鈴木:ガッカリしました。「汚れてもいいよ」という許可をいただいていたんですけど、だからあれだけ勢いよく食べていたら、この辺(胸のあたり)がいい感じに汚れてくれるかなと思っていたら、カットかかった瞬間に、座ってたら見えない、ここ(内もも)に付いちゃったんです。衣装さんにとっては嫌なシミでしかない(笑)。
MC:ただ、あの食べっぷりというのは、ファンの皆さんから見ても、カッコいいなと思うのではないかと(笑)。
鈴木:本当は素手でいきたかったぐらいなんですけど、温かい、美味しい、ナポリタンを用意していただいていたので、手でいくのは火傷の問題とかあって。すごい美味しかったです(笑)。
豊島:あれは、おなかペコペコで臨んでいるんですか?
鈴木:本当にご飯を抜いて挑みました。たぶん相当食べるだろうなと。
MC:監督からご覧になって、お二人のバディ感というのはいかがでしたか?
豊島:2人の育ち、これまでの経歴がぜんぜん違うので、違う惑星からきた2人という感じなんですよ。弘樹くんは舞台を中心に活躍してきて、清原くんはモデルをやっていて、芝居の質も全然違って、ただ、凸凹コンビにしたかったので、ここは逆に利用できたらいいなと思って。それぞれに僕の方から課題があって、特にカゴロクはすごい抽象的なことを言ったんですけど、「今までに弘樹がやったことがないような野蛮な風にやってくれ」って話を。
鈴木:「野生児だ」って。
豊島:それで、何度もリハーサルしたんですけど、しばらくして本番を迎えたんですけど、今日皆さんがご覧いただいた2話の終わりで、ちょうど2人が走ってくるカットがクランクインのカットだったんですけど、あれを最初に観た時に、弘樹くんがアホの子みたいになって(笑)。「あひゃひゃー」って走ってきたのを見て、「もう大丈夫だ、カゴロク」って初日に思ったんですね。だいぶ仕上げてきたな、アホ度というか、野生度というか(笑)。その挙句の果てが、スパゲッティというかナポリタンの食べ方だったり。4話にも大アクションシーンがあるんですけど、巨大なテーブルをひっくり返すカゴロクが出てきて、その時の叫び方っていうのは、もうあまりにも想像の外過ぎて、絶句したというか(笑)。どこからあんな声が出るんだと思って(笑)。その、準備ってどんなことをしたんですか?
鈴木:「正しいことを考えすぎ」とおっしゃっていたので、自分で間違っていると思うプランを積極的にやっていけば、監督が止めてくれると思って(笑)。
豊島:いくつか止めた記憶があります(笑)。「それは止めよう」って。
鈴木:「これはダメなのか…」って(笑)。だから積極的に地雷を踏みにいくと。「この辺、ボコッとしてるな。踏んでみよう。意外と行けた!」みたいな(笑)。それの繰り返しでした。
豊島:なるほどね(笑)。面白い現場でした。七海は七海で、ある種ルパン三世みたいな。もともとモジモジしたところがある人なんで、モジモジを取り去ってルパンになるのが準備だったと思いますけど、どうでしたか?
清原:モジモジしてますか(笑)? でも本当に、こういう人間なので、七海のような役は結構ハードルを越えないとやれないので、正解ですね(笑)。
MC:でもハードルを越えるのは、そう簡単なことではないと思うのですが、どうやって近づけようと努力していったのですか?
清原:七海になりたいからという一心で、近づけていきましたけど。
MC:ご覧になった皆さんは、もう七海役は清原さんしかいないと思っているんじゃないでしょうか?
(会場拍手)
清原:ありがとうございます(笑)。
MC:そして本作は、「バッカーノ!」、「デュラララ!!」を書かれた人気小説家の成田良悟さんが、このプロジェクトの為に描き下ろしたと伺っておりますが、飯干さん、成田先生に原作を依頼した経緯をお聞かせください。
飯干:私は普段、WOWOWで2.5次元とかアニメのジャンルを担当しておりまして、鈴木さんとも番組をご一緒にさせていただいているんですけれども、そういったジャンルの新しい取り組みができないかというところで始まったプロジェクトなんですね。そういう経緯もあるので、ドラマの部署が別にあるんですけど、せかっく私の部署の方でやらせていただけるということで、普段、映画やドラマの脚本を書かれている方ではなくて、世界観が面白い方とか、二次元っぽさを面白く作ってくださる方とご一緒したいなというところから始めております。私はもともと「バッカーノ!」を読んでおりまして、すごい好きな作品だったんですけど、話のどの場面を聞いても、どのキャラクターの視点で見ても、それぞれ面白くて、ストーリー全体を通してみると「そうだったのか!」という驚きもあったりして、今回、やりたいなと思っていたことをお願いするには成田先生が一番いいと思い、お願いしました。最初にお願いしたのは、「バディものをやりたい」というご相談をしました。スパイものとか、泥棒ものとか、映画をいくつか例に上げて、ご相談をしてですね、いくつかアイデアをいただいた中から作っていただいて。初めに8話分のプロットを作っていただいて、それをもとに監督と脚本家さんと一緒にドラマ用のシナリオを作っていきました。打ち合わせのときも、成田先生がどんどんアイデアを出していただいて。その場で、「こうしよう、こうしよう」と話がまとまっていった記憶がありますね。