「かつて、学生が運営を取りしきる“自治尞”というものが各地にありました」大田雄史監督作『うかうかと終焉』今秋公開

大田雄史監督が結成した社会人演劇ユニット、芝熊(shiba-kuma)の旗揚げ作品として出口明と共同執筆した戯曲を原作に、取り壊しの決まった学生寮に住む若者達の最後の5日間を描いた『うかうかと終焉』が、今秋公開されることが決定した。併せて、キャスト&スタッフよりコメントが寄せられた。

本作は、廃寮となる木造学生寮を舞台に、共に過ごした仲間たちの最後の5日間を描く物語。戯曲「うかうかと終焉」は川村毅、坂手洋二、佃典彦、土田英生、永井愛、マキノノゾミ、渡辺えりといった錚々たる演劇人が審査員を務めた第23回日本劇作家協会新人戯曲賞で新人戯曲賞を受賞。若者の心をとらえた舞台は学生劇団を中心に上演されている。
   
本作の監督・脚本・原作をつとめる大田雄史は、NHK「若冲vs北斎~夢の天才対決~」(NHK BSプレミアム)で第35回ATP賞優秀賞、ヤングクリエーターを励ます賞経産大臣奨励賞(最優秀賞)を受賞するなどクリエイターとして第一線で活躍する期待の俊英。自身の青春時代を重ねた思い入れのある同名戯曲の映画化を企画。映画化にあたって大田監督の母校、京都大学の吉田寮の廃寮問題をベースに脚本を作り直し、文化庁の補助金を受けて製作。今秋、テアトル新宿での劇場公開が決定した。

主人公の西島伸太郎役には、「高一ミスターコン2019」及び「男子高生ミスターコン2019」でWグランプリ受賞の快挙を成し遂げ、⽇本テレビ系列ZIP!朝ドラマ「サヨウナラのその前に」の公開オーディションで主演を勝ちとった期待の新鋭、西岡星汰。廃寮に最後まで抵抗する最年長の寮生、美濃部軍平役には初主演映画『野球部員、演劇の舞台に立つ!』(18)や『ゾッキ』(21)、『チェリまほ THE MOVIE~30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい~』(22)、Netflix「今際の国のアリス」「今際の国のアリス2」など数多くの話題作に出演する若手実力派俳優渡辺佑太朗。二人を取り巻く仲間のひとり、児玉香奈枝役にテレビドラマ「やんごとなき一族」等多くのドラマや映画に出演する注目の若手女優松本妃代、また、伸太郎の親友でお調子者の前野中吉役には、TBSドラマ「王様に捧ぐ薬指」にレギュラー出演するなど活躍が目覚ましい三浦獠太、伸太郎の恋人渡辺美月役にモデルとしても活動する現役女子大生乃中瑞生、少し感覚のズレた寮生の村井均役を2022年に芸能界デビューを果たしたばかりの中山翔貴が好演。1,000人以上もの応募者からオーディションで選ばれた物語の主軸となるキャスト6人!今後の活躍が楽しみな若手俳優が集結した。

▼キャスト&スタッフ コメント

■大田雄史(監督・脚本・原作)
かつて、学生が運営を取りしきる「自治尞」というものが各地にありました。そこでは学生たちは好き放題に暮らし、バカをやり、しかし時に尞の運営方針をめぐって本気で議論したりしていました。私が大学生時代を過ごした京都には、まだいくつかの自治尞が残っていました。私は寮生ではありませんが、演劇活動をする中で彼らと交流する機会を得ました。みな個性的で魅力的で自由と文化を愛していました。このお話は、ある学生寮の最後の5日間の物語です。3月の終わり、閉鎖が決まった学生寮に、つい最後まで居残ってしまった人たち。彼らは自分なりの区切りをつけ、それぞれのやり方で尞を去っていきます。希望に溢れていたり、そうでもなかったり…そんな、別れと旅立ちの物語です。旅立ちを前に将来に不安を感じている方々にも、大昔に旅立ってもうすっかり一人前の皆さんにも、何かを感じ取っていただける物語になっていれば嬉しいです。

■西岡星汰(西島伸太郎役)
今作が初の映画出演、映画初主演という事もあり、思い入れのある作品になりました。この作品が沢山の方に届き、見た方が学生生活や就職活動を思い出したり、今学生の方々へは悩みの解決のヒントになれば凄く嬉しいです。撮影中は、素敵なキャストの皆さんに助けてもらいながら演じることが出来ました。僕自身も、大人になるとはどういうことか、社会に出ることへの想いなど、この作品を通して沢山のことに気が付かされました。この作品に今、出会う事が出来て本当に嬉しかったです。僕も映画が凄く好きなので「うかうかと終焉」が映画館で放映されるのが楽しみで、皆さんにも是非映画館で鑑賞していただきたいです!映画『うかうかと終焉』をよろしくお願いします!

■渡辺佑太朗(美濃部軍平役)
100年もの歴史がある大学寮の終焉までの最後の5日間を一粒も溢れ落ちないように皆さんと丁寧に創っていきました。寮で寝食を共にしているけれど年齢も寮生活歴もバラバラで、友達でもあり、でもなんだかそれ以上の関係性でもあり…僕自身寮生活は経験した事無かったのですが、美濃部という人物を演じた経験は掛け替えのない時間でした。それぞれの想いを抱えた登場人物達が「退寮」を通して見えてくる生き様を是非劇場でご覧ください。

■松本妃代(児玉香奈枝役)
この物語は小さな学生寮が舞台です。児玉という役を通して、みんなとの関わりの中で、憤りや虚しさ、そして青春時代の儚くもあたたかい感情が心の中を駆け巡って、短い撮影期間でしたが私にとってとても色濃い時間でした。 大田監督の世界観を大切に、スタッフ、キャストの皆さんと対話をしながら作り上げた大切な作品です。この作品が、青春時代、そして今やこれからについて考えたり、前を向いて歩いてゆくヒントになればいいなと思っています。

■三浦獠太(前野中吉役)
出演が決まった時のことを思い返すと、かつて舞台で上演した作品に参加するということにすごくプレッシャーを感じていました。ですが、監督にとってとても思い入れのあるこの作品で「前野中吉」という役に選んでいただけたこと、とても嬉しく思います!これから社会人になっていく手前の青春時代だからこそ、生まれる葛藤や人間臭さが滲み出た作品になっています。みなさんぜひ!見に来てください!

■乃中瑞生(渡辺美月役)
渡辺美月役を演じさせていただいた、この「うかうかと終焉」は、私にとっては本格的にお芝居をさせていただいた初めての映画作品でした。選ばれたことをとても嬉しく思いつつ不安な気持ちもありましたが、大田監督やスタッフの方々、そして共演者の方たちに沢山フォローしていただき、自分なりに精一杯美月を演じることができました。観たあとには心がじんわり温まり、何かで悩んでる方は一歩踏み出す勇気をもらえるような素敵な内容です。この作品に関わらせていただけたことに感謝の気持ちでいっぱいです。公開迄がとても待ち遠しく楽しみにしています。

■中山翔貴(村井均役)
脚本をまず読ませてもらった時、取り壊しの決まった学生寮の最後の5日間を描く面白い設定だなと引き込まれました。それと同時に、言葉にならないモヤモヤした感情を寮生の一人一人が抱えていて、それを表現するのは大変な作品だなと感じたのが正直な感想でした。
ですが、寮生のキャストの皆さんの演技がリアルで、見る人によっては学生時代を思い出して苦しくなったり、懐かしさを感じたりするそんな作品になっていると思います。僕が演じる村井の出てくるシーンは物語の空気を変える、スパイスのような存在になっているかなと思いますので是非そこにも注目しながらご覧になって頂けると幸いです!

映画『うかうかと終焉』は、2023年秋にテアトル新宿の劇場公開が決定しているが、全国に劇場公開を広げていくため、宣伝費の予算を増やし、さらに多くの観客に届けられるよう、クラウドファンディングプラットフォーム・MotionGalleryにてクラウドファンディングをスタート。目標金額は100万円。5月24日から6月30日まで募集を行っているので、ぜひ応援してほしい。

『うかうかと終焉』
2023年今秋より、テアトル新宿ほか全国順次公開
監督・脚本:大田雄史
原作:「うかうかと終焉」第23回日本劇作家協会新人戯曲賞受賞作
出演:西岡星汰 渡辺佑太朗 松本妃代 三浦獠太 乃中瑞生 中山翔貴
配給:マジックアワー   

©「うかうかと終焉」製作委員会