水谷豊「本作が日本初のドルビーシネマ作品で嬉しい!」『轢き逃げ -最高の最悪な日-』ドルビーシネマ上映会 レポート

水谷豊が『TAP -THE LAST SHOW-』(2017)に続きメガホンをとり、脚本と出演を兼ねる監督2作目となる最新作『轢き逃げ -最高の最悪な日-』が、5月10日より公開される。このほど、5月6日にMOVIXさいたまにて本作のドルビーシネマ上映会が行われ、監督・水谷豊、撮影監督・会田正裕、映画コメンテーター・LiLiCoが登壇した。

はじめに、水谷は「公開に先立ちまして、今日見ていただけたことを大変嬉しく思っています。そしてこの映画が日本初のドルビーシネマの上映で嬉しく思っています」と挨拶。LiLiCoが「最初から最後に持っていく伏線が素晴らしくて。見て終わって、エンドロールが流れて終わりっていう人もいると思うのですが、私は映画って見た人たちと作品についてどれだけ話せるかで作品って続いていると思うんですよね。いろんなことをたくさんの人と話したくなる作品だと思いますし、もう一度見たくなる作品でした」と本作の感想を述べると、水谷は「『TAP』が終わって、次の作品の話しているうちにサスペンスタッチの作品が見てみたいとプロデューサーの声から二日後に出てきた最初のアイディアが本作でしたよ。脚本を書いているときはとにかく夢中で書いていました」と制作過程について明かした。

次に、LiLiCoによる「主演の二人が本当に素敵でしたね」というコメントに対し、水谷は「誰でも知っている俳優さんを起用するよりも、ドキュメンタリーのようなナマを出すために今回はオーディションをして中山麻聖君、石田法嗣君を起用しました」とキャスト起用に関して語った。

イベント後半より、撮影監督・会田正裕が登壇。LiLiCoより「冒頭からすごかったじゃないですか!ドローンで撮影された、急いでいるのか、逃げているのか…」と撮影に関する感想が語られると、会田は「まさかあんなに長いカットだと思っていなくて、許可とか取れるのか、実際にできるのか心配でしたが、たまたまあそこに川があったので、撮影することが出来ました!」と撮影の裏側を明かした。そして水谷は、「会田さんにはイメージだけを僕はお伝えしました。会田さんに『それってできます?』って聞いたら、『ドローンを使えば出来ます』と。その撮影が決まるまでがまず、我々にとってのサスペンスでした(笑)」と口にした。

続いて、ドルビーシネマの魅力について、LiLiCoは「このドルビーシネマは音も色も本当に、まるで映画の中にいるような感覚で。本当に臨場感があって」、会田は「音がまず凄い、天井にスピーカーが着いているのはドルビーシネマならでは、立体的な音が味わえる。そして明るさは普通の劇場の二倍の明るさがある。今までよりも格段に臨場感や没入感を体験できるのがドルビーシネマです」と述べ、水谷は「4年前でしたよね、テストケースで作ったドルビーの映像があって。それを観たときに、本当に驚いて。その後たまたまドルビーシネマの大沢代表とばったり劇場で会いまして、そのとき大沢代表から『チャンスがあったらドルビーでどうですか?』ってお尋ね頂いたんです。本当に偶然つながって、これはやるしかないなって感じでした」とドルビーシネマと本作が結びついた背景を語った。

最後に、水谷は「昔は映画に行くということが、別世界に行く感覚だった。日常とはまた違う世界に行くことが喜びでもあり、ワクワクして映画館に行ったものです。それが今回ドルビーシネマということで、更なる別世界にいける時代になったんだなと思うと、映画の進化を感じることができる作品に携われた特別な体験でした」とコメントし、本イベントは幕を閉じた。

『轢き逃げ -最高の最悪な日-』
5月10日(金) 全国ロードショー
監督・脚本:水谷豊
音楽:佐藤準
テーマソング:手嶌葵「こころをこめて」(ビクターエンタテインメント)
出演:中山麻聖 石田法嗣 小林涼子 毎熊克哉 水谷豊 檀ふみ 岸部一徳
配給:東映

【ストーリー】 ある地方都市で起きた交通事故。一人の女性が命を落とし、轢き逃げ事件へと変わる。車を運転していた青年・宗方秀一(中山麻聖)、助手席に乗っていた親友・森田輝(石田法嗣)。二人は秀一の結婚式の打ち合わせに急いでいた。婚約者は大手ゼネコン副社長の娘・白河早苗(小林涼子)。悲しみにくれる被害者の両親、時山光央(水谷豊)と千鶴子(檀ふみ)。その事件を担当するベテラン刑事・柳公三郎(岸部一徳)と新米刑事・前田俊(毎熊克哉)。平穏な日常から否応なく事件に巻き込まれ、それぞれの人生が複雑に絡み合い、抱える心情が浮き彫りになっていく。彼らの心の奥底に何があったのか?何が生まれたのか?その悲劇の先に、彼らは何を見つけられるのか?

Ⓒ2019映画「轢き逃げ」製作委員会