ミャンマーで戦い続ける映画監督「自分のような立場の者こそ先頭に立って戦わなければならない」『夜明けへの道』予告編

軍事クーデター以降圧政が続くミャンマーで指名手配となり、潜伏生活をしながら闘い続けているミャンマー人監督コ・パウが自らを撮影したドキュメンタリー映画『夜明けへの道』が、4月27日より公開される。このほど、予告編が披露された。

かつてビルマと呼ばれたミャンマーでは、半世紀にわたる軍事政権が終わりを迎えた2011年以降、言論の自由が拡大した。本作の映画監督コ・パウは自由な時代の映画製作に勤しむ一方、COVID-19により外出が困難になると、家族で製作したコメディ動画をSNSへ投稿。総フォロワー数は100万人を越え、厳しいロックダウンに苦しむ市民を元気づけた。そんな折、2021年2月1日早朝に軍事クーデターが勃発し、一夜にして世界は転覆した。

軍は前年の総選挙での不正を口実に、アウンサンスーチー国家顧問ら民主派政権の幹部を拘束、非常事態を宣言して全権を掌握。コ・パウら芸能人は街に出て抗議デモを先導したことで指名手配される。国軍の残虐行為は次第にエスカレートしていき、デモ隊を機関銃で一掃するなど容赦ない弾圧に乗り出す。国軍から追われる身となったコ・パウは、民主派勢力の支配地域に逃亡し、ジャングルでの潜伏中に短編映画『歩まなかった道』を製作。そして現在も潜伏生活を続ける中で、自らのリアルな姿を撮影したセルフドキュメンタリー映画『夜明けへの道』を製作した。

本作は、映画監督であり、ミャンマーでとても有名な芸能人でもあるコ・パウが「自分のような立場の者こそ先頭に立って戦わなければならない」という思いで、民主化を目指して闘い続ける様子を自ら撮影したビデオ日記のような作品だ。予告編では、指名手配となり潜伏場所へ移動する際の緊迫したコ・パウの様子や、一般市民の若者たちが銃を手に訓練をする様子、家を焼かれて途方に暮れる人々の様子も映し出されている。

『夜明けへの道』
2024年4月27日(土)よりK’s cinemaほか全国順次公開
監督・脚本・撮影:コ・パウ
配給:太秦

©Thaw Win Kyar Phyu Production