『ウォーターボーイズ』、『スウィングガールズ』で瑞々しい青春を、また『ハッピーフライト』では航空会社で働く人々をコミカルに描き、大ヒットを記録した矢口史靖監督が、三吉彩花主演で贈る最新作『ダンスウィズミー』が、8月16日より公開となる。このほど、現地時間6月10日にトロント日本映画祭にて実施された本作のワールドプレミアに、主演の三吉彩花と矢口史靖監督が登壇した。
本作が世界初上映となった記念すべき会場に、盛大な拍手と大声援のなか迎え入れられた三吉と矢口監督。上映前の舞台挨拶で、三吉は流暢な英語を披露。感謝の気持ちを伝えたうえで、上映に駆け付けた現地のファンに向けて「日本を飛び出し、トロントのみなさまに世界でいちばん最初に観ていただけるとのことで本当に嬉しく思います。この作品は監督をはじめキャスト、スタッフ全員で、観ていただく方みなさま全員ハッピーになっていただきたいという願いを込めて一生懸命作りました。ジェットコースターに乗っているように、ワクワクできる映画ですので是非楽しんでください」と呼びかけ、世界初上映への感動を爆発させた。
続いて、矢口監督は「本日は、ラプターズ(NBAトロント・ラプターズがチーム初の決勝シリーズに臨んでいる)の試合ではなくて『ダンスウィズミー』を選んでくれてありがとうございます」と英語でジョークを飛ばして大爆笑を誘い、会場の心を一瞬にして鷲摑みにした。本作で矢口監督は、「特別監督賞」を初受賞。30本以上の作品とのコンペを勝ち抜き手にした栄光に、矢口監督は満面の笑みを見せた。
上映後に行われたティーチインイベントには、再び三吉と矢口監督が登壇。三吉は、「もともと歌とダンスが大好きで、ミュージカル映画も好きでしたが、実際にこの静香という役で初めて自分自身がミュージカルに挑戦することになり、映画の撮影が始まる前から非常に不安があり、プレッシャーに押しつぶされそうな毎日でしたが今日こうやってワールドプレミアを迎え、いま目の前にいる観客の方々に喜んでいただけて、この作品を頑張ってきてよかった、この作品は自分の代表作と言えるものになったと自信が持てました」と語り、感極まりときおり流れる涙を押さえつつ胸の内を明かした。
矢口監督は「この映画は頭から最後までずっと面白おかしく描きたいと思って作りました。せっかく貴重な時間を割いて、しかもお金を払って映画館に来ていただけるわけですから、映画館に来る前より少しでもハッピーな気持ちになってほしくて、ハッピーな映画を今まで作り続けているつもりです。この作品を通して、静香のように“自分の生きる道を再発見する旅”を体験していただけたら、少しでも前向きにハッピーな気持ちになって映画館をあとにしてくれたら、嬉しいです」と映画を作るときに大切にしている気持ちを交えつつ、本作にかけた想いを披露した。
当日は、ワールドプレミアを心待ちにしていた現地のファンが長蛇の列を作り、会場は600人が押し寄せ超満員となった。上映後は観客が総立ちとなり、高揚した表情で割れんばかりの拍手と歓声を贈る熱狂ぶりを見せた。「ハリウッドのミュージカルと違う予測できない展開が最高だった!」、「ハッピーな音楽とダンスの連続に、思わず一緒に踊りたくなった!」、「主人公の静香が、最後まで希望を捨てずに諦めない姿勢に感動した!」など上映終了後、観客たちは興奮した様子で口々に感想を語り、同映画祭のプログラミングディレクターも「お客さんがこんなに盛り上がっている作品は過去最高レベル!」と熱気を帯びた様子でコメント。
トロント日本映画祭のプログラミングディレクターを務めるJames Heronは、「矢口は誰も思いつかなかった全く新しいミュージカルを成功させた!素晴らしいオリジナリティで、『ラ・ラ・ランド』ほかこれまでのどんなミュージカルより正直エキサイティングだね。矢口の新しい視点に、この手があったのか!と正直驚いたよ。しかもミュージカルシーンだけでなく笑いもあって、あっという間に展開に引き込んでくれる。これを見てしまったら、次にミュージカルを作る人はプレッシャーだと思う。ミュージカル映画の新しい地平を切り開く作品をトロントで上映できて本当に感謝している。矢口の次回作にも既に期待が高まっているよ!」と語り、今までになかった斬新なミュージカル作品との出会いに興奮しきりの様子だった。
併せて、6月15日に中国で行われる上海国際映画祭へ、三吉と矢口監督が参加することが決定した。特別招待枠のガラ上映部門の作品のうち、唯一のオープニング上映となる。二人は、公式上映にあわせ舞台挨拶を行い、その日の夜にはレッドカーペットにも登場する予定だ。
『ダンスウィズミー』
8月16日(金) 全国ロードショー
監督・原作・脚本:矢口史靖
出演:三吉彩花 やしろ優 chay 三浦貴大 ムロツヨシ 宝田明
配給:ワーナー・ブラザース映画
【ストーリー】 OL静香(三吉彩花)が何よりニガテなのはミュージカル。しかしある日突然、催眠術をかけられ、音楽を聞くと所構わず歌い踊りだしカラダが止まらなくなってしまう。携帯の着信音、駅の発車メロディ、テレビや街中で流れるどんな音楽でも、踊りたくないのに自分の意に反して勝手に歌い踊りだしてしまう…!仕事もお金も失いながら、催眠術を解くために催眠術師を探して日本中を駆け巡るが…。ひとクセもふたクセもある人々との出会いが巻き起こす予想外の展開に爆笑!果たして静香は無事に元のカラダに戻れるのか?
(C)2019 映画「ダンスウィズミー」製作委員会