ケイト・モス、リンダ・エヴァンジェリスタ、ナオミ・キャンベルなど、数多くのスーパーモデルやセレブたちを虜にした伝説のメイクアップ・アーティストの生涯を描く『メイクアップ・アーティスト:ケヴィン・オークイン・ストーリー』が、10月7日より渋谷ホワイトシネクイントにて先行公開、10月14日よりアップリンク吉祥寺にて公開、10月29日より横浜シネマ・ジャック&ベティほかで順次公開される。このほど、予告編がお披露目となり、併せてRUMIKO、Matt、LiLiCoほか、有識者より推薦コメントが寄せられた。
1990年代、細眉、リップライナーが流行、そして光と影を駆使して立体感を出す「コントゥアリング」が爆発的に広まった。その革新的なモードメイクによって世界を席巻したのは、21歳の若さでレブロンのULTIMAのクリエイティブ・ディレクターとして起用され、資生堂ブランドINOUIの全盛期のクリエイターだったことでも知られる天才メイクアップ・アーティスト、ケヴィン・オークイン。しかし、頂点を極めた彼は、頭痛と共に精神的苦痛に長年悩まされ、鎮痛剤の中毒で2002年に40歳の若さで突然の死を遂げる。
本作では、時代を作ってきたケヴィンが、飾りすぎることを認めない風潮だった時代につけまつげを使ったり、極細眉を流行らせたり、全世界で2000万枚を売り上げたジャネット・ジャクソンのアルバム「Janet.」のジャケットの撮影をした際の裏話を紹介するほか、ケヴィンが多様性を意識し、“典型的な若い美人”とは違ったライザ・ミネリのメイクや、ブルック・シールズらに男装させる性差をも超えるメイクで、美の固定観念に挑戦していた姿も紹介。CFDAファッションアワードのベスト・メイクアップ・アーティスト賞を史上初めて受賞したほか、著書がベストセラーになったり、「セックス・アンド・ザ・シティ」に本人役で出演するなど輝かしい功績を残した一方、保守的なルイジアナで同性愛差別に遭ったり、末端肥大症による鎮痛剤中毒で苦しんでいた影の部分にも迫る。
渋谷ホワイトシネクイントでは10月7日(金)に、生前のケヴィンを知るRUMIKO(Amplitude クリエイティブディレクター/メイクアップアーティスト)と田辺ヒロシ(イラストレーター)、10月10日(月・祝)にゆうたろう(俳優/モデル)、アップリンク吉祥寺では10月15日(土)に鎌田由美子(資生堂ヘアメイクアップアーティスト)、10月19日(水)に渡辺三津子(ファッションジャーナリスト/元VOGUE JAPAN 編集長)のトークイベント付き上映も決定している。(詳細は後日公式SNS及び劇場HPにて発表)
▼有識者 推薦コメント
■RUMIKO(Amplitude クリエイティブディレクター/メイクアップアーティスト)
90年代、ケヴィンとは同じエージェント、ジェットルートでしたので、仕事上では割と近い存在でした。彼は同じメイクアップアーティストとして、とても尊敬している一人でした。彼のメイクはアートとも言えるもので、誰にも真似できない素晴らしいものでした。この映画を通して、知らなかった彼のパーソナルな面や人生を知ることができて良かったと思っています。彼の最期は想像を絶するものがあり、心が痛みとても残念に思いますが、彼は彼なりに頑張っていたんだなと、彼に対する尊敬の念は強くなりました。
■Matt(アーティスト・タレント)
繊細で、どこか儚くて、不器用で、そして愛に溢れたケヴィン・オークイン。現代よりも”普通”を求められた時代に、多様性の許容・美と創造に挑戦し続け、大勢の人に刺激を与え続けたと思います。自分らしく生きることがこんなに大変で、でもとても素晴らしく、尊くて美しい。一人の人間の人生を通して、多くのことを学ぶことができました。この作品に出会えて本当に良かったです。
■LiLiCo(映画コメンテーター)
