世界最高峰のテノール歌手アンドレア・ボチェッリの激動の半生を、ボチェッリ自ら執筆した自伝的小説を基に、『イル・ポスティーノ』のマイケル・ラドフォードが完全映画化した『アンドレア・ボチェッリ 奇跡のテノール』が、11月15日より公開される。このほど、11月6日に東京・イタリア文化会館にて公開記念イベントが行われ、フリーアナウンサーの宇賀なつみ、映画ライターのよしひろまさみち(MC役)が登壇した。
本作を一足早く鑑賞したという宇賀は、まず開口一番に「心が穏やかになるというか…映像と、とにかく音楽が素晴らしい!」と本作を大絶賛。「幼い頃のボチェッリが隣の部屋から聴こえてくる音楽に魅了されるというシーンがあるのですが、そこで私もスッと心が穏やかになって。ちょっと仕事で疲れていた忙しい時期に見たのですが、疲れが取れました」と音楽が持つパワーに改めて驚かされたと告白した。
偶然にも先月、本作の舞台と同じイタリアに、遅い夏休みを兼ねて旅行していたという宇賀。『マンマ・ミーア!』とか自分が知ってる単語を話すだけで大爆笑してくれたり、空港で3時間飛行機が遅れた時に、ウィンクしながらその状況を毎回説明しに来てくれる空港職員など、どんな状況でもイライラせず、常に心で笑っているような優しさを持つその土地に住む人たちに触れてホッとしたというエピソードも明かした。
続いて、テレビ朝日を退職後、フリーになってから半年経った現在の状況について、「何もかもが新鮮。本当に出会いの年だった」と感慨深く述べ、「今後女優などのオファーがあったらどうします?」という問いかけには「できれば、司会者役か、ナレーション役で!」「声のお仕事がいいな」と語り、あくまでも今後も声の仕事に専念したいという強い意志をアピール。実は映画の仕事は今回が初めてという宇賀。「今回のお仕事も、自分の公式HPからお問い合わせを頂いたんですよね」とフリーならではの裏話を明かし、「これからも公式ホームページからのお仕事お待ちしています」と自身で営業し、会場の笑いを誘う一幕もあった。
最後に、「この映画は“特別な物語”ではなく、“私たちの物語”でもあると思います。自分と重ねながら見て欲しい」とコメント。そして、子供の頃にボチェッリ(劇中の名前はアモス)の叔父さんが目の見えなかった彼のことを「視覚障害は個性だよ」と教えて育てたために、彼にとってそのことが全くハンディにはならなかった素晴らしさにも言及し、“人への優しさ”をもったイタリアを舞台にした映画だからこそ生まれた本作の魅力についても存分に語った。
『アンドレア・ボチェッリ 奇跡のテノール』
11月15日(金)より、新宿ピカデリーほか全国順次ロードショー
監督:マイケル・ラドフォード
原案:アンドレア・ボチェッリ
脚本:アンナ・パヴィニャーノ マイケル・ラドフォード
出演:トビー・セバスチャン アントニオ・バンデラス
配給:プレシディオ 彩プロ
【ストーリー】 イタリア・トスカーナ地方の小さな村。アモス(トビー・セバスチャン)は眼球に血液異常を持って生まれ、幼い頃から弱視に悩まされていながらも、明るく過ごしていた。しかし12歳の時に学校の授業中、サッカーボールが頭に当たり持病が悪化、失明してしまう。不自由な暮らしに鬱憤を抑えきれず両親を困らせるアモス。そんな彼を見かねた叔父が、元来歌が上手なアモスを音楽学校に連れていく。そのあまりにも美しい歌声が評価され、コンテストで見事優勝する。しかし喜びも束の間、すぐに声変わりが始まり、美しい声が出なくなってしまう。それを機に歌手を諦め、親友とともに猛勉強の末、弁護士を目指すが、数々の有名オペラ歌手を育てたスペイン人の歌唱指導者、マエストロ(アントニオ・バンデラス)との出会いが彼の人生を一変させる。
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