バス停で寝泊まりするホームレスの女性が、突然襲われてしまう悲劇…『夜明けまでバス停で』10月公開

『痛くない死に方』の名匠・高橋伴明監督が、板谷由夏を主演に迎えて現代の社会的孤立を描く『夜明けまでバス停で』が、10月8日に公開されることが決定した。併せて、高橋伴明監督のコメントと、場面写真がお披露目となった。

2020年冬。幡ヶ谷のバス停で寝泊まりする、あるひとりのホームレスの女性が、突然襲われてしまう悲劇があった。非正規雇用や自身の就労年齢により、いつ自分に仕事がなくなるか分からない中、コロナ禍によって更に不安定な就労状況。そして自らが置かれている危機的状況にもかかわらず、人間の「自尊心」がゆえに生じてしまう、助けを求められない人々。本作は、もしかしたら明日、誰しもが置かれるかもしれない「社会的孤立」を描く。

『痛くない死に方』の名匠・高橋伴明監督の、「今、これを世の中に発信しなければ」という想いに、日本映画が誇るスタッフとキャストが集結。バス停で寝泊まりするホームレスに転落してしまう主人公・三知子役を、『欲望』(2005)以来の映画主演となる板谷由夏が演じる。

■高橋伴明(監督)コメント
子供の頃からずっと何かに対して怒っていた気がする。映画屋になってからも「怒り」が映画を創る原動力だった。ストーリー上での状況、登場人物のキャラ、セリフ……想定した敵と怒りを持って戦かってきた。それは『光の雨』まで続いたが、ある想いに至り怒りを封印する忍辱行に勤めることにした。ところがどうだ、世の中は醜い怒りの種を増殖するばかりである。『光の雨』から20年、監督デビューから50年、何のヒネリもなく、そのままに「怒り」を吐露しても、もういいのではないだろうか。

『夜明けまでバス停で』
2022年10月8日(土)より、新宿K’s cinema及び池袋シネマ・ロサ他にて公開
監督:高橋伴明
脚本:梶原阿貴
出演:板谷由夏
配給:渋谷プロダクション

【ストーリー】 北林三知子(板谷由夏)は昼間はアトリエで自作のアクセサリーを売りながら、夜は焼き鳥屋で住み込みのパートとして働いていたが、突然のコロナ禍により仕事と家を同時に失ってしまう。新しい仕事もなく、ファミレスや漫画喫茶も閉まっている。途方に暮れる三知子の目の前には、街灯が照らし暗闇の中、そこだけ少し明るくポツリと佇むバス停があった…。一方、三知子が働いていた焼き鳥屋の店長である寺島千晴は、コロナ禍で現実と従業員の板挟みになり、恋人でもあるマネージャー・大河原聡のパワハラ・セクハラにも頭を悩まされていた。誰にも弱みを見せられず、ホームレスに転落した三知子は、公園で古参のホームレス・バクダンと出会い…。これは、ある日誰にでも起こりうる、日本の社会の危惧すべき現状を描いた物語である。

©2022「夜が明けるまでバス停で」製作委員会