「ずっと“ろう”になりたかった」ろう者でも聴者でもない子どもたちの成長を追う『私だけ聴こえる』予告編

耳の聴こえないろうの両親から生まれた、耳の聴こえるコーダの子どもたちが、揺らぎながらも自らを語り、成長していく物語を描いた、松井至監督によるドキュメンタリー映画『私だけ聴こえる』が、5月28日より公開される。このほど、本作の予告編がお披露目となった。

耳の聴こえないろうの両親から生まれた、耳の聴こえる子どもたち、コーダ(CODA:Children Of Deaf Adults)。家では手話で、外では口話で話す彼らは、学校に行けば“障害者の子”扱い、ろうからは「耳が聞こえるから」と距離を置かれる。コーダという言葉が生まれたアメリカでコーダ・コミュニティを取材した初めての長編ドキュメンタリーとなる本作は、15歳というアイデンティティ形成期の多感な時期を過ごすコーダの子どもたちの3年間を追う。聞こえる世界にもデフの世界にも居場所のない彼らは、一年に一度の“CODA サマーキャンプ”の時だけ、ありのままの自分を解放し無邪気な子供に戻れる。

予告編には、ろう者でも聴者でもない、自分はコーダだと話す者たちの切実な声が溢れている。映像最後には、「同情しないで、私がどれほど幸せか知らない くせに」と言った後に言葉を詰まらせるナイラの姿が。CODAサマーキャンプの時の笑顔とは裏腹に、孤独や葛藤を抱えた、少し寂しげな彼女の表情が印象的だ。

『私だけ聴こえる』
2022年5月28日(土)より、渋谷シアター・イメージフォーラムほか全国順次公開
監督:松井至
出演:ASHLEY RYAN NYLA ROBERTS JESSICA WEIS MJ 那須英彰
配給:太秦

【作品概要】 耳の聴こえないろうの両親から生まれた、耳の聴こえる子どもたち、コーダ(CODA:Children Of Deaf Adults)。家では手話で、外では口話で話す彼らは、学校に行けば“障害者の子”扱い、ろうからは「耳が聞こえるから」と距離を置かれる。コーダという言葉が生まれたアメリカでコーダ・コミュニティを取材した初めての長編ドキュメンタリーとなる本作は、15歳というアイデンティティ形成期の多感な時期を過ごすコーダの子どもたちの3年間を追う。

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