吉本ばななの短編小説を原作とした映画『シンシン アンド ザ マウス/SINSIN AND THE MOUSE』が、6月26日(金)より全国公開されることが決定した。主演は岸井ゆきのとツェン・ジンホア。日本と台湾の合作によって生まれた本作は、喪失と再生を静かに描き出すヒューマンドラマだ。

原作は、短編小説集「ミトンとふびん」に収録された一編「SINSIN AND THE MOUSE」。最愛の母を失い、深い喪失感の中にいる主人公・ちづみが、旅先の台北で出会った青年シンシンとの交流を通じて、少しずつ心を取り戻していく姿を描く。異国の街並みや何気ない会話の積み重ねが、止まっていた時間を再び動かしていく過程が丁寧に紡がれていく。
物語の軸となるのは、「人が人と出会うこと」によって生まれる微かな変化だ。言葉や文化の違いを越えて響き合う感情、そして消えない悲しみを抱えながらも、小さなぬくもりを見つけていく過程が、繊細なタッチで描かれる。喪失の痛みを抱える時間そのものを肯定しながら、再生へと向かう一瞬のきらめきをすくい上げた作品となっている。
主演の岸井ゆきのは、心の空白を抱えるちづみを繊細に演じ、観る者の感情に深く訴えかける。一方、台湾の実力派若手俳優ツェン・ジンホアが演じるシンシンは、無邪気さと危うさを併せ持つ存在として物語に新たな光をもたらす。二人の間に生まれる静かな感情の往復が、物語に豊かな奥行きを与えている。
監督・脚本は『ボクは坊さん。』『すくってごらん』の真壁幸紀。音や空気感までも物語の一部として描き出す演出が特徴で、本作でも“音”を重要な要素として取り入れ、観客に深い没入感をもたらす。
さらに本作は、第22回グラスゴー映画祭でワールドプレミア上映され、チケットは即完売。現地では「喪失の虚無をこれほどまでに捉えた映画は稀」「人生に再び恋をするような作品」といった高い評価を受けており、国境を越えて共感を呼ぶ普遍的な物語として注目を集めている。
喪失の中で立ち止まる時間、そして誰かと出会うことで訪れる再生の瞬間――。本作は、そのかけがえのない感情の揺らぎを、静かに、しかし確かに描き出す一作だ。
■作品情報
タイトル:『シンシン アンド ザ マウス/SINSIN AND THE MOUSE』
公開日:2026年6月26日(金)
出演:岸井ゆきの、ツェン・ジンホア
原作:吉本ばなな「SINSIN AND THE MOUSE」(「ミトンとふびん」所収/新潮社刊)
監督・脚本:真壁幸紀
脚本:加藤法子
製作幹事・制作プロダクション:ROBOT
配給:カルチュア・パブリッシャーズ
上映時間:108分
製作国:日本
Copyright © 2021 by Banana Yoshimoto All rights reserved.Japanese original edition published by Shinchosha Publishing Co., Ltd., Japan in 2021.The permission to use the original novel to produce this movie has been arranged with Banana Yoshimoto through ZIPANGO, S.L.
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