政治難民の少年がチェスチャンピオンを目指す感動のヒューマンドラマ『ファヒム パリが見た奇跡』8月公開!

パリへ逃れた政治難民の少年がチェスチャンピオンを目指す感動の実話をもとにしたヒューマンドラマ『Fahim(原題)』が、邦題『ファヒム パリが見た奇跡』として8月14日より公開されることが決定した。併せて、場面写真がお披露目となった。

母国バングラデシュで天才チェス少年として有名だったファヒムは、わずか8歳の時に政治難民として父親とともに突然パリに移り住むことになる。そして彼らは自由な未来を勝ち取るために言葉も分からず、住む場所も定まらないパリでチェスのチャンピオンを目指すことになるが…。

ファヒムの才能をいち早く見抜き、彼をフランス王者にするために厳しくも愛情溢れた熱心な指導に没頭するファヒムのチェスコーチ・シルヴァンを演じるのは、フランスが誇る名優、ジェラール・ドパルデュー。監督が実際の“ファヒム”の指導者であるグザヴィエ・パルマンティエに出会った際に「彼の恰幅の良さ、優しさ、激しい気性を知りまっさきに思い浮かべたのがジェラール・ドパルデューだった」という。「私はおめでたい人間ですから、すぐにジェラールがぴったりだと思い、1秒たりとも断られる可能性を想像しませんでした。それでもジェラールのエージェントに脚本を送った時は多少ドキドキしましたよ。脚本は140ページあり、この長さがジェラールのやる気をそぐんじゃないかと怖くなったのです。でも違いました。48時間後に彼はOKの連絡をくれました」とその喜びを語る。

そして、チェスの天才少年ファヒムを演じたのは、これが演技初挑戦であり、彼自身も撮影が始まる約3ヶ月前にバングラデシュから政治亡命者の息子として逃れてきたというアサド・アーメッド。ある日突然父親から「いとこと一緒にでかけろ」と言われた先が映画のキャスティング現場だったという。本作について「脚本の内容を聞いた時、とても感動しましたし、バングラデシュの首都ダッカで起こっているいろいろな問題を思い出しました。ファヒムの物語は僕のものではありません。でも僕が経験してもおかしくなかった」、「この映画を通して、人々が移民の生活が簡単ではないと分かってくれることを願います」とその想いを語る。

監督は、俳優としても活躍するピエール=フランソワ・マルタン=ラヴァル。本作を製作することになったきっかけについて彼は「2014年2月、テレビで14歳のバングラデシュ人の少年が、彼のこれまでの人生を語った本「Un roi clandestine(密入国者の王さま)」<日本未発売>についてインタビューを受けていたのを見たのです。それまで彼のことをまったく知りませんでしたが、落ち着いた声で話すこの少年に魅了され心を揺さぶられたのです。なぜ8歳の時に急に母親から引き離され、国を出なければならなかったのか。父親と一緒に言葉も生活習慣も知らないフランスに降り立ち、その4年後に、不法滞在のホームレスであったにもかかわらず、どうやって12歳以下のチェスのフランス王者になったのか。すごい道のりです!私の映画作家としての血が体をひと巡りし、すぐにこの映画を作りたいと思ったのです」と述べている。

『ファヒム パリが見た奇跡』
8月14日(金)より、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国公開
監督:ピエール=フランソワ・マルタン=ラヴァル
出演:ジェラール・ドパルデュー アサド・アーメッド ミザヌル・ラハマン イザベル・ナンティ
配給:東京テアトル STAR CHANNEL MOVIES

【ストーリー】 少年ファヒム(アサド・アーメッド)と父親は母国バングラデシュを追われ、家族を残してパリにやってくる。フランスに到着してすぐ、強制送還の可能性に怯えながら、亡命者として政治的保護を求める戦いが始まる。そんな中、チェスの才能を持つファヒムはフランス国内で最も優秀なチェスのコーチの一人、シルヴァン(ジェラール・ドパルデュー)に出会う。警戒心と魅力の間で揺れ動きながら、彼らは互いを知り、次第に友情を築いていく。チェスのフランスの国内大会が始まる一方でファヒムは強制送還の脅威にさらされる。解決策はただ一つ。フランス王者になることだった。

©POLO-EDDY BRIÉRE.