『リンダリンダリンダ』の山下敦弘監督と「逃げるは恥だが役に立つ」の脚本家・野木亜紀子が初タッグを組み、名バイプレイヤーの古舘寛治と滝藤賢一を主演に迎えたドラマ「コタキ兄弟と四苦八苦」が、2020年1月よりテレビ東京系にて放送されることが決定した。
真面目すぎてうまく生きられない兄と、そんな兄をみて育ったせいか、ちゃらんぽらんにしか生きられなくなった弟。無職の残念な兄弟が、ひょんなことから“レンタルおやじ”を始めることに。依頼内容は、定年退職した夫の様子がおかしい、友達が孤独死しているのではないか、3か月後に世界が終わるなど、ひとクセある案件ばかりで、生きるのが下手な兄弟が孤独な依頼人たちと関わり、様々な無茶ぶりに“四苦八苦”しながらも生きていく。タイトルにもある“四苦八苦”は、元は仏教用語で、人間である限り避けられない8つの苦しみをお釈迦様が教えた言葉。これらに4つの苦しみを新たに加えた、“12苦”がドラマの裏テーマとなっている。
脚本は、ドラマ「アンナチュラル」、「獣になれない私たち」、「逃げるは恥だが役に立つ」など数々の人気作品を手掛け、市川森一脚本賞、向田邦子賞を受賞して以来となる野木亜紀子のオリジナル。野木はテレビ東京作品に初参加となる。監督は、『ハード・コア』、『苦役列車』、『リンダリンダリンダ』などで広く知られ、報知映画祭最優秀監督賞をはじめ数々の受賞歴を誇る山下敦弘。テレビ東京作品は、ドキュメンタリー「山田孝之の東京都北区赤羽」、「山田孝之のカンヌ映画祭」で監督を務めているものの、連続ドラマを全話演出するのは初めてのこと。野木と山下は偶然にも2018年度の芸術選奨文部科学大臣新人賞にともに選出された、まさに気鋭のクリエイターコンビだ。さらに音楽は、今年5月にアルバム「Big fish」をリリースし、数々のCM音楽も手掛ける王舟と、バンド・neco眠るなどでも活躍するミュージシャンのBIOMANによるユニット、王舟&BIOMANが担当する。
ダブル主演を務めるのは、これまで数々のテレビ東京作品に出演してきた名バイプレイヤー、古舘寛治と滝藤賢一。古舘はニューヨークで演技を学んだ後、舞台や映画を中心に活躍し、NHK大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺」では重要な役に抜擢され注目を集める演技派。滝藤は無名塾出身で、個性的な役どころで頭角を現し、「俺のダンディズム」、「探偵が早すぎる」では主演を務めた活躍ぶり。今回の企画は、古舘と滝藤が「自分たちがダブル主演のドラマを立ち上げよう!」と意気投合したところから始まり、3年近い月日を経てようやく日の目を見たプロジェクトとなる。コタキ兄弟の兄を古舘、弟を滝藤が演じ、正反対な性格の兄弟を演じる二人の絶妙な掛け合いに期待が高まる。
■古舘寛治(古滝一路役) コメント
古舘寛治が主演の一人???これはきっとドッキリに違いない。ドッキリドラマ。僕は実際放送されるまで信じられませんよ。いつドッキリ看板を抱えたテレ東の人が現れるか分かりません。うっかり心許せません。その上でそのドッキリに乗っかった、騙された私がコメントをさせていただくと、こんな夢のようなことはないのです。自分が主演!ありえない!しかも滝藤くんという素晴らしい売れっ子俳優とのダブル主演!その上に今や飛ぶ鳥を落とす勢いの野木亜紀子さんがこれ以上ない素晴らしいオリジナル脚本を書いてくださり、あの山下敦弘監督が優れたセンスと繊細な演出で僕らの手綱を握ってくれる。スタッフも優秀で個性溢れるメンツ揃い。これはもう必死にやるしかありません。なんとしてもスゴオモな(すごく面白い!)作品にするのです。みんなで!どうかドッキリでありませんように~!
