MC:存在感がね、それぞれ違うんですが。皆さん素晴らしかったですよね。そして堀田さんは、初江先生を演じられまして、しっかり者ということで。
堀田:そうですね。みっちゃんの背中を押すしっかり者だったんですけど、結構終盤から皆さんとご一緒するので、どうにか子供たちとコミュニケーションを取ろうと思って、お話をしようとしていたら、「今すごい泣きたいから、しゃべらないで!」って子供に怒られて(笑)。それぐらい小さい役者さんたちのパワーというものを、すごく感じました。
MC:役作りに入っていたんですね。皆さんも思い出して笑っていらっしゃいますが(笑)。実際、そうだったんですか?
戸田:言いそうだなって人はいました(笑)。私に、「素直にやったら泣けた」って言って。
平松:やっちゃん(笑)?
戸田:やっちゃん(笑)。やっちゃんはすごいですよ。大人びてますよ。女優ですよ。
MC:この後、ぜひ皆さんスクリーンでお確かめいただきたいと思います。そして平松監督、本当にキャストの皆さんの役の掘り下げ方がそれぞれに深くて、素晴らしい作品だと思ったのですが、次世代を担う役者陣が集まった作品が集まった作品だと思うのですが、監督から見て皆さんの演技はいかがだったでしょうか?
平松:演技は皆さん観ていただけたら納得してくれると思いますが、私はものすごくこの5人+αいますけども、頼ったんですね。というのは、ものすごいたくさんの子供たちが出てくるんですけど、そういう映画を過去に振り返って探してもないんですよ。有名なところでは『二十四の瞳』というのがありますけど、それだって12人なんですね。しかも小学校1年生から上だったから、それに比べると4歳ぐらい6歳、7歳の子供たちがワラワラ何十人もいるっていうね。そういう現場で、私は演出は無理だと。監督業を放棄しようと思いました。で、どうしたかというと、皆さんと衣装合わせで初めてお会いしているんですけど、その時に「初めに言っておきます。私は子供たちを全員見るのは無理です。皆さんは保母役なんですから、皆さんの周りにいる子供たちはちゃんと面倒をみましょうね。お芝居を作ってあげましょうね。お願いします」と。その時は、皆さんとほぼ初対面に近かったから、皆んな笑顔で「はい」って言ってくれました。本当はどうか分からないですけど(笑)。ただ、それを皆さん本当に守ってくれて、だから撮影の前後も子供たちと触れ合うことを嫌がらずに、辛抱強くやってくれたから本番中の子供たちの、ちょっとわがままな顔とか、スネているような顔とか、ものすごく自然に映っていると思います。それだけでも、この5人は素晴らしいと言っておきます。