ビートたけしが初めて書き下ろした恋愛小説を、タカハタ秀太監督が主演・二宮和也、ヒロイン・波瑠で映画化した『アナログ』が10月6日より公開される。それに先立ち、9月18日に東京・ニッショーホールにて「大切な人と一緒に映画を観よう!試写会」が開催され、上映後舞台挨拶に二宮和也と波瑠が登壇した。
すでに作品を観た観客からは「泣いた!」との声が多数。この反応に二宮は「多くの方が作品の世界観に入っていただきそのような反応をしていただけるのは、製作側としては救われる思い」と嬉しそう。波瑠も「みんなで作り上げた時間が観客の皆さんに届いたと思っていいのかと思うと嬉しい」と手応えを得ていた。
劇中では、手作り模型や手描きのイラストにこだわるデザイナー・水島悟を二宮、携帯を持たない謎めいた女性みゆきを波瑠が演じている。
悟とみゆきのように、携帯を持たない人との恋愛が可能かどうか問われると二宮は「出来なさそう…」とぶっちゃけながら、「古田新太さんのように、あの人携帯は持っていないけれど三軒茶屋に行ったら会えるよねみたいな、地域性や特性がある人だったら持っていなくてもいいと思うけれど、悟とみゆきのようにゼロからの出会いからだと不安になる」と苦笑い。一方、波瑠は「気持ちだけで考えるとできなくはない気もするけれど、絶対に不便だとは思う。その人のことが好きだったら、携帯を持っていないからなしというのはどうなのかな?とも思う」と恋愛感情を優先していた。
また劇中で、悟の幼馴染である桐谷健太演じる高木と浜野謙太演じる山下のように「何でも話せる親友はいるか?」という問いに波瑠は「親友や信頼している人はいるけれど…なんでも話すかどうかは別かな?」。二宮も「なんでも話せる人?…言われた側もしんどくない?」と首をひねると、波瑠は「二宮さんの悩みなんてわかる人はいないと思う。こんなにすごい舞台に立つような人の悩みなんてわかってあげられなさそう」と悩みの規模が一般的なものとは違うと代弁した。
これに対して二宮は、嵐メンバーを念頭に「仕事とか置かれている立場でいうならば、嵐のメンバーには言える。それはあの人たちにしかわからないから。ずっと同じ価値観で進んでいる友達はあの人たちしかいない」といい、話せる親友は「俺は4人いますね!」と嵐としての絆を伺わせた。
「悟のように愛する人を想い続けることはできるか?」との問いには、「出演しておいてなんだけど…俺はNOかな。できるかできないかよりも、責任を持てるかどうかだと思う」と二宮。波瑠も「私もできないと思う。未来に何が起こるかわからないから、できるとは言い切れない」というと、二宮は「悟には想い続けることのできるピュアさがある。大人になると物事を天秤にかけたりして悩むけれど、それを全部度外視していけるのが悟の凄いところ」と自身が演じたキャラクターの悟をリスペクトしていた。すると波瑠は「今の二宮さんの話を聞いていたら…私もいけそうな気がした。想い続けること、それが愛!想い続けていけると思っていたいという気持ちがある」と前言撤回し、二宮に「急に!?ずるいよ!」と好感度アップに対して抗議されていた。
“大切な人と一緒に観よう”という主旨の元、一緒に来られる大切な方への直接伝えずらいメッセージを事前に集めていた本イベント。そのメッセージを二宮と波瑠が代読する企画も実施。2人は長年連れ添った妻に感謝する夫の手紙や、娘への想いを書いた父親の手紙などを代読。中には交際中の彼に対するプロポーズの返事が書かれたメッセージもあった。「プロポーズしてくれてありがとう!きちんとお返事できなかったので、この場を借りて伝えたいと思います。不束者ですが、末永くよろしくお願いします」という快諾の返事を読んだ波瑠は、「プロポーズの返事ということで、動揺と高揚でちょっと噛んじゃいました!」と緊張しながらも、プロポーズ大成功に安堵し、会場は幸せムードに包まれた。
最後に主演の二宮は「大切な人がいるということは幸せなことですが、大切な人を大事にできる期間は思っている以上に短いような気がします。皆さんからの手紙を読んで、隣の人を大切にできる期間は今しかないと思って、有意義な機会になりました。映画もどんどん世の中に広がっていくと同時に、皆さんのお陰で嬉しい日になりました」と集まった観客に感謝していた。
『アナログ』
2023年10月6日(金)より、全国公開
監督:タカハタ秀太
原作:ビートたけし「アナログ」
脚本:港岳彦
出演:二宮和也 波瑠 桐谷健太 浜野謙太 藤原丈一郎(なにわ男子) 坂井真紀 筒井真理子 宮川大輔 佐津川愛美 鈴木浩介 板谷由夏 高橋惠子 リリー・フランキー
配給:東宝 アスミック・エース
【ストーリー】 手作り模型や手描きのイラストにこだわるデザイナーの悟。携帯を持たない謎めいた女性、みゆき。喫茶店「ピアノ」で偶然出会い、連絡先を交換せずに「毎週木曜日に、同じ場所で会う」約束をする。二人で積み重ねるかけがえのない時間。悟はみゆきの素性を何も知らぬまま、プロポーズすることを決意。しかし、当日、彼女は現れなかった。その翌週も、翌月も…。なぜみゆきは突然姿を消したのか。彼女が隠していた過去、そして秘められた想いとは。ふたりだけの“特別な木曜日”は、再び訪れるのか…。
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