モスクワ国際映画祭を始め、上海映画祭、ハワイ映画祭など数々の国際映画祭に選出され、ニューヨークで開催された北米最大の日本映画祭・第12回JAPAN CUTSでは28本の作品の中から観客賞を受賞した照屋年之(ガレッジセール・ゴリ)監督の最新作『洗骨』が、2019年1月18日より沖縄先行公開、2月9日より全国公開される。それに先だち、11月8日、物語の舞台となった栗国島・粟国村離島振興センターでプレミア試写会が行われ、奥田瑛二と照屋年之監督が登壇した。
奥田瑛二と照屋年之監督は粟国村到着後、粟国村役場・粟国村新城村長を表敬し、村長からは「粟国村に残る洗骨という風習を、映画というツールで全国そして世界へ発信され、注目していただける機会を作っていただき、誠にありがとうございました。また、今回このように足を運んでいただき、上映会を開催していただくことで、粟国村民喜んでおります」と、感謝の言葉が贈られた。
粟国村離島振興センターでの上映会には、子どもからお年寄りまで幅広く約230名の村民が集まり、上映中は笑いあり涙ありで、みんな食い入るように観賞していた。
■奥田瑛二 コメント
私が演じたのはこの島に住んでいる男の役ですから本物を目の前にして、ちょっと怖かったですね(笑)。初号以来、久しぶりにこの映画を観て、出ているのが本当に自分なのかどうかと思う程、他の映画では感じたことのない違う感動が沸いた。脚本の力、監督の力、スタッフ・キャストの力、そして粟国島の力、沖縄の力、全ての力が融合してできている稀有な映画だと改めて感じた。
■照屋年之監督 コメント
粟国島の方々と一緒に観れたことに今までと違った感動がありました。やはりこの映画で一番伝えたかった祖先を敬う気持ちと自分を生んでくれた親への感謝の気持ちをしっかりと描ければ島民の方々も喜んでもらえると思って頑張って作りました。最初は不安もあったのですが、こん何もたくさんの方々に集まって頂き、上映中にたくさんの笑い声や鼻をすする音などが聞こえたので、本当に頑張って良かったなと思いました。
『洗骨』
2019年1月18日(金)より沖縄先行上映
2019年2月9日(土)より全国ロードショー
監督・脚本:照屋年之
出演:奥田瑛二 筒井道隆 水崎綾女 大島蓉子 坂本あきら 山城智二 前原エリ 内間敢大 外間心絢 鈴木Q太郎 筒井真理子
配給:ファントム・フィルム
【ストーリー】 洗骨―。今はほとんど見なくなったその風習だが、沖縄諸島の西に位置する粟国島などには残っている。粟国島の西側に位置する「あの世」に風葬された死者は、肉がなくなり、骨だけになった頃に掘り起こされ、縁深き者たちの手により骨をきれいに洗ってもらうことで、晴れて「この世」と別れを告げることになる。沖縄の離島、粟国島・粟国村に住む新城家。長男の新城剛(筒井道隆)は、母・恵美子(筒井真理子)の“洗骨”のために、4年ぶりに故郷・粟国島に戻ってきた。実家には、剛の父・信綱(奥田瑛二)がひとりで住んでいる。生活は荒れており、妻の死をきっかけにやめたはずのお酒も隠れて飲んでいる始末。そこへ、名古屋で美容師として活躍している長女・優子(水崎綾女)も帰って来るが、優子の様子に家族一同驚きを隠せない。様々な人生の苦労とそれぞれの思いを抱え、家族が一つになるはずの“洗骨”の儀式まであと数日、果たして彼らは家族の絆を取り戻せるのだろうか?
©『洗骨』製作委員会