■滝藤賢一(古滝二路役) コメント
フジテレビ湾岸スタジオで古舘寛治さんと久し振りに再会し“なんか一緒にやれたらいいね”と話していたのが2017年初頭のこと。その数日後には私の初主演作【俺のダンディズム】の濱谷プロデューサーと渋谷でお茶して、あれよあれよと言う間に、こんな大きなプロジェクトに…。本当に夢のようです(泣)。脚本の野木亜紀子さんとは【重版出来!】でご一緒して以来2度目。毎回あがってくる台本が信じがたい面白さ。お見事でございます!しかも当て書き…もはや、言い訳のしようもありません(汗)。そして、山下敦弘監督とは同じ年で同郷。運命を感じております。常にカメラ横にへばりつき台本で顔を隠しながら芝居を見ている様が我々俳優には心強く安心感を与えてくれます。そしてそして我らが座長、古舘寛治さんの【コタキ兄弟】への熱き思いがダダ漏れになっていて、正直めんどぅな時もありますが、毎日口癖のように出る呟き“幸せだなー”が現場の全てを物語っております!これから発表されるキャスト・ゲストの方々も超豪華で毎日震えが止まりません!仲代メソッドと古舘メソッドの二刀流で【コタキ兄弟】を楽しみたいと思っています!
■野木亜紀子(脚本) コメント
古舘×滝藤でテレ東。それはやってみたいぞ。ということで走り出したこの企画。「とにかく芝居がしたいんだ!」という熱いリクエストに応えた結果、二人の芝居場がほとんどで、大量の台詞を覚えねばならないという苦行が発生。まさに一切皆苦。以前からファンだった山下監督が全話を演出してくれ、錚々たる役者陣がゲスト出演ということで、出来上がりが他人事のように楽しみです。古滝(コタキ)兄弟と娑婆世界の四苦八苦を噛み締めながら、金曜深夜に笑っていただけたら幸いです。放送地域外の皆様は配信でご覧ください。
■山下敦弘監督
主演、古舘寛治、滝藤賢一。脚本野木亜紀子。この並びに誘われたら断るバカはいません。ただ12話全部を監督する選択をした自分はバカだなと思います。いや~しんどい…。日々老いを感じるというか、日々老けてます。でも脚本面白いし、魅力的なキャストの演技を見ていると疲れを忘れてしまう。ドラマという分野にあまり慣れていない自分が演出するので、かなり歪なドラマに仕上がると思いますが、まぁ楽しみにしておいてください。とか言いながらまだ半分も撮り切ってない…。とにかく最後まで走り抜けます。
「コタキ兄弟と四苦八苦」
2020年1月よりテレビ東京系にて放送 毎週金曜 深夜0時12分~放送
監督:山下敦弘
脚本:野木亜紀子
音楽:王舟&BIOMAN
出演:古舘寛治 滝藤賢一
【ストーリー】 兄・一路(古舘寛治)は、予備校の英語講師だったが、現在は無職でつつましい暮らしをしている。楽しみと言えば喫茶シャバダバに通うこと。可愛いアルバイト店員のさっちゃんに、話しかけようと試みるが、いつもうまく行かず空振りに終わっている。そんなある日、兄の家に、突然転がり込んできた弟・二路(滝藤賢一)。兄弟の再会は8年ぶりで、兄が弟に勘当を言い渡して以来のことだ。突然の来訪をいぶかる兄だが、弟が来る直前に事故を起こしていたことを知り、慌てて現場へ向かう。そこで出会った被害者の男・ムラタから、自分の代わりに待ち合わせ場所へ行ってほしいと頼まれる。待ち合わせ場所に現れた女を見て、兄弟は絶句する。その女は…!?
©「コタキ兄弟と四苦八苦」製作委員会