津田寛治「若い役者たちに感化された現場だった。俳優を目指している人に観てもらいたい」

ゆうばり国際ファンタスティック映画祭をはじめ数々の映画祭に招待され受賞もしてきた、土屋哲彦監督と畑井雄介監督の疾走感溢れる3作品を1つに集めたオムニバス映画『RUN!-3films-』が、11月2日に公開初日を迎えた。これを記念して、同日に初日舞台挨拶が行われ、篠田諒、木ノ本嶺浩、松林慎司、黒岩司、津田寛治、須賀貴匡、佐野大樹、龍坐、笠原紳司、土屋哲彦監督、畑井雄介監督が登壇した。

三作全てに出演している津田寛治は「この映画のタイトル通りには走り抜けるという意味のRUNと、出演している役者たち自分を全部さらけ出す、乱れるという意味の乱という意味があると思っている。若い役者たちはカメラが回っていないときもずっと役に入り込んでいる。彼らに感化された現場でしたね」と撮影を振り返った。

また役作りについて聞かれると、篠田諒は「毎日鏡に向かって自分に向かって罵声を浴びせていた」、木ノ本嶺浩は「衣装を着てずっと家に引きこもって体育座りをしていた」と独特の方法を明かし、黒岩司は「当時の僕のドキュメンタリーになっている。津田さんや他の先輩たちに胸を貸していただいた」と感慨深く話し、松林慎司は「正体不明の役ということで当初戸惑ったが、畑井監督に聞いたところ、とにかく『第9地区』を見てと言われたのでそうしました」と明かした。

最後には津田が「劇場でお客さんに見てもらえるということのありがたみを改めて感じた。映像制作をしている人、俳優を目指している人に観てもらい、感化されて素晴らしい日本映画をつくってもらえたら嬉しい」と改めて作品への思いを語った。土屋監督は、「本当にたくさんの人に助けられて完成した作品。今日は一生忘れられない日になった」と感慨深く語り、畑井監督は「観客の皆さんの胸に残る作品になっていたら嬉しい。今回はパイロットフィルムだったので長編として完成させたい」と次回作についても匂わせた。

『RUN!-3films-』
11月2日(土)より、池袋シネマ・ロサにて上映
「追憶ダンス」
監督:土屋哲彦
脚本:池谷雅夫
出演:篠田諒 木ノ本嶺浩 青木玄徳 山﨑ケイ(相席スタート) 黒岩司 古谷佳也 日下雅貴 津田寛
【ストーリー】 コンビニバイト中の鈴木の前に、突然フルフェイスのヘルメットを被った強盗が現れた。そいつは中2まで一緒だった同級生の佐藤だという。「いじめた方が忘れても、いじめられた方は忘れないんだよ!」と、ナイフを持って襲ってくるが全く身に覚えがない。そこに警察官が現れ…。記憶の掛け違いを巡る二人の戦いは、予想外の結末に!

「VANISH」
監督:畑井雄介
出演:松林慎司 山口康智 志村美空 笹原尚季 谷沢龍馬 黒岩司 シャア・ハック 蟹江アサド 津田寛治
【ストーリー】 年間失踪者数10万人、その原因はわかっていない―。ある田舎町を走る車。そこにいるのは死体処理が生業のヤクザと、生きていくために人を喰うしか出来ない、「自分」が何者か分からない男。『消す』ことを宿命づけられたふたりは、共存のために一緒にいた。「命」とは?「生きる」とは?スタイリッシュな映像で贈るSFファンタジー。

「ACTOR」
監督・脚本・編集:土屋哲彦
出演:黒岩司 須賀貴匡 菅野莉央 龍坐 佐野大樹 松林慎司 笠原紳司 川村亮介 佐野和真 髙橋洋 津田寛治
【ストーリー】 売れない役者の山田はアルバイト先でもバカにされる日々。正直、向いてないのか…と悩みながら振り向くと、そこは撮影現場だった。「やれば出来るじゃない」共演女優に言われ少しだけ自信を取り戻し、憧れの俳優との共演シーンで覚醒。『闇を切り裂け!その光を掴み取れ!』自分を見下してきたヤツらを撃つために!

©2019TEAM RUN!