【延滞注意】全制覇に挑め!年末年始に見たい迷シリーズ映画3選

時間を無駄にむさぼり食える年末年始の醍醐味といえば、寝ても覚めても雑煮! 酒! ドンジャラ! (当社比)。その三種に加えたい四種目の神器が、「シリーズ作品の全制覇」です。『こち亀』『ガラスの仮面』など長寿漫画の一気読みで眼精疲労を起こすのもオツですが、よりチャレンジング魂をそそる「シリーズ映画」をオススメ。盤石の布陣である『スター・ウォーズ』や『ハリー・ポッター』はひとまず置いといて、年末年始の祝賀ムードだからこそ見てほしい迷シリーズをピックアップします。お近くのレンタルショップに走って、全作ニコニコ現金借りで一気に見よう! 全作あるかは知りませんが。延滞には注意だよ!

トロマ製作『悪魔の毒々モンスター』シリーズ

年末年始の一家団欒にうってつけが、“最低クソ映画”の金字塔『悪魔の毒々モンスター』(1984年)です。本作を手掛けた映画会社トロマといえばホラー、コメディ、恋愛といった素材を、エロとグロとゲロと一緒に五右衛門釜で煮込み、アホと不謹慎のスパイスをぶっ込んで、最後にまんべんなくウンコをぶちまけたZ級映画を、金髪ギャルがパイオツに挟んで「召し上がれ♥」と提供する最低クソ社風で知られています。その代表作である毒々シリーズは、冴えない童貞の清掃員メルビンが、有害廃棄物に頭からダイブしたことでケロイド状の“毒々モンスター”へと豹変。容姿は醜悪でも正義漢の彼は、モップ片手にクズどもの脳天をかち割って十二指腸をひきずり回しつつ、時に優しくお年寄りの荷物を運び、時に後背位で美女と一発かまし、アレがコレでナニして結果的に町の英雄となって大団円! そこら辺の物語が実に雑に展開されます。その後、『悪魔の毒々モンスター 東京へ行く』『悪魔の毒々サーファー』『悪魔の毒々おばあちゃん』『悪魔の毒々プラトーン』など、10作目あたりから数えるのが面倒臭いほどに量産。同じシーンを再利用しまくる地獄のループや、見るそばから脳ミソが腐る残酷アホ描写の連続に、どこまでアクビをせずに耐えられるかレッツ・トライ!

スティーブン・セガール主演『沈黙』シリーズ

“全く関係性のない作品なのに、勝手にシリーズものにしちゃった”界の雄が、合気道を極めた超人スティーブン・セガール主演のアクション作『沈黙』シリーズです。第一作目『沈黙の戦艦』(1992年)がヒットしたことで、日本のメーカーが以降のセガール作品に何でもかんでも“沈黙”をつけちゃったのが事の発端(正式な続編である『暴走特急』には沈黙の「ち」の字も入れてないけど)。どの作品も“煮ても焼いても死なない”というセガールのキャラ設定が1ミリもブレないので、シリーズ化しても全く問題ナシです。最高傑作と謳われる1作目では、セガールが特殊部隊出の料理長に扮し、武装テロリストに占拠された米海軍戦艦で孤軍奮闘・・・・せずに、雑魚キャラもラスボスもみ~んな平等に“セガール拳”で瞬殺します。本シリーズの楽しみ方は“セガールの天下無双ぶりを愛でる”それのみです。銃でも刀でも核弾頭でもすべて素手で対抗! 『沈黙の断崖』では環境保護職員のくせに放射性物質を大爆破&大拡散! 『沈黙の陰謀』では恐怖の殺人ウィルスに対し岡本信人ばりにそこら辺の草を食って抗菌! 『沈黙の聖戦』では敵がセガールに豪快にぶっ飛ばされるためだけにワイヤーアクションを駆使! 銃で撃たれても「弾が貫通してれば撃たれたことにはならん!」、接近戦が得意&料理自慢を伝えたいがための「キッチンでは負けん!」、敵への捨て台詞「安心してケツを出せ!」など香ばしい金言も必聴です。

『ポリスアカデミー』シリーズ

警察学校に入学したオツムの弱いポンコツ連中たちが、警官を目指してドタバタの珍騒動を巻き起こす痛快コメディ『ポリスアカデミー』(1984年)。このポリアカを見ずして年は明けさせねえ! 本シリーズは警察学校に入学したアホ生徒たちが、1円にもならない実習を経て、卒業という名のもとで学校を追い出され、警官になった後も犯罪者以上に町の秩序を乱しまくるというストーリー。人をコケにすることが至上の喜びの主人公マホニーをはじめ、銃への欲求をスパークさせる軍事オタクのタックルベリー、花を愛しネズミを嫌う怪人ハイタワー、卓越した声帯模写で人を錯乱させるジョーンズ、悪魔のような天然ボケで周囲に不幸をもたらす“動く災難”ファックラー、頭のネジが100本まるごとぶっ飛んだ超絶デンジャラス男のゼッドなど、とにかく超特濃キャラが大渋滞を起こしまくる作品です。生徒たちだけでなく、頭がいつもお花畑状態のラサール校長、巨乳の鬼軍曹キャラハン、ゼッドに何度も襲撃される家具屋の弱虫店主などサブキャラも充実しています。またかつての80年代テレビっ子世代には、字幕よりも吹き替え版がオススメ。人をなめまくった口調がイラっとさせられるマホニー役の大塚芳忠や、血管ブチ切れて「キエエエエエ!!」と奇声をあげまくるゼッド役の緒方賢一の吹き替えが最高です(ピストン藤井)。