権力とメディアの“たった今”を描き大ヒットを記録した、松坂桃李、シム・ウンギョン主演の映画『新聞記者』のプロデューサーが放つドキュメンタリー『i-新聞記者ドキュメント-』が、11月15日より公開されることが決定した。
本作では、映画『新聞記者』の原案の著者でもある、東京新聞社会部記者・望月衣塑子の姿を通して、日本の報道の問題点、ジャーナリズムの地盤沈下、ひいては日本社会が抱える同調圧力や忖度の正体に迫っていく。
監督は、オウム真理教を題材にした『A』やその続編『A2』、ゴーストライター騒動の渦中にあった佐村河内守を題材にした『FAKE』などで知られる、映画監督で作家の森達也が務める。
■森達也監督 コメント
望月衣塑子記者の名前を、あなたはいつ知っただろうか。官房長官の記者会見で質問を重ねる女性記者。同じ質問を何度もするなと官邸スタッフに咎められたとき、「納得できる答えをいただいていないので繰り返しています」と彼女は即答した。とても当たり前のこと。でもその当り前の言葉が、ずっと僕の頭から離れない。この国のメディアはおかしい。ジャーナリズムが機能していない。そんな言葉を日常的に見聞きするようになってから、もう何年が過ぎただろう。いや見聞きするだけではない。僕自身も頻繁に言ったり書いたりしている。かつてテレビ・ディレクターだった。その後に映画監督が肩書に加わった。それから活字も仕事の領域になった。いわば僕のこれまでの人生は、常にメディアと共にあった。そのうえで断言する。確かに今のメディアはおかしい。ジャーナリズムが機能していない。あなたが右だろうが左だろうが関係ない。保守とリベラルも分けるつもりはない。メディアとジャーナリズムは、誰にとっても大切な存在であるはずだ。だから撮る。撮りながら考える。望月記者はなぜこれほどに目立つのか。周囲と違うのか。言葉が残るのか。特異点になってしまうのか。撮りながら悩む。考える。だから観ながらあなたにも考えてほしい。悩んでほしい。きっと最後には、あるべきメディアとジャーナリズムの姿が見えてくるはずだ。
『i-新聞記者ドキュメント-』
11月15日(金)より新宿ピカデリーほか全国公開
監督:森達也
企画・製作・エクゼクティヴ・プロデューサー:河村光康
出演:望月衣塑子
配給:スターサンズ
©2019『i –新聞記者ドキュメント-』