メイクはその人の心まで変えられる。それをケヴィンが最初に証明しました。その人の美を引き出して、気持ちまで魔法に掛けられたモデルたち。彼女たちを見て、育って、憧れて、真似してメイクを仕事の一部にしたわたし。私ではない誰かになりたい。メイクで!そんな気持ちにさせてくれたのはケヴィン。逆に彼が本当の彼を知らないまま人生を終えた。悲しみと苦しみに耐えながら人を変身し続けていたことに感動しました。メイクは人生そのもの。人生もメイクしないと。奇抜さと自分らしさを追求してこれからもケヴィンを思いながらわたしは今日も真っ赤なリップを塗ります。
■渡辺三津子(ファッションジャーナリスト/元VOGUE JAPAN編集長)
時代が変わるとき、なぜか多くの才能が綺羅星のごとく現れる。ケヴィン・オークインはその中で最も輝く星だった。彼が見出した”ビューティ”の光は、その儚い影とともに今も私たちのそばにある。
■桂まり(ライター)
90年代、NYでのビューティー撮影で幾度か一緒になった、ジェントルで情熱的だったケヴィン。夢を生きる稀有な天才の生き様は、彼のシグネチャーの蝶が羽化するような変身メイクアップのようにドラマティックで、華やかな時代の記憶として蘇る。
■シモーヌ深雪(シャンソン歌手/DRAGQUEEN)
「美とインスピレーションはどこにでもある」とケヴィンは云う。だが、顕在化させるのはなかなかに難しく、ましてやその価値を世間とリンクさせるとなると、ハードルはかなり高い。それを実現したケヴィンの夢の物語は、ハッピーエンドと捉えるべきである。ゲイへの差別も、モード界の残酷さも、明日なくなるわけではない。彼の純粋な情熱に振り回される人々の、華麗で滑稽な一幕劇を、散りばめられたキャンプな仕掛けとともに、大いに楽しんであげればいいと、私は思う。
■田辺ヒロシ(イラストレーター)
この映画で改めて、ケヴィンの才能はもちろん圧倒的な存在感と完璧主義な仕事への姿勢、周りへのコミュニケーション能力、何よりも10代で描いた絵の上手さに驚きました。80年代から00年代初頭の華やかだったNYファッション界のフッテージの数々も貴重。90年代のNYで隣人だった僕と会う度にいつも優しかった彼を思い出しました。
■YUKARI TERAKADO(イラストレーター)
今では信じられないでしょう。1人のメイクアップアーティストがどれだけの変化と美しさを生み出してきたのか。彼には美を見つける力が存在していて、その人の中のそれを起動させることができたのだ。この映画の中に登場するモデル達は、ケヴィンのメイクによって仕草や表情までもコントロールされ、また、それを思う存分に楽しんでいる。
『メイクアップ・アーティスト:ケヴィン・オークイン・ストーリー』
2022年10月7日(金)より、渋谷ホワイトシネクイントにて先行公開
2022年10月14日(金)より、アップリンク吉祥寺にて公開
2022年10月29日(土)より、横浜シネマ・ジャック&ベティほかにて順次公開
監督:ティファニー・バルトーク
出演:ケイト・モス リンダ・エヴァンジェリスタ ナオミ・キャンベル シェール イザベラ・ロッセリーニ ブルック・シールズ
配給:アップリンク
【作品概要】 1990年代、革新的なモードメイクによって世界を席巻したのは、21才の天才メイクアップ・アーティスト、ケヴィン・オークイン。しかし、頂点を極めた彼は、頭痛と共に精神的苦痛に長年悩まされ、鎮痛剤の中毒で2002年に40歳の若さで突然の死を遂げる。本作では、時代を作ってきたケヴィンが、飾りすぎることを認めない風潮だった時代につけまつげを使ったり、極細眉を流行らせたり、全世界で2000万枚を売り上げたジャネット・ジャクソンのアルバム「Janet.」のジャケットの撮影をした際の裏話を紹介するほか、多様性を意識したライザ・ミネリのメイクや、ブルック・シールズらに男装させる性差をも超えるメイクで、美の固定観念に挑戦していた姿も紹介。輝かしい功績を残した一方、保守的なルイジアナで同性愛差別に遭ったり、末端肥大症による鎮痛剤中毒で苦しんでいた影の部分にも迫る。
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