芝居しようとしないでください」って言われたんです。その時すごくハッとして、何かこうやろうとしてしまう気持ちと言いますか、お芝居したいという気持ちが出てしまっていたんだなぁと思って、本当にハッとしたんですね。その後はもう本当に咲和子のお母さんとして、お父さんと一緒にただその場にいようと心掛けました。
MC:ありがとうございました。そして撮影中で思い出に残るエピソードなどありましたら、どなたか教えていただきたいんですが。
みなみ:台本の始まりのところに「ここで歌を口ずさむ」って書いてあるんですね。何を歌うんだろうなあと思ってたら、監督が来て「らんぼうさん、一曲作ってください」って。一晩で作りまして、次の日に本番です。それを聞いてみんなで吟味したりなんかしてくれるのかと思ったら、それもなし。「いきなり歌ってください」っていう感じで、うわぁ、凄いことをやらせるもんだなぁと思いましたけれども(笑)。横にいた西田敏行さんが一緒に口ずさんでくれるんですよね。それで結局二人の二重奏みたいな形になって孤独が救われたという感じだったんですね。その歌も映画の中で出てまいりますので、ぜひお楽しみに。
MC:ありがとうございます。結構無茶ぶりをなさったんですね(笑)。他にございますか?
泉谷:自分のシーンのところだけなんですけど、すごいゴミで汚いんですよ。ネズミの死骸まで作りやがって、本物あれ?っていうぐらいすごいんですよ。東映の美術すごいなあといえる。恐ろしい現場だったんですよ、本当に汚くて。こんなところに吉永小百合を入れるのかと思って、怒りが増していて、いい演技ができたかなという(笑)。それはいいんだけど、撮影している間にずっと岡田さんがいてくれて、まぁ久しぶりだったんでずーっとペラペラペラペラ喋ってて。なぜ久しぶりで喋りたかったかというと、昔ある番組をやったときに、ずいぶんいじめたんですね、私が(笑)。生意気に「この野郎」って(笑)。もちろん冗談なんだけど、自分よりひとつ歳下なんで、ちょっと先輩面して「演技とは!」とか、演技なんて考えてもいないくせに(笑)。いじられやすいタイプだったんですよね。彼は優男で、みんなからからかわれるタイプだったんですよ。だからみんなでいい的にしていじめててみたいな(笑)。なんで申し訳ないなぁというのがあって、今回吉永さんの映画だし、岡田さんがやるって言うんで「ぜひ!」と思って参加したんですね。おもしろかったのが、岡田さんは東映映画がすごく好きで。でもヤクザ映画が大嫌いで。「あんなもの、ろくなもんじゃない」って、あれが面白かったですね(笑)。私もあんまり好きじゃなかったんですけど、観ると素晴らしくて。久しぶりに会って親しくさせていただきました。
MC:ありがとうございました。4人のキャストのみなさんでした。ありがとうございました。続きまして、ご挨拶をいただきたいと思います。まずは田中泯さん、お願いいたします。
田中:田中泯です。よろしくお願いします。私は吉永小百合さんのお父さんという役をいただきまして。皆さんにお会いしますと、撮影所で緊張していた感覚が戻ってきてしまいます。映画を楽しみにしてください。
MC:ありがとうございました。では続きまして石田ゆり子さん、お願いします。
石田:皆さんこんにちは。本日はありがとうございます。私は吉永小百合さん演じる咲和子先生の古くからの知り合いで、5年前にがんを患って、手術で治るんですけれど色々あってまた咲和子先生を訪ねるという囲碁の棋士の役です。私の役は原作には無い役でこの映画のオリジナルと伺っています。あの岡田会長が私を勧めてくださって、吉永小百合さんとまたご一緒できることも嬉しくて「私でよければ、ぜひ」と言ってOKいたしました。先日映画を観たんですが本当に素敵な素晴らしい映画です。どうぞよろしくお願い致します。
MC:ありがとうございました。続きまして南野陽子さん、お願いします。
南野:皆さんこんにちは、南野陽子です。今日はどうもありがとうございます。私の行った役は娘が病に冒され余命数日と言われたときに、なんとか生きて欲しい、生かしたいと思うお母さんなのですが、そのお母さんがどのようにして気持ちを整理させるというか変わっていくのか、そういったところが今回の役でした。この作品は本当にいろんな人の近づいた死、直面した死についてのシーンがいっぱい描かれているんですが、観終わった感想は生きるって何て素晴らしいんだろうと。生きることの素晴らしさと、どう生きるかがきちんと描かれていたので、皆さんにも私だったら命のしまい方をどうするかなとか、どう生きるかなっていうのを、改めて考えていただける作品になったのではないかと思ってます。今からご覧になるんですよね。どうぞそういう目で観てください。よろしくお願いします。