気鋭の作家・相沢沙呼による青春小説を、佐藤大樹(EXILE/FANTASTICS)と橋本環奈のダブル主演で映画化する『小説の神様 君としか描けない物語』が、10月2日より公開中。このほど、10月3日に新宿バルト9にて公開記念舞台挨拶が行われ、キャストの佐藤大樹、橋本環奈、久保茂昭監督、そして主題歌を担当した伶が登壇した。
はじめに、ついに本作が封切りされた心境を聞かれると、ナイーブで売れない小説家・千谷一也を演じた佐藤は「延期を経ての公開となりましたが、小説がテーマにもなっている本作にぴったりな“読書の秋”に公開できて本当に良かったです。事務所の先輩たちも『絶対観に行く』と言ってくれていて嬉しいです」、ドSな人気小説家・小余綾詩凪を演じた橋本は「キャスト・スタッフ一同公開が待ち遠しかったです。こうして公開できたのは、待ってくださっていたファンの皆様のおかげ。そう思うと喜びもひとしおです」とコメント。そして久保監督は「交友のある三木孝浩監督が公開初日に観に行って『攻めた青春映画だと思った。そして、今まで観た中で一番可愛い橋本環奈だった』と感想を送ってくれました」と同じ監督仲間からも本作の評価が高かったことへ喜びと安堵の表情を浮かべた。
続いて、本作で印象に残っているエピソードについて、佐藤は「一也の編集者・河野(山本未來)に向かって『小説家を辞めたい』と打ち明けるシーンです。夜に撮ったのですが、その日は朝から僕と環奈ちゃんと山本さんの3人で楽しく撮影していたので、心境を整えるのが大変でしたが、久保監督もそんな僕の気持ちを察して空気を作っていただけて。気付いたら演技に熱が入って、鼻水が出るくらい泣いていました」、橋本は「保健室で一也と詩凪が語り合うシーンです。久保監督が『一発で撮ろう』と言ってくださり、スタッフの方々もそれに合わせて準備してくださったので詩凪の感情にすっと入っていけて、スタッフの方々の愛を感じました」と振り返った。
本作は映像美も大きな見所の一つ。一也と詩凪が宙へ浮かぶシーンは印象的だが、実はCGは使用されていない。本シーンの詳細について久保監督が「言わない方が良いかと…。ご想像にお任せします」と言葉を濁すと、橋本は「自分たちで飛びました(笑)」と暴露。すると監督が「大樹は飛べなかったけどね」とさらに暴露を重ね、佐藤は「ただの(飛べない)豚です」(『紅の豚』のセリフのパロディ)と語り会場の笑いを誘った。
また、映画のテーマにもある青春にかけた「印象に残っている自身の青春エピソード」について、佐藤は「中学生の頃に初めて行ったEXILEのライブで、HIROさんのダンスを観た時です。その翌日には小学生から続けていたサッカーを辞め、EXILEに入るためにダンスを始めることを決めました」と人生の転機を振り返った。一方で、橋本は「何気ない高校での日常生活です。福岡の女子校に通っていたのですが、仕事で修学旅行などの行事は参加できなかったんですが、友達や先生に支えられて卒業できました」と口にした。
その後スペシャルゲストとして、本作で主題歌および挿入歌を担当した伶が登場し、主題歌「Call Me Sick」を初披露。青春ストーリーの本作にふさわしい明るく軽快な歌声を会場に響かせた伶の生歌唱を聴き、佐藤は「最高の一言です!」、橋本は「この距離で聴けるのは特別感がありました!」と絶賛。伶は「ライブや収録とは違う環境で、また、目の前にお二人や監督がいると思うと震えるくらい緊張しました」と胸の内を明かした。
本作でソロ・プロジェクトが始動となった伶。所属するE-girlsでグループとして活動するときとの違いについては、「新鮮な気持ちです。ソロ一作目の活動がこのような素敵な作品で、すごくやる気になったし光栄です」と心境を語り、久保監督は「伶のデビューのときからずっとMVを作っている仲で。歌詞を憑依して歌う姿がずっと好きで、原作を読んだときから伶の歌声が鳴り響いていたので、真っ先にオファーしました」と一也の心境を歌えるのは伶しかいないと感じキャスティングした経緯を語った。
本作は主題歌・挿入歌あわせて全6曲もの楽曲が映画を彩り、類を見ない新しい構成で物語が進んでいく。佐藤は「勝ったな!と思いました。美しい映像に豪華な挿入歌、間違いないと思いました」と本編を初めて観た時の衝撃を口にした。また、橋本も「珍しい構成だと思いました。でも、本編を観るとまとまっていて、鑑賞中の気持ちとリンクして、音楽の持つパワーを感じました」と続けた。
ここで、小説作りがテーマの本作にちなんで、もし自身が小説を作るとなったときのタイトルと内容を考えることに。4人を代表して佐藤が回答し、タイトルを「壁に耳あり 正直メアリー」と独特の感性を発揮し自信たっぷりにフリップを見せると、他の登壇者は失笑。ストーリーに関して聞かれると、「主人公のメアリーは中学生。嘘のつけない正直者で、推理力があり、地獄耳。関わりたくない事件も思わず聞こえてきてしまうので、解決に導いていって…」と話を続けようとすると、思わず久保監督から「まだ続けますか?(笑)」とツッコミが入り、仲の良さがうかがえた。
最後に、中継先の観客とこれから作品を観る方々に向け、佐藤は「一也の持つトラウマは、誰もが持っているものだと思います。それは、ある日誰かのたった一言で武器になることもある、そう思っていただけたら嬉しいです。どんな職業の方でも、老若男女の皆様の胸がアツくなる映画です。ぜひ劇場でご覧ください」、橋本は「詩凪の『好きを諦めない』という言葉が好きです。夢や目標を皆さん持っていると思うんですが、挫けそうになる時もあると思います。そんなときに、この作品が背中を押すものになれば幸いです」、そして久保監督は「誰もが経験する壁を乗り越える、そのきっかけになる映画だと思います。あと病院の中庭で環奈ちゃんが『あなたの文章なら信じられる』と振り返って言うシーンの表情が絶品でそのシーンを撮った時、勝った!と思いました(笑)。ぜひ注目してほしいです!」とそれぞれメッセージを送り、和やかな雰囲気の中イベントは幕を閉じた。
『小説の神様 君としか描けない物語』
10月2日(金)より、全国公開中
監督:久保茂昭
原作:相沢沙呼「小説の神様」
脚本:鎌田哲生
音楽:中野雄太
主題歌:伶「Call Me Sick」
出演:佐藤大樹(EXILE/FANTASTICS) 橋本環奈 佐藤流司 柴田杏花 莉子 坂口涼太郎 山本未來 片岡愛之助 和久井映見
配給:松竹
【ストーリー】 中学生で作家デビューしたが、作品はSNSで酷評され、自分を見失った売れない高校生小説家・千谷一也(佐藤大樹)。一方、同じクラスの人気者でドSな性格の上、ヒット作を連発する高校生小説家・小余綾詩凪(橋本環奈)。底辺作家と人気作家、性格もクラスでの立ち位置も、すべてが真逆の二人に、編集者から下されたミッション。それは、二人で協力し、大ベストセラーを生み出すことだった!ダメな男子とキラキラ女子、一見正反対な二人が、反発しながらも足りないものを補い合い、物語を一緒に作るうちに、一也は、詩凪の誰にも言えない大きな秘密を知ってしまう…。友情を超えて近付く二人の距離。悩み傷つきながらも、好きなことをあきらめずに挑戦し続けた先で、二人が生み出す“物語”の行方は…?
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