強制収容所で司令官たちの娯楽としてリングに立ち続けたボクサーの実話『アウシュヴィッツのチャンピオン』7月公開!

2020年、ポーランドで最も権威のあるグディニャ映画祭で金獅子賞(最優秀作品賞)受賞、さらに2022年同国のアカデミー賞とされるイーグル賞で4部門(撮影賞、美術賞、メイクアップ賞、主演男優賞)を受賞し話題を呼んだ『Mistrz(原題)』が、邦題『アウシュヴィッツのチャンピオン』として7月22日より公開されることが決定した。

本作は、アウシュヴィッツ強制収容所で司令官や看守らの娯楽として消費される葛藤を抱えながらも、生き延びることを諦めずにリングに立ち続けた一人のボクサーの実話を基にしたヒューマンドラマ。

モデルとなった実在のボクサー、タデウシュ・“テディ”・ピトロシュコスキは、看守やカポ(囚人の中の統率者)を相手に数十戦の勝利を収め、囚人仲間にとってナチスの恐怖を打ち破り生き残るための希望の象徴だった。元囚人たちの証言や、本人の記憶をもとに、彼が歩んできた歴史を見事に映像化した。

世界を震撼させた“悪”を描くだけでなく、それに対抗する“希望”について描いた本作の監督を務めたのは、ポーランド出身でホロコースト生存者の孫でもあるマチェイ・バルチェフスキ。スティーヴン・キングの物語を映画化した短編デビュー作『My Pretty Pony』はロサンゼルス映画批評家協会賞をはじめとする数々の賞を受賞。長編デビュー作である本作については「人間の歴史の中で最悪な条件下で彼が戦い、そして勝利したという事実は、乗り越えられない障害はないという希望を私たちに与えてくれます。私たちは皆、それぞれのリングに立つ戦士なのです。希望が全て消えそうになり、最悪の状況に陥ったとしても、前を向いて戦い続けることの大切さを思い出させてくれます」と思いを語る。

主演を務めたのは、『イレブン・ミニッツ』、『ダーク・クライム』など、60本近くのポーランド映画に出演し、『Bogowie』では、イーグル賞で最優秀助演俳優賞を受賞したピョートル・グウォヴァツキ。本作では屈強な肉体と精神を兼ね備えたボクシングチャンピオンの役を演じるため、クランクインの数か月前からトレーニングを重ね、肉体改造に成功。スタントマンなしで過酷な撮影にも挑み、死の淵に立ちながらも生きることへの不屈の闘志と尊厳を保ち続けた主人公を力強く演じた。

『アウシュヴィッツのチャンピオン』
2022年7月22日(金)より、新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開
監督・脚本:マチェイ・バルチェフスキ
出演:ピョートル・グウォヴァツキ グジェゴシュ・マウェツキ マルチン・ボサック ピョートル・ヴィトコフスキ ヤン・シドウォフスキ
配給:アンプラグド

【ストーリー】 第2次世界大戦最中の1940年。アウシュヴィッツ強制収容所に移送される人々の中に、戦前のワルシャワで“テディ”の愛称で親しまれたボクシングチャンピオン、タデウシュ・ピトロシュコスキ(ピョートル・グウォヴァツキ)がいた。彼には「77番」という“名”が与えられ、左腕には囚人番号の入れ墨が刻まれた。十分な寝床や食事を与えられることなく過酷な労働に従事させられていたある日、司令官たちの娯楽としてリングに立たされることに…。

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