『リトル・ミス・サンシャイン』、「コミンスキー・メソッド」などで知られる俳優のアラン・アーキンが死去した。89歳だった。訃報を受け、マイケル・ダグラスら共演者が追悼メッセージをインスタグラムに投稿した。
▼アラン・アーキン(左)、マイケル・ダグラス(右) マイケル・ダグラスのインスタグラム(michaelkirkdouglas)より
米メディア「Hollywood Reporter」によると、アランは心臓病を患っており、6月29日にカリフォルニア州サンマルコスにある自宅で亡くなった。
2018年から2021年にかけてNetflixのドラマ「コミンスキー・メソッド」で共演したマイケル・ダグラスは、「知性とコメディセンス、完璧なプロフェッショナリズムを持ち、70年にわたって私たちの業界で忘れられない跡を残した素晴らしい俳優が亡くなりました。アランと共演した経験は、私にとって最も思い出に残るものになりました。彼がいなくてとても寂しくなります」と追悼した。
2006年の映画『リトル・ミス・サンシャイン』でアランの孫娘役を演じたアビゲイル・ブレスリンは、撮影時の思い出のエピソードや感謝の気持ちをつづっている。「アラン・アーキンは、私がこれまで共演する機会に恵まれた人の中で、最も思いやりがあり、ウィットに富んでいて、愛らしい人の一人でした。『リトル・ミス・サンシャイン』の『私ってかわいい?