2019年のカンヌ国際映画祭で脚本賞とクィア・パルム賞を受賞した『燃ゆる女の肖像』のセリーヌ・シアマ監督の長編2作目『トムボーイ』が、9月17日より公開される。このほど、予告編がお披露目となった。
ジェンダーとアイデンティティーを行き来する主人公に寄り添った目線とユーモアを以て、ひと夏の挑戦が描かれる本作。主人公は、引っ越し先で「ミカエル」と名乗り、新たに知り合った友人たちとの間で男の子として過ごそうとするロール。やがてミカエルに特別な視線を向ける少女リザとの関係が深まっていくと同時に、友人や家族たちとの間にも変化が訪れていく…。
公開された予告編では、ロールが新しい街で同年代のリザから名前を尋ねられ「ミカエル」と答える姿や、新たな仲間たちに迎えられる様が描かれている。夏休みの間、新しい仲間と過ごす新しい自分。サッカーや海での遊びを楽しんだり、妹ジャンヌの協力のもと襟足を整えたり、ミカエルとして過ごすことに余念がなかったが、そんな日々も長くは続かない。ある日母親に「みんなに男の子だと言っていたの?」と詰め寄られてしまう…。
「女の子が男の子になりすますという物語は、長いこと私の頭の中にありました」とセリーヌ・シアマ監督は本作の構想について語る。また、「映画のもたらす複雑な感情の部分と対照的に、太陽を感じさせるような作品を作りたいと思っていた」述べている通り、スリリングながらも、眩しく瑞々しいシーンの数々が切り取られている。
『トムボーイ』
9月17日(金)より、新宿シネマカリテほか全国公開
監督:セリーヌ・シアマ
出演:ゾエ・エラン マロン・レヴァナ ジャンヌ・ディソン
配給:ファインフィルムズ
【ストーリー】 夏休み、家族と共に新しい街に引っ越してきた10歳のロール(ゾエ・エラン)。引っ越し先で「ミカエル」と名乗り、新たに知り合った少女リザ(ジャンヌ・ディソン)たちに自分を男の子だと思い込ませることに成功する。やがてリザとは二人きりでも遊ぶようになり、ミカエルとしての自分に好意を抱かれていることに葛藤しつつも、お互いに距離を縮めていく。しかし、もうすぐ新学期。夏の終わりはすぐそこまで近づいているのだった…。
© Hold-Up Films & Productions/ Lilies Films / Arte France Cinéma 2011