是枝裕和監督が率いる映像制作者集団“分福”の新進気鋭の才能、佐藤快磨(さとうたくま)監督の劇場デビュー作で、仲野太賀が主演、吉岡里帆、寛一郎が共演する『泣く子はいねぇが』が、11月20日に公開される。このほど、特報映像とポスタービジュアルがお披露目となった。
釜山国際映画祭など数多くの国内外映画祭で評価された佐藤快磨監督が完全オリジナル脚本で挑んだ本作。是枝裕和もその才能に惚れ込んだ佐藤監督初の劇場映画デビュー作となる本作は、第68回サン・セバスティアン国際映画祭で河瀬直美監督、フランソワ・オゾン監督といった世界的監督と肩を並べてオフィシャルコンペティション部門への出品が決定している。
大人として、そして父親としての自覚も曖昧な主人公たすくを演じるのは、個性溢れる表現力で注目を集める演技派俳優、仲野太賀。そして妻・ことね役の吉岡里帆、親友の志波役の寛一郎に加え、山中崇、余貴美子、柳葉敏郎といった実力派俳優が集結。平成生まれの新たな才能・佐藤監督を確かな演技で支え、物語を彩り魅了する。
子供が生まれてもなお父親の自覚がなく、離婚の危機を迎えているたすく(仲野太賀)は、男鹿半島の伝統文化「ナマハゲ」の最中に酒の勢いで感情を爆発させてしまう。夜の海辺を疾走する彼の叫びは、日頃の鬱憤なのか、それとも自分の不甲斐なさゆえなのか…。まさに「大人になりきれない大人」の魂の叫びが胸に響く特報映像となっている。
ポスタービジュアルではナマハゲの面を斜めにかぶりながら、真っ直ぐな目で何かを見つめるたすくと、彼を取り巻く登場人物たちの姿をとらえている。
『泣く子はいねぇが』
11月20日(⾦)より新宿ピカデリー他全国ロードショー
監督・脚本・編集:佐藤快磨
出演:仲野太賀 吉岡里帆 寛一郎 山中崇 余貴美子 柳葉敏郎
配給:バンダイナムコアーツ/スターサンズ
【ストーリー】 秋田県・男鹿半島で暮らす、たすく(仲野太賀)は、娘が生まれ喜びの中にいた。しかし妻・ことね(吉岡里帆)は、子供じみていて父になる覚悟が定まらない様子のたすくに苛立ちを募らせていた。そんな中たすくは、ことねに「酒を飲まずに早く帰る」と約束を交わし、大晦日の夜、地元の伝統行事「ナマハゲ」に、例年通り参加する。しかし、結果酒を断ることができずに泥酔したたすくは、溜め込んだ鬱憤を晴らすように「ナマハゲ」の面をつけたまま全裸で男鹿の街へ走り出す。そしてその姿がテレビで全国放送されてしまうのだった。ことねには愛想をつかされ、地元にも到底いられず、東京へ逃げてしまうたすく。しかし2年の月日が流れても、東京に居場所は見つからず、徐々に「ことねと娘に会いたい」という想いが強くなっていく。ようやく、自らの愚行と向き合うことを決め、地元に戻ってきたが、仕事は簡単には見つからず、ことねと会うことも叶わず、状況は容易いものではないのだった…。
©2020「泣く子はいねぇが」製作委員会