吉永小百合「大事な時が訪れる瞬間まで、温もりや息遣いを感じて」在宅医師が患者と家族に寄り添う『いのちの停車場』予告編2種

都内の終末期医療専門病院に勤務し、命の終わりを真摯に見つめる現役医師でありながら、作家として「サイレント・ブレス」や、NHKにてテレビドラマ化され話題を呼んだ「ディア・ペイシェント」を世に送り出した南杏子による原作を、吉永小百合主演、松坂桃李、広瀬すず、西田敏行共演で映画化する『いのちの停車場』が、5月21日より公開される。このほど、本作の予告編と、松坂桃李演じる野呂と広瀬すず演じる麻世に焦点を当てた特別バージョン予告編がお披露目となった。


▲予告編

本作は、今の日本の長寿社会における現代医療制度の問題点や、尊厳死・安楽死などの医療制度のタブーに正面から向き合い、それらに携わる医師、患者、その家族が描かれる感涙の物語。

予告編冒頭、儚くも美しい桜が舞う中、咲和子(吉永小百合)は幼馴染の中川朋子(石田ゆり子)の問いに力強い言葉をかけ笑顔で自撮りに応える。続けて、ただ寝て食事をするのは生きていることじゃないと言い切る、病を抱えた芸者の寺田智恵子(小池栄子)や、難病を患う娘が「病院に見捨てられたんです」と泣き崩れる若林祐子(南野陽子)、最期の時を平穏に過ごしたいと願う宮嶋一義(柳葉敏郎)、在宅医療を望む愛する妻とともに暮らす並木徳三郎(泉谷しげる)など、それぞれの生き方で賢明にいのちと向き合う患者と、思いを抱えた家族たちの姿が映し出され、患者それぞれの願いと家族の愛の形に寄り添いながら「まほろば診療所」に集う面々は、医療やいのちとは、自分たちができることは何かを深く考え直していく。映像終盤、患者とその家族を支え優しく包み込む咲和子のあたたかさと、朝日を見つめ涙する姿は、患者との悲しい別れだけではなく、その中に芽生えはじめるかけがえのない、あたたかな“何か”を感じさせる。映像には、多くの人から愛され、その厳かな響きと神からもたらされる恵と希望が歌われた名曲「Amazing Grace」が使用されており、本楽曲がより一層物語を盛り上げる。


▲特別バージョン予告編

特別バージョン予告編では、“いのち”に向き合えず医師になれなかった⻘年の野呂(松坂桃李)と、事故で家族を失い“いのち”を見失った看護師の麻世(広瀬すず)の若い二人が、「まほろば診療所」で健気に患者と向き合う医師・咲和子と出会い、小さな体で懸命に生きようとする少女の“最後の願い”に触れたことから次第に失った大切な何かを取り戻していく。少女をやさしく、時に涙をこらえ見つめる麻世の表情、そして涙をこらえることなく感情のおもむくままに一心にみつめる野呂の眼差しは、苦しくて、優しくて、時に、あたたかで、次第に彼らと共に、この時代に失った大切な何かを想い出させてくれる。

『いのちの停車場』
5月21日 全国公開
監督:成島出
原作:南杏子「いのちの停車場」
脚本:平松恵美子
出演:吉永小百合 松坂桃李 広瀬すず 南野陽子 柳葉敏郎 小池栄子 みなみらんぼう 泉谷しげる 石田ゆり子 田中泯 西田敏行
配給:東映

【ストーリー】 都内の救命救急センターで働いていた主人公・白石咲和子(吉永小百合)は、ある事件をきっかけに故郷の金沢へ戻り、在宅専門医として「まほろば診療所」で働き始める。院⻑の仙川徹(⻄田敏行)、亡くなった姉の子・翼を育てながら働く看護師の星野麻世(広瀬すず)、東京から咲和子を追いかけてやってきた医大卒業生の野呂聖二(松坂桃李)も加わり、いつしか「まほろば」は咲和子にとってかけがえのない家族のような存在に。穏やかな時間を過ごすため、自分らしく生きるため、様々な理由から在宅医療を選択した患者やその家族と向き合ううち、咲和子は“命の終わり”に心地よく寄り添う医療とは何か、深く考えるようになる。

©2021「いのちの停車場」製作委員会