クエンティン・タランティーノ「この数年に観た新作で、最もパワフルな作品の一つだ」『スウィート・シング』予告編

ジム・ジャームッシュらとともに米インディーズ界の雄として一世を風靡した、アレクサンダー・ロックウェル監督最新作『スウィート・シング』が、10月29日より公開される。このほど、予告編と新場面写真がお披露目となり、併せて、映画監督のクエンティン・タランティーノより本作を絶賛するコメントが寄せられた。

本作は、親に頼ることができず自分たちで成⻑していかなくてはならない、15歳の姉ビリーと11歳の弟ニコ、そしてその家族の物語。子育てができない親たちという現代社会の問題を描きながらも、16ミリフィルムで撮影された美しいモノクロとパートカラーの映像は詩的で美しく、ロブ・ライナー監督作『スタンド・バイ・ミー』も彷彿とさせる子どもたちの冒険は幸福に溢れる。

タイトルの由来でもあるヴァン・モリソン「Sweet Thing」や、主人公ビリーの夢の中のゴッドマザー、ビリー・ホリデイの「Iʼve Got My Love to Keep Me Warm」など、音楽ファンにはたまらない数々のサウンドトラックが詰まった本作。予告編では、本編で強い印象を残す楽曲の一つ、数奇な運命を辿った60年代アメリカのシンガー、カレン・ダルトンの「Something On Your Mind」が流れる。酒に溺れる父アダム(ウィル・パットン)。家出して、子供たちはそっちのけの母イヴ(カリン・パーソンズ)。そんな両親との暮らしの中で、ビリー(ラナ・ロックウェル)とニコ(ニコ・ロックウェル)は少年マリクに出会う。逃走の旅を始める3人の子供たちの姿は活き活きとした表情に溢れ、どのカットも宝石のような輝きを放つ。幻想的なパートカラーの映像やユニークな英字テロップなど、ロックウェル監督のチームが手掛けたオリジナル予告編が最大限に活かされているのも魅力的だ。

場面写真には、『スタンド・バイ・ミー』へのオマージュのような線路上を歩く3人のモノクロ写真や、『ハッシュパピー バスタブ島の少女』を彷彿とさせる粒子の粗いカラー写真など、作品世界を彩る印象的なショットが収められる。

■クエンティン・タランティーノ(映画監督) コメント
この数年に観た新作で、最もパワフルな作品の一つだ。

『スウィート・シング』
10月29日(金)より、ヒューマントラストシネマ渋谷、新宿シネマカリテ、アップリンク吉祥寺ほか全国順次公開
監督・脚本:アレクサンダー・ロックウェル
出演:ラナ・ロックウェル ニコ・ロックウェル ウィル・パットン カリン・パーソンズ
配給:ムヴィオラ

【ストーリー】 普段は優しいが酒を飲むと人が変わる父アダム(ウィル・パットン)。家を出て行った母親イヴ(カリン・パーソンズ)。頼る大人がいないビリー(ラナ・ロックウェル)とニコ(ニコ・ロックウェル)の姉弟。ある日出会った少年マリクとともに、彼らは逃走と冒険の旅に出る。世界はとても悲しい。でも、幸福な1日はある。その1日がずっと⻑く続きますように。

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