柄本佑 主演『素敵なダイナマイトスキャンダル』音楽家の菊地成孔が“写真家・荒木さん”を演じる場面写真

伝説のカルチャー・エロ雑誌の編集長・末井昭の自伝的エッセイ「素敵なダイナマイトスキャンダル」(ちくま文庫刊)を、柄本佑を主演に迎え、冨永昌敬監督が映画化した『素敵なダイナマイトスキャンダル』が3月17日より全国ロードショーとなる。それに先立ち、音楽家や文筆家として多方面で活躍する菊地成孔が、“写真家・荒木さん”として初の映画出演を果たしたシーンの場面写真が公開された。

【2_23(金)17時解禁】菊地成孔場面写真01

本作は、7歳の時に母親が隣家の若い息子とダイナマイト心中するという壮絶な体験をした末井青年が、工員、キャバレーの看板描きと職を転々としながら、70~80年代のサブカルチャーを牽引する伝説の雑誌編集長となっていくまでを描いた青春グラフィティ。

末井昭による雑誌「NEW self」は、これまで発行されてきたものとは一線を画す、レイアウトや紙、印刷にもこだわる“スマートでマジメなエロ雑誌”として1975年に創刊された。この雑誌には、南伸坊、赤瀬川原平、田中小実昌、嵐山光三郎といった当時のサブカルチャーを牽引する豪華な執筆陣が加わり、若者に絶大な人気を博していく。そして、末井昭と共に「NEW self」、その後に創刊される「写真時代」を支えたのが、世界的巨匠写真家であるアラーキーこと荒木経惟だった。

今回、末井の自伝を描くにあたって欠かすことができない登場人物である荒木をモデルにした役を、冨永監督は本作の音楽監督を務める菊地成孔にオファー。『パビリオン山椒魚』、『パンドラの匣』などで菊地と長年タッグを組んできた冨永監督は、「前々から成孔さんは荒木さんに似ていると思っていました。その才能の大きさも似ているし、言葉で体ができているかのような、虚実すれすれの身体性も似ている。だから成孔さん以外のキャスティングは考えられませんでした。でもその出演依頼は頑として断られました。音楽は絶対にやるけど出演はダメだと。なので、直前になって引き受けてくれたのは本当にびっくりしたんですよ」と語る。荒木への尊敬の念から、あくまで“アラーキー”ではなく“写真家・荒木さん”として役を引き受けた菊地の軽妙な演技は、クセのある人物ばかりの本作の中で特に際立っている。

場面写真は、水着の撮影だと思ったモデルを、アシスタントと共に言葉巧みに浴衣姿から下着姿にしてしまう“荒木さん”の撮影シーン。そして、最後に下着を脱ぐことを渋るモデルに「ゲージュツだから!」と殺し文句を放ち、ヌード撮影へと持ち込んでしまうという、昭和時代のエロ雑誌の撮影風景がユーモラスに描かれている。冨永監督からは「台本を1.5倍に膨らませてください」というリクエストがあったものの、「成孔さんのほぼアドリブでした」という菊地の映画初演技が観られるシーンとなっている。

【2_23(金)17時解禁】菊地成孔場面写真02

『素敵なダイナマイトスキャンダル』
3月17日(土)より、テアトル新宿、池袋シネマ・ロサほかにて全国公開
監督・脚本:冨永昌敬
音楽:菊地成孔 小田朋美
出演:柄本佑 前田敦子 三浦透子 峯田和伸 中島歩 落合モトキ 木嶋のりこ 瑞乃サリー 政岡泰志 島本慶 若葉竜也 嶋田久作 松重豊 村上淳 尾野真千子
主題歌:尾野真千子と末井昭「山の音」(TABOO/Sony Music Artists Inc.)
配給:東京テアトル

【ストーリー】 バスも通らない岡山の田舎町に生まれ育った末井少年は、7歳にして母親の衝撃的な死に触れる。肺結核を患い、医者にまで見放された母親が、山中で隣家の若い男と抱き合いダイナマイトに着火&大爆発!!心中したのだ─。青年となり上京した末井昭は、小さなエロ雑誌の出版社へ。のち編集長として新感覚のエロ雑誌を創刊。読者の好奇心と性欲をかきたてるべく奮闘する日々の中で荒木経惟に出会い、さらに末井のもとには南伸坊、赤瀬川源平、嵐山光三郎ら、錚々たる表現者たちが参集する。その後も発禁と創刊を繰り返しながら、数々の雑誌を世におくりだしていく…。

©2018「素敵なダイナマイトスキャンダル」製作委員会