藤ヶ谷太輔「こいつクズだなぁって鼻で笑っていた」あらゆる人間関係を断っていく逃亡劇『そして僕は途方に暮れる』2023年1月公開

2018年にシアターコクーンで上演され、各所から絶賛された同名舞台を、舞台と同じく監督・三浦大輔、主演・藤ヶ谷太輔の二人が再タッグを組み映画化する『そして僕は途方に暮れる』が、2023年1月13日より公開されることが決定した。併せて、特報映像&ティザービジュアルがお披露目となり、脚本・監督を務めた三浦大輔と、6年ぶりの映画主演となるKis-My-Ft2の藤ヶ谷太輔よりコメントが寄せられた。

本作は、藤ヶ谷太輔演じる主人公のフリーター・菅原裕一がほんの小さなことの積み重ねで、自ら家族・友達・恋人などあらゆる人間関係を断っていく逃亡劇。舞台とは違い、映像でしか表現できない世界に挑戦していく。

特報映像では、藤ヶ谷演じる主人公の菅原が、とにかく逃げて、逃げて、逃げまくる姿を映し出す。この人間関係を断っては逃げる主人公の「人生を賭けた逃避劇」は、滑稽さと哀愁が絶妙に滲んでいる。舞台とは違い映画では、実際に距離を移動。果ては北海道・苫小牧まで逃げ続ける主人公が行き場を無くしていく様は、映画ならではの、一風変わった“ロードムービー”的な側面も垣間見える。そして、映像のラストでは、なぜか大号泣する菅原。「面白くなってきやがったぜ」のセリフが意味するのは…?人間が逃避の先に行きつくのは、天国か地獄か。

ティザービジュアルでは、あらゆる人間関係を断ち切って世界中で1人になってしまった主人公の姿を写し出し、“途方に暮れる”曖昧な表情を切り取っている。

■藤ヶ谷太輔(菅原裕一役)コメント
僕が演じるフリーターの菅原裕一は、自分がいやだなとか耐えられないなと思う度に逃げていくんです。すごいクズなんですけど、それができるって意外にかっこいいのかなって。みんな逃げたいと思うこともあるけど、結局その先のことを考えてしまい、理性が働いて逃げられない。でも、人間誰しも逃げたい瞬間とか、行きたくないこと、出たくない連絡ってあると思うんです。そこを断っていくと、最終的にどうなるのかっていう…。物語の前半は、裕一のことをこいつクズだなぁって鼻で笑っていたけど、だんだん「あれ?これ自分にもこういうところあるかな」とか思えたりする。人間の中には、どこか今まで逃げてきたこととか、避けてきたことがあって、そこに罪の意識みたいなものがあるのかなと思います。三浦監督はそこの深いところを描いて、突いてっていう…やっぱり三浦監督ワールドですよね。完成した映画を観たとき、なかなか自分では俯瞰で観られなかったんですけど、撮影現場にいらっしゃらなかったスタッフの皆さんの笑い声を聞いて、やっぱりこの作品は、内容的にも、キャラクター的にも、笑えるほど滑稽なクズっぷりがしっかり描かれているんだなと感じることができました。この作品を舞台でやらせていただいたのは4年前なんですが、映画化が決まった時に三浦監督から「舞台のときから、振り返った表情とかを映像に撮りたいと思っていた」と伺って…。映像になると規模感も大きくなりますし、逃避劇っていうんですか、それがすごく表現できているんじゃないかと思います。実際に、長い時間、長い距離走りましたし、何度撮影から逃げたいと思ったことか(笑)。現場では、時間もそうですが、精神的にも体力的にも、今までにないくらい追い込まれたので、そういうことも、僕が演じた裕一と重なって描かれていればいいなぁと思います。監督にも「本当に自分自身も追い込まれているところが、ちゃんと映像に出ているから安心して」と言っていただけました。現場では、妥協が一切なくて、今思うといい経験をさせていただいたなというのもありますが(笑)、三浦組を耐え抜いた男として、誇りに思っています。チームで本当に頑張った作品ですので、より多くの皆さんに届いたらいいなって、心の底から思います。笑える箇所がたくさんありますし、共感できる箇所、反感を持つ箇所、たくさんありますので、とにかく色んな方に、気楽に劇場に見に来ていただきたいです。

■三浦大輔(脚本・監督)コメント
映画が完成しました。とても過酷な撮影でした。キャスト、スタッフの皆様の尽力のおかげです。心から感謝しております。舞台から続いて主役の菅原裕一を演じてくれた藤ヶ谷くんとは、今回の映像化にあたり、「舞台よりもさらにいけるところまで、作品を描ききろう」と話しながら撮影に挑みました。その想いが、映画の中に刻まれていることを願っております。映画と舞台の大きな違いは、撮影時に実景を目の当たりにできること。菅原は逃げ続けた末に、生まれ故郷の北海道にたどり着く……。藤ヶ谷くんに実際にその環境で演じてもらえたのは、菅原という人物を蓄積していく上でとても大きかったと思っています。菅原は、どこにでもいる平凡な若者ですが、ほんとに些細なことからあらゆる人間関係を断ち、逃げて、逃げて、逃げまくります。そのクズっぷりを楽しんでもらいつつ、最終的に、「これは、自分の『物語』だ」と、皆様一人一人が思って頂けたら幸いです。続報も期待してお待ち下さい!

『そして僕は途方に暮れる』
2023年1月13日(金)より、TOHOシネマズ 日比谷ほか全国ロードショー
全国公開
監督・脚本:三浦大輔
原作:シアターコクーン「そして僕は途方に暮れる」
出演:藤ヶ谷太輔
配給:ファントム・フィルム

【ストーリー】 自堕落な生活を送っているフリーターの菅原裕一(藤ヶ谷太輔)には、長年同棲している鈴木里美という恋人がいる。しかし、とあることをきっかけに、里美を裏切ってしまった裕一は、話し合うこともせず家を飛び出してしまう。それから、親友・今井伸二、バイト先の先輩・田村修、学生時代の後輩・加藤、姉・香、母・智子のもとを渡り歩き、ばつが悪くなるとその場を離れ、あらゆる人間関係から逃げ続けていく。しかし、偶然にも家族から逃げていった父・浩二に出会い、裕一の中で、何かが少しずつ変わり始めていくのだが…。