相沢梨紗(でんぱ組.inc)、竹中直人、松江哲明、ライムスター宇多丸ら著名人より絶賛コメント!『ザ・バニシング -消失-』

1988年オランダ映画祭で最優秀作品賞を受賞、そのほか世界中の映画祭で喝采を浴び、30年を経た現在でも海外映画批評サイトRotten Tomatoesで98%の高評価を獲得している、ジョルジュ・シュルイツァー監督によるサイコロジカル・サスペンスの金字塔『ザ・バニシング -消失-』が、4月12日より公開される。このほど、各界著名人より本作を絶賛するコメントが寄せられた。

本作は、ある日突然失踪した恋人を捜し、執念と亡霊に取り憑かれたかのように次第に精神を追い詰められていく男と、自分の異常性と正常性を立証したいという欲求から、ある歪んだ「実験」に手を染める男が対峙し、底なしの絶望的なクライマックスへと転落していくサイコロジカル・サスペンス。米サイトBuzzFeedが選ぶ「信じられないほど絶望的な結末を迎える映画32本」において、『カッコーの巣の上で』(1975)、『ダンサー・イン・ザ・ダーク』(2000)などと並んで選出された。

著名人 絶賛コメント

■相沢梨紗(でんぱ組.inc)
こんな怖い映画があって良いのでしょうか?犯人の思い描く「最大の悪」を駆使したレックスへの執拗な攻撃に、「もうやめてあげて…!」と思いながらも「結末を知りたい」という好奇心に抗えなかった。結果、全身に鳥肌を立て震えました。

■高橋諭治(映画ライター)
『情事』『バニー・レークは行方不明』とともに、筆者が認定する“世界三大失踪映画”の一本がこれだ。この伝説的なミステリー・スリラーは、ごく平凡な日常の中で人間が忽然と消える現象の不条理性と、そのあまりにも異様な真実をぞっとするほど冷徹に映し出す。映画史上まれに見る最悪の展開と、完璧なまでに美しい調和が同時に訪れるエンディングは、永遠に脳裏から離れない。

■竹中直人(俳優/映画監督)
まさかこんなにも恐ろしい映画が日本で劇場公開されるなんて!映画が始まるやいなや耳に入り込んでくる物悲しくも闇の中へいざなう音楽…。やがて息がつまる世界へと引きずり込まれてゆく。そして終映後、いくつもの残像が目に焼き付いたまま席を立つ事が出来なかった。愛する女性の名を叫ぶ男。その声がいつまでもいつまでも耳に響き続ける…。「サスキアー!」「サスキアー!」是非この機会にスクリーンで目撃して頂きたい映画だ。

■深町秋生(ミステリ作家)
真相に迫ることこそ正義。探偵や刑事や記者はそれを信念に事件を追う。私もそれを信じて物語をつむいでいる。たとえ、むごたらしい地獄のような結末だったとしても、真相にさえたどりつければ、それなりの救いは得られる。なにも知らないよりは遥かにマシだ。だが、本作はそんな捜す者の価値観を無慈悲に踏みにじる。真の地獄とはこういうことだといわんばかりに。覚悟を決めて見るべき暗黒の映画だ。

■松江哲明(ドキュメンタリー監督)
妻を捜す夫は私であり、犯人も私だ。つまり、あの犯罪は好奇心を持つ人ならば共感せざるを得ないのではないか。実際、私はDVDで観て以来、ずっと惹かれてしまっている。観客を共犯者にしてしまう映画が、独りではなく不特定多数が集まる劇場のスクリーンで上映されることは本来あるべきことであるが、作品の力がより深まることは間違いない。あの、共有されてはいけない(が、絶対に否定できない)感情が誰かの心にも突き刺さると思うと…恐い。

■ライムスター宇多丸(ラッパー/ラジオパーソナリティ)
かの有名な絶望的エンディングの破壊力はもちろん、誰にも大なり小なり覚えがあるだろう「何げない選択が招いた取り返しのつかない喪失と悔恨」を描いているからこそ、この映画はここまで忘れ難いのだと思う。祝・日本初劇場公開!

『ザ・バニシング -消失-』
4月12日(金)よりシネマート新宿ほか全国順次公開
監督:ジョルジュ・シュルイツァー
原作:ティム・クラッベ
脚本:ジョルジュ・シュルイツァー
出演:ベルナール・ピエール・ドナデュー ジーン・ベルヴォーツ ヨハンナ・テア・ステーゲ グウェン・エックハウス
配給:アンプラグド

【ストーリー】 7月、オランダからフランスへと車で小旅行に出掛けていたレックス(ジーン・ベルヴォーツ)とサスキア(ヨハンナ・テア・ステーゲ)。立ち寄ったドライブインで、サスキアは忽然と姿を消してしまう。必死に彼女を捜すも手掛かりは得られず、3年の歳月が経過。依然として捜索を続けるレックスの元へ、犯人らしき人物からの手紙が何通も届き始め…。

©1988, Argos Film, Golden Egg, Ingrid Productions, MGS Film, Movie Visions. Studiocanal All rights reserved.