第149回直木賞を受賞し、累計発行部数85万部（電子書籍を含む）を突破した桜木紫乃のベストセラーを、武正晴監督が波瑠主演で映画化する『ホテルローヤル』の公開日が11月13日に決定した。併せて、追加キャストとして、松山ケンイチ、安田顕、余貴美子、伊藤沙莉、岡山天音らが出演することが発表された。

本作は、ラブホテルと共に大人になっていく、ホテル経営者の娘・雅代の目線を主軸に、ホテルを訪れる人々や従業員、経営者家族それぞれが抱える人生の哀歓をやわらかく描いた珠玉の人間ドラマ。

新たなキャストとして、主人公・雅代（波瑠）が淡い恋心を抱くアダルトグッズ会社の営業・宮川聡史役（通称：えっち屋）に、青森県出身の松山ケンイチ。ホテルローヤルの経営者で雅代の父親・田中大吉役に、北海道出身で、原作者桜木も自身の作品への出演を希望していたという安田顕。家庭を顧みなくなった大吉に愛想を尽かせる母親・るり子役に夏川結衣。るり子と駆け落ちをする青年役に稲葉友。ホテルローヤルのパートタイム従業員役に余貴美子、原扶貴子が扮する。さらに、ホテルを訪れる客として、親に見捨てられた女子高生と、妻の浮気に耐える高校教師に伊藤沙莉と岡山天音。姑との同居でなかなか肌を合わせる時間がない夫婦に正名僕蔵と内田慈。投稿用のヌード写真の撮影をするカップルに冨手麻妙と丞威も。それぞれが、ひとときの“非日常”を楽しみ、安らぎと寂しさを胸にホテルを後にするお客たちを見事に演じ切り、インパクトを残している。そのほか、斎藤歩、友近、和知龍範、玉田志織、長谷川葉生らが名を連ねる。

■松山ケンイチ（宮川聡史役） コメント
自分にとって心を落ち着かせるということをとても大切にしていて、武さんのおかげで現場はとてもスムーズに静かな雰囲気で無駄な力が入る事なく出来ました。だいぶ自分の方言寄りになってしまいましたが地元に住む人間を演じるので、方言を意識しました。

■安田顕（田中大吉役） コメント
原作、脚本と拝読し、登場人物それぞれの人間模様の絡まりに、深く感じ入りました。原作の桜木紫乃さんには、何年も前からこの作品への出演を打診していただいておりました。実際に映画化され、こうして出演できたことに、心より感謝申し上げます。演じた大吉という人物が加齢していく造形には、特殊メイクを施していただきました。参加したのは数日でしたが、現場での武正晴監督の演出、キャストの皆様のお芝居、ロケ地北海道釧路の情景を思い出すと、完成した映画を拝見する前から、素敵な作品になっていると確信している自分です。映画館に、この映画を観に行くことが、今から楽しみで仕方ありません。

『ホテルローヤル』
11月13日（金）より、ＴＯＨＯシネマズ 日比谷ほか全国ロードショー
監督：武正晴
脚本：清水友佳子
原作：桜木紫乃「ホテルローヤル」
出演：波瑠　松山ケンイチ　余貴美子　原扶貴子　伊藤沙莉　岡山天音　正名僕蔵　内田慈　冨手麻妙　丞威　稲葉友　斎藤歩　友近　夏川結衣　安田顕
配給：ファントム・フィルム

【ストーリー】　北海道、釧路湿原を背に建つラブホテル、ホテルローヤル。雅代（波瑠）は美大受験に失敗し、居心地の悪さを感じながら、家業であるホテルの仕事を手伝うことになる。アダルトグッズ会社の営業、宮川（松山ケンイチ）に淡い恋心を抱くも、何も言いだせずに黙々と仕事をこなす日々。しかしホテルには今日も、閉塞感を逃れ“非日常”を求めて様々な人々が訪れる。投稿ヌード写真の撮影をするカップル、子育てと姑の介護に疲れささやかな高揚を求める夫婦、行き場を失くした女子高生と妻に裏切られた高校教師。そんな中、ホテルの一室で心中事件が起こり、雅代たちはマスコミの標的に。さらに父・大吉（安田顕）が病に倒れ、家業を継ぐことになってしまった雅代は、初めて「自分の人生」に向き合う決意をする…。

©桜木紫乃/集英社 ©2020映画「ホテルローヤル」製作委員会