中島ひろ子が『桜の園』(1990)以来の主演を務める、レザークラフトを通して母と娘の気持ちの繋がりをコミカルに描く映画『いつかのふたり』が、10月12日より公開されることが決定した。
本作は、レザークラフトをモチーフにした母と娘のハートフルな家族の物語。シングルマザーの木嶋麻子は、大阪に部屋を探しに行く娘の真友と付き添いの別れた夫・隆弘を見送る。真友は来年の3月に小説家に弟子入りするため、家を出る予定なのだ。その帰り道で、ふと見かけた手芸用品店のレザークラフトに心魅かれた麻子は作品作りにのめり込んでいく。母娘ともに作品を作り、充実した日々を送るが二人にはちょっとしたわだかまりがあった。そんな中、麻子は手芸イベントのワークショップで出会ったレザークラフト作家・鈴木さえ子に憧れ、教室やイベントに通いつめる。関係が深まるごとに、さえ子と息子の光男の関係の悪さに気付く麻子と真友だったが、裏を返せばそれは自分たち親子にも似ていた。真友は親子関係を少しでも修復しようと、隆弘とともに3人で最後の家族旅行に行くことを提案する。
シングルマザーの母・麻子は、映画賞を独占した青春映画の傑作『桜の園』以来の主演となる中島ひろ子が好演。その娘・真友に新人・南乃彩希、別れた夫・隆弘には『木更津キャッツアイ』、『アイアムアヒーロー』などの岡田義徳を配し、霧島れいか、仁科貴などが脇を固める。監督は、黒沢清や瀬々敬久などの助監督を務め、本作が劇場用映画デビューとなる新鋭・長尾元が務める。
▼スタッフ&キャスト コメント
■長尾元監督
互いに素直になれない母娘の話です。脚本を書いた自分が改めて観ていて「それぐらい早く言っちゃえよ」と思ってしまう重症さ。そんな二人が“いつか”来る決着に向け、各々レザークラフトにハマったり、学校をサボったりする…。という映画をたまらなくステキな俳優、野心に燃えるスタッフと一緒に作りました。母娘の枠に収まらず、どなたの人生にも当てはまる内容になったのでは…と、思います。是非ともよろしくお願いシマス。
■中島ひろ子(木嶋麻子役)
20歳から母親役をずっと演じてきましたが、大きな娘と対立するお芝居は初めてで…当時17歳の南乃彩希さん演じる思春期の女の子の想いが櫻の園の頃の私と重なり、当時の18歳の私に20年後の今の私の姿を見せたような、、答え合わせのような、、そんな作品になりました。タイトル、いつかのふたりの、いつか…言葉の通り、もうあの日には戻れない、でもあの時があるから今がある!と言うように、前に進める作品になってると思います。
■南乃彩希(真友役)
今回、いつかのふたりにヒロインを演じさせて頂いて、私自身も改めて母と父の大事さを見つめ直すことが出来ました。映画を観た後に、ちょっと誰かに優しくしてみようとか、家族を大事にしようと思える映画だと思います。母親役である中島ひろ子さんの少し変わった癖(ルーティン)だったり細かい所でくすっと笑えるところもあるので是非注目して観ていただけたら嬉しいです。
■岡田義徳(隆弘役)
ゆっくりと人間っぽい時間の流れている作品です。撮影は小規模ですが皆手探りにアイデアを出し合いできたと思いますし、キャスト、スタッフの愛が詰まってる作品だと思います。
『いつかのふたり』
10月12日(土)より、新宿K’s cinemaほか全国順次ロードショー
監督・脚本:長尾元
出演:中島ひろ子 南乃彩希 石川樹 真下玲奈 鈴木ヨシエ 長尾元 吉本ひなた 仁科貴 田中隆三 霧島れいか 岡田義徳
【ストーリー】 シングルマザーの木嶋麻子(中島ひろ子)は大阪に部屋を探しに行く娘の真友(南乃彩希)と付き添いの別れた夫・隆弘(岡田義徳)を見送る。真友は来年の3月に小説家に弟子入りするため、家を出る予定なのだ。その帰り道で、ふと見かけた手芸用品店のレザークラフトに心魅かれた麻子は作品作りにのめり込んでいく。母娘ともに作品を作り、充実した日々を送るが二人にはちょっとしたわだかまりがあった。麻子は真友に「自分が大阪に着いていきたい」と言えず、真友は真友で「麻子に大阪についてきてくれ」と言えなかった。そんな中、麻子は手芸イベントのワークショップで出会ったレザークラフト作家・鈴木さえ子(霧島れいか)に憧れ、教室やイベントに通いつめる。関係が深まるごとに、さえ子と息子の光男(石川樹)の関係の悪さに気付く麻子と真友だったが、裏を返せばそれは自分たち親子にも似ていた。麻子はさえ子に、真友は光男に自分自身の悩みを打ち明けたりするのだった。勿論、相変わらず面と向かうと素直になれない二人だったが、真友は親子関係を少しでも修復しようと隆弘とともに3人で最後の家族旅行に行く事を提案する…。