キム・ギドク監督作『STOP』 世界各国の映画祭で物議を醸した問題作が日本解禁

キム・ギドク監督が福島の原子力発電所事故を題材にした映画『STOP』が2017年5月13日より公開されることが決定。4月24日~25日キム・ギドク監督の来日も決まった。

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今作は、世界3大映画祭であるベルリンで監督賞(’04)。ベネチアで監督賞(’04)、最高賞(’12)を受賞したキム・ギドク監督が、日本に来て監督、撮影、照明、録音を全て一人で行った執念の作品。各国映画祭でもその衝撃の内容に物議を醸し、日本での上映は不可能とされていたが、この度ようやく解禁となった。

2011年3月11日、東日本大震災。そして福島第一原発のメルトダウン。5km圏内に住んでいた若い夫婦は東京への移住を決意した。妊娠中の妻は放射能の赤ん坊への影響に不安を抱え、だんだん正気ではいられなくなる。そんな中、謎の政府の役人が現れ中絶を強引に促す。写真家である夫は、かつてのままの美しい自然や動物の写真を撮り、妻を安心させようと単身福島に戻るのだが…。

キム・ギドク監督からのメッセージ

私は、日本に友達がすごく多いのですが、みなさんとても良い方で優秀です。でも、日本と韓国は、過去の不幸な歴史の為に、あまり仲が良くない状況です。そんな中で作った、今回の『STOP』ですが、これは韓国人だとか日本人だとか、そういったことは関係なくて、人類の安全の問題だと思っています。そして、6年前の3月11日にはたくさんの方が亡くなりました。亡くなった方のご家族のことを考えると、非常に心が痛みます。そして、原発の問題は、終わっていません。終わっていないどころか、これからも、どんどん深刻なことになっていくかもしれません。世界中の技術者を集めてでも、早く自然な状態が戻ってくるようなことになればいいなと思っています。

行定勲監督コメント

キム・ギドクが丸腰で日本で撮らなければならなかった『STOP』は、彼が抱いている社会への危機感が怒りとなって牙をむいた力作である。

2017年5月13日(土)新宿K’sシネマほかで順次ロードショー
監督:キム・ギドク
出演:中江翼 堀夏子 武田裕光 田代大悟 藤野大輝 合アレン
配給:Kim Kiduk Film/Allen Ai Film

新宿K’sシネマ 5月13日~19日 連日18:00~
        5月20日~26日 連日10:30~
料金1,500円均一 各回入替・整理券制

※下記キネカ大森とジャック&ベティ上映時間、料金詳細は各映画館のホームページでご確認お願いいたします。

キネカ大森 5月13日~26日    
横浜ジャック&ベティ 6月24日~  

※作品収益の一部を福島、そして昨年地震の被害にあった行定勲監督の故郷、熊本に寄付されます。