2018年にシアターコクーンで上演され、各所から絶賛された同名舞台を、舞台と同じく監督・三浦大輔、主演・藤ヶ谷太輔の二人が再タッグを組み映画化する『そして僕は途方に暮れる』が、2023年1月13日より公開される。このほど、本作で藤ヶ谷太輔と豊川悦司が演じる“似たもの親子”のダメっぷり姿を写し出した場面写真がお披露目となった。
本作は、藤ヶ谷太輔演じる主人公のフリーター・菅原裕一がほんの小さなことの積み重ねで、自ら家族・友達・恋人などあらゆる人間関係を断っていく逃亡劇。舞台とは違い、映像でしか表現できない世界に挑戦していく。
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些細なことでも自分に都合が悪くなるとすぐにその場から逃げ出してしまう自堕落フリーターの菅原裕一(藤ヶ谷太輔)は、5年間同棲している彼女・里美(前田敦子)と言い合いになって部屋から飛び出し、幼なじみの親友(中尾明慶)、バイト先の先輩(毎熊克哉)、大学の後輩(野村周平)、東京に住む姉(香里奈)、
北海道・苫小牧の実家で暮らす母(原田美枝子)を次々と訪ねるも、何か気まずくなるとすぐに逃げ出し、とうとう行き場を無くしてしまう。雪が降る中、夜のバス停のベンチで一人途方に暮れていると、そこに現れたのは10年前に家族から逃げ出し疎遠になっていた裕一の父・浩二(豊川悦司)だった。10年ぶりの再会に戸惑う裕一を前に、浩二が語る近況は…、家族から逃げた後再婚したが浮気がばれてすぐ離婚、慰謝料を払うために知人から金を借りるも返せないので連絡を断って逃げたという。さらには「(スマホを見せ)これも持ってるけど、金を払ってないから繋がらない。持っているのは見栄だな、見栄」と裕一を上回るほどのクズっぷりを披露。自分のことは棚に上げ、複雑な表情で父親を見つめる裕一。しかし、行く宛がない裕一は、浩二の誘いを受け、スマホの電源を切り、父の部屋に身を寄せることになる。世間との繋がりが一切ない場所で2人取り残されたような生活を送っていると、浩二は「ここはまるで牢屋だな」と笑う…。
場面写真は、菅原親子の自堕落な日常を切り取っており、こたつに入って久々に裕一のスマホの電源を入れてみようとしている場面や、肩を並べて苫小牧の街を歩く姿など、哀愁は漂うが少し滑稽な共同生活の様子が写し出されている。浩二の部屋でのこたつのシーンについて2人は「なかなかOKが出ないので、15年分ぐらい入っていた(笑)」(藤ヶ谷)、「長かったよねぇ」(豊川)と撮影秘話を明かしている。
本作での初共演を受けて藤ヶ谷は「もちろん、緊張もしましたし、刺激もたくさんいただきました。同じ時間を共有してお芝居できたことがすごく嬉しかったです」と語る。また、「実は息子がいる親の役は初めてだったかも…」という豊川も息子役の藤ヶ谷を「セリフに嘘がなく、そこに居て、そこで何かを感じて、言葉を交わしていたので、本当に彼が自分の息子・裕一に見えてきたし、折れない心を持っているすごく強い俳優さんなんだなと思いました。」と絶賛。「一緒に三浦組を闘い抜けたことを誇りに思うし、それが永遠に残る作品になったことが嬉しいです」(藤ヶ谷)、撮影時に多く話すことはなかったという2人だが、役者同士の厚い信頼関係が伺える。
『そして僕は途方に暮れる』
2023年1月13日(金)より、TOHOシネマズ 日比谷ほか全国ロードショー
全国公開
監督・脚本:三浦大輔
原作:シアターコクーン「そして僕は途方に暮れる」
出演:藤ヶ谷太輔
配給:ファントム・フィルム
【ストーリー】 自堕落な生活を送っているフリーターの菅原裕一(藤ヶ谷太輔)には、長年同棲している鈴木里美という恋人がいる。しかし、とあることをきっかけに、里美を裏切ってしまった裕一は、話し合うこともせず家を飛び出してしまう。それから、親友・今井伸二、バイト先の先輩・田村修、学生時代の後輩・加藤、姉・香、母・智子のもとを渡り歩き、ばつが悪くなるとその場を離れ、あらゆる人間関係から逃げ続けていく。しかし、偶然にも家族から逃げていった父・浩二に出会い、裕一の中で、何かが少しずつ変わり始めていくのだが…。