『劇場版 ファイナルファンタジーXIV 光のお父さん』の野口照夫監督が2000年代初頭にインディーズ作品として制作した映画を、奈緒と磯村勇斗のダブル主演でドラマ化する「演じ屋」が、今夏にWOWOWプライムにて放送されることが決定した。
痴漢の冤罪で仕事も婚約者も失ってしまったトモキは、死を決意し、ビルの屋上から飛び降りようとしたその瞬間、女性が悲鳴をあげながら逃げてくるのを目撃。女性は刃物を持った男に襲われてしまい、さらにその場に居合わせたトモキまでもが刺されてしまった…と思いきや、それらは全て演出で、「演じ屋」のアイカとその依頼主による演技だったのだ。巻き込まれてしまったトモキは、アイカから「演じ屋」なる職業の存在を聞かされる。そこでトモキは自分を痴漢の冤罪に追い込んだ犯人たちに復讐するため、「演じ屋」であるアイカを雇うのだった…。
最初は「演じ屋」という職業に戸惑いを隠せないトモキだったが、アイカとの“復讐”を通じて成長していき、物語が進むにつれてアイカとの恋も!?またトモキを「演じ屋」の世界に引き連れて、自身のとある“復讐”の目的にも誘い込むアイカ。そんな魅力的なキャラクターが「演じ屋」の仲間たちと和気あいあいとじゃれあいながらも、家庭内暴力や飲酒運転など日本が抱える社会問題に切り込む、ちょっと硬派なストーリー展開からも目が離せない。
依頼された役になりきるという新しい職業、「演じ屋」のアイカを演じるのは奈緒。本作がWOWOW初出演にして、初主演となる。そして痴漢の冤罪に巻き込まれ、自殺寸前でアイカと出会い、「演じ屋」の世界に魅了されていくトモキ役に磯村勇斗。サウナに魅了され、サウナをこよなく愛する人“サウナー”たちによる究極のサウナ番組「サウナーーーズ」シリーズや、自身が監督を務めた「アクターズ・ショート・フィルム」などWOWOW作品ではお馴染みの磯村だが、本作がWOWOWを含め、連続ドラマ初主演となる。
監督・脚本を務めるのは、「ファイナルファンタジーXIV 光のお父さん」のテレビドラマ版、映画版などを手掛けてきた野口照夫。2000年代初頭にインディーズ作品として「演じ屋」を制作し、約20年ぶりに新しい「演じ屋」を生み出すこととなった。監督自身も“ゼロからまったく新しい「演じ屋」を作る”と意気込んでおり、過去作のファンはもちろんのこと、まだ見ていない人も楽しめる内容となることに期待が高まる。
▼スタッフ&キャスト コメント
■奈緒(アイカ役)
Q:「演じ屋」への主演が決まって。
前作『演じ屋 reDESIGN』の撮影が終わってからも、ずっと「演じ屋」の皆さんと再会できる日を信じていました。主演をやらせていただくというのは身の引き締まる思いです。信頼する野口監督をはじめ気の置けないスタッフキャストの皆さんと共に最後まで駆け抜けたいです。
Q:脚本を読んでの感想。
人の弱さや綺麗なだけではない部分、アイカの言葉を借りると「悪党」も沢山出てきます。その中でキラリと光る登場人物のやさしさを汲みとった本だと思いました。「演じ屋」ならではのブラックユーモアも愛らしく健在で、何回読んでもおもしろいと思いました。
Q:演じるアイカの魅力。
アイカさんはとても情に熱く優しい人だと思います。人の醜い部分に沢山触れてきたことで、達観している部分と子供のようにピュアな部分を併せ持っているアイカだからこそ、揺れ動く姿がとても人間らしく魅力的に感じます。
Q:トモキを演じる磯村さんの印象。
磯村さんとご一緒できると聞いたときは本当に嬉しかったです。映画で拝見してとても素敵な役者さんだと思っていたので「演じ屋に強力な仲間が加わるぞ」と、心の中でガッツポーズをしていました。現場では全体をみて下さっていますし、和やかな空気を作ってくださっていて心強いです。
Q:演じてみたい“人物”、“職業”、“シチュエーション”。
自身としては、家族のお話が好きなのでお芝居を通していろんな形の家族に加わってみたいです。もし自分が“演じ屋”だったら…『ローマの休日』の王女・アンに「私が代わりに寝たふりでもなんでもしておくから、もうちょっと遊んで来て!」と言いたいです。
Q:視聴者へのメッセージ。
「演じ屋」は皆様の応援を受け、それぞれの時間を経て新しい仲間も共に帰ってきました!演じ屋ファンの皆様にも、はじめましての皆様にも更にパワーアップした「演じ屋」を楽しんでいただけますように。
■磯村勇斗(トモキ役)
Q:「演じ屋」への主演が決まって。
お話をいただき初めてプロットを読んだ時「演じ屋」という題材が面白いと思いました。言ってしまえば俳優の仕事もまさしく「演じ屋」なので。ストーリーに自分が共鳴する部分もあり、この「トモキ」という役を演じてみたいと思いました。奈緒さんと共に主演を務めますが、主演という肩書きには囚われずに「トモキ」としてこの作品に責任を持って向き合い、キャストやスタッフの皆さんと、この作品を創っていきたいと思います。
Q:脚本を読んでの感想。
演じ屋に限らず、僕自身もそうですがどこか日常でも「演じている時」があるなと。それは仕事中であったり、友達や家族の前であったり…。誰しも何か1枚フィルターを通して人と接しているのではないかと感じます。演じる事で何かを守ったり、仕事を円滑に進めたりと様々な理由があると思いますが、今回の作品で演じ屋達が直面する問題は社会に広がる闇の部分。そこに切り込んでいく様子が斬新で、緊張感のあるシーンもあれば微笑ましいシーンもあり、誰に感情移入するかで物語の見方が大きく変わると思います。そして「居場所」というのものが、生きる上での生命線になっているんだなと感じ、僕自身も今の「居場所」はどこなのかを考えてしまいました。
Q:演じるトモキの魅力。
素直に感情を表す人物だと思いました。人の言葉を素直に受け入れるし、自身が感じたものはそのままストレートに表現するので、分かりやすい性格だと思います。そして、出会う人達に寄り添う優しい一面もありながら、決断を下すべきところはしっかりと下す。強い芯を持っているところがトモキの魅力だと思います。あと演じ屋からいじられる姿は弟的な可愛さもあるのではないかと思いました。
Q:アイカを演じる奈緒さんの印象。
奈緒さんとは今回初めての共演ですが、以前番組で女優を志した理由や、芝居に対して真摯に向き合っている姿を拝見して、一本芯の通った女優さんだなという印象でした。現場に入ってからもその姿勢を感じますし、笑顔が素敵な愛嬌のある方なので、これからの撮影が楽しみです。
Q:演じてみたい“人物”、“職業”、“シチュエーション”。
スパイ。あらゆる権力やお金を牛耳っている人物の懐に入り情報を得る。そして必要であれば武力ではなく頭脳を使って精神的に追い込んでいく手法を使い制裁していく。そんなシチュエーションでスパイを演じてみたい。映画の見過ぎかもしれませんが、絶対に出会うことのないスパイという、そもそもが演じ屋である職業を演じてみたいです。
Q:視聴者へのメッセージ。
誰もが知らず知らずに何かを演じて生きているかも知れない。時には演じなければならないこともあるかも知れない。そして、演じる事で誰かを救えるときがあるかも知れない。それは悲しい事でもあり楽しい事でもあると思います。変わった職業かも知れませんが、演じ屋を通して自分の生き方を見つめ直すきっかけになればいいなと思います。
■野口照夫(監督・脚本)
Q:「演じ屋」のドラマ化が決まって。
2001年に10万円足らずのなけなしのお金で制作したインディーズ作品が「演じ屋」でした。あれから20年が経ち「演じ屋」がWOWOWさんでドラマ化が決まったと聞いて、誰よりも驚いているのは自分だと思います。今の時代ならではのアプローチで、ゼロからまったく新しい「演じ屋」を作ろうと思いました。
Q:「演じ屋」という作品の魅力。
物語は嘘から始まるとよく言いますが、職業そのものが嘘で成り立っている「演じ屋」稼業の面々が、悪意の嘘によって苦しむ人たちを、優しい嘘の力で救っていく。そんな嘘に満ち溢れた物語が「演じ屋」の一つの魅力ではないかと思っています。また、シリアスとコミカルのバランスの妙も「演じ屋」の魅力かもしれません。
Q:アイカを演じる奈緒さんの印象。
奈緒さんが演じる主人公のアイカはちょっと掴みどころがなく、まわりを翻弄する謎めいたキャラクターです。性格的にも、ビジュアル面でもこれまでの奈緒さんとはまた一味違った魅力を感じていただけると思います。役柄と奈緒さんの自然体の演技があいまって非常に魅力的なキャラクターが完成していると手応えを感じています。
Q:トモキを演じる磯村さんの印象。
演技力もさることながら、作品に取り組む真摯な姿勢、シナリオを深く読み込む力にただただ感心させられます。監督を手がけた経験もあってか、作品を俯瞰で見る視点も養われているので、全体のバランスを考えながら現場に臨んでいる姿は、連続ドラマ初主演とは思えない安心感を感じています。
Q:視聴者へのメッセージ。
「演じ屋」に依頼を持ち込むのは、人に陥れられ人生に絶望する者や、誰からも手を差し伸べられず孤独に苦しむ者たち。社会の隙間に埋もれ、光が当たらずにもがく人々を「演じ屋」の面々が、人生の共演者となり、どのように救い出していくのか。ちょっと変わった正義の味方たちが織りなすせつない復讐劇をご覧下さい。
「演じ屋」
今夏 WOWOWプライムにて放送開始 ※第1話無料放送
監督・脚本:野口照夫
出演:奈緒 磯村勇斗
【ストーリー】 結婚式前日、痴漢の冤罪で仕事も婚約者も失ってしまうトモキ(磯村勇斗)。死を決意し、ビルの屋上から飛び降りようとしたその瞬間、女性が悲鳴をあげながら逃げてくるのを目撃。女性は刃物を持った男に襲われてしまい、さらにその場に居合わせたトモキまでもが刺されてしまった…と思いきや、それらは全て演出で、「演じ屋」のアイカ(奈緒)とその依頼主による演技だったのだ。巻き込まれてしまったトモキは、アイカから「演じ屋」なる職業の存在を聞かされる。そこでトモキは自分を痴漢の冤罪に追い込んだ犯人たちに復讐するため、「演じ屋」であるアイカを雇うのだった…。