世界中の批評家&観客が「2022 年ベストリスト」に選出!『ソウルに帰る』8月公開

2021年カンヌ国際映画祭ある視点部門出品、2023年アカデミー賞国際⻑編映画賞カンボジア代表選出、そしてアカデミー賞の前哨戦として知られるボストン映画批評家協会賞で作品賞を受賞するなど、世界の映画祭で注目される映画『Return to Seoul(原題)』が、邦題を『ソウルに帰る』として、6月に新オープンとなるBunkamura ル・シネマ渋谷宮下にて8月より公開されることが決定した。併せて、ダヴィ・シュー監督よりコメントが寄せられた。

『ソウルに帰る』は、韓国で生まれ、フランスで養子縁組されて育った25歳のフレディが初めて母国に戻り、友人の力を借りて実の両親を探し始める物語。

2022年カンヌ国際映画祭のある視点部門で出品されるやいなや話題を呼び、その後世界中の映画祭で絶賛、ボストン映画批評家協会賞では昨年濱口⻯介監督『ドライブ・マイ・カー』が栄誉に輝いた作品賞を見事受賞。今年1月世界に先駆け一般公開されたフランスでは、公開2週目にして7万人以上を動員する大ヒットを記録中だ。

友人の経験に着想を得て脚本を書いたという本作の監督は、カンボジア系フランス人のダヴィ・シュー。カンボジアの首都プノンペンを舞台に⻘春群像を描いた初⻑編劇映画『ダイアモンド・アイランド』(2014)で、カンヌ映画祭批評家週間のSACD賞を受賞。本作が⻑編2本目ながら、一躍世界でもっとも期待される新鋭監督の一人として知られるようになった。

ソウルの街灯りの下、自分の原点を探し求める主人公・フレディを演じたのは、今回が初映画出演となるパク・ジミン。表情豊かで型破りなフレディの複雑な内面を見事に演じて、『TAR/ター』のケイト・ブランシェット、『エブリシング・エ ブリウェア・オール・アット・ワンス』のミシェル・ヨーらと並び、昨年を代表する名演と評された。突如目の前に現れた娘と向き合うことになる父親役には、『オールド・ボーイ』『親切なクムジャさん』などパク・チャヌク監督作品の常連俳優として知られるオ・グァンロク。その他、『愛の不時着』で知られるキム・ソニョン、小説『砂漠が街に入り込んだ日』 の作者として知られるグカ・ハンなどバラエティ豊かな俳優が出演している。日本では、昨年開催の東京フィルメックス コンペティション部門に出品され、「大傑作」「過激で愛らしい」「(フレディを)抱きしめたい」「ぶっとんだ展開の発想力に驚いた」など絶賛が相次ぎ、審査員特別賞を受賞した。

25歳から33歳までの、人生でもっとも多感な時期を過ごす一人の女性を見事に描き切り、「『わたしは最悪。』のように現代的な感性を持ち、『こわれゆく女』のように並外れた女性像を提示する」-Les Films du losange(フランス配給)と話題を呼んだ『ソウルに帰る』が、世界中の圧倒的な共感とともについに8月、日本公開となる。

■ダヴィ・シュー(監督)コメント
カンボジア系フランス人監督として人種差別を受けた立場から私が興味を持ったのは、あらかじめ設定された定義に収まること、あるいは代弁されることを常に拒否するキャラクターの軌跡という地平線です。パク・ジミンが演じるフレディは、自分自身を再発明し、再構築し、再主張することに時間を費やしています。私は誰なのか?私の居場所とは?他者との関係において、自分はどのような立ち位置にいるのか?『ソウルに帰る』では、アイデンティティという普遍的なテーマを追求しました。

『ソウルに帰る』
2023年8月より、Bunkamura ル・シネマ 渋谷宮下ほか全国順次公開
監督・脚本:ダヴィ・シュー
出演:パク・ジミン オ・グァンロク キム・ソニョン グカ・ハン ヨアン・ジマー ルイ=ド・ドゥ・ランクザン
配給:イーニッド・フィルム

【ストーリー】 韓国で生まれフランスで養子縁組されて育った 25 歳のフレディは、ふとしたきっかけで、母国である韓国に初めて戻ってくる。しかし、 自由奔放なフレディは、韓国の言葉や文化になじめず、誰とも深い関係を築けない。そんな中、フランス語が堪能で親切な韓国人テナの 手助けにより、フレディは自分の実の両親について調べ始める。

©AURORA FILMS/VANDERTASTIC/FRAKAS PRODUCRIONS/2022