地元愛媛で個展を開くと長蛇の列ができる注目の画家・石村嘉成の自伝的映画『新居浜ひかり物語 青いライオン』が、2024年秋に公開されることが決定した。併せて、予告編とキービジュアルが披露された。
石村嘉成は父・和徳、母・有希子が不妊治療の末に授かった男の子。はじめは「マンマ ワンワン」と言葉を話し始めたが、次第にあやしても笑わず、目を合わせられず、言葉を発することもなくなった。嘉成が2歳の時に診断されたのは自閉症。子育てに悩む有希子は施設を調べては訪れた。その中で共感した療育方針は、自閉症の分野では少数派で、孤高の療育家が営む施設だった。
本作は、RSK山陽放送(TBS系列)が制作。ドキュメンタリー番組の取材を通じて石村画家と出会い、担当ディレクターの三好聡浩と若手ディレクターの平松咲季が本作の監督を務める。膨大なドキュメンタリー素材と新撮したドラマを、緻密かつ秀逸な構成で見事に融合させた意欲作だ。「一番近くにいるはずなのに、自分の息子なのに思いが伝わらなくて、こんなにも遠い」など本編には“子育て世代”が共感するセリフが散りばめられている。石村家は、子供の涙も辞さない厳格さが求められる療育を選び、心を鬼にしてやり遂げ、子供の可能性の扉を開いていく。
予告編では、母・有希子が、嘉成を通常学級の小学校に必死に入れようとする姿と、それを心の赴くままに受け入れようとする同級生や校長たちの姿が胸を打つ。しかし、現在のドキュメンタリー映像に母・有希子さんの姿は映っていない。石村家の愛と悲しみと希望溢れる歩みを目の当たりにするとき、自分自身の家族の絆を再認識せずにはいられない。
『新居浜ひかり物語 青いライオン』
2024年秋 愛媛、岡山、香川先行公開、池袋シネマ・ロサほか全国順次公開
監督・脚本:三好聡浩 平松咲季
出演:石村嘉成 小林章子 藤原康典 高原幸之介 中本真維 八木景子 石村和徳 檀ふみ 竹下景子
配給:福武観光株式会社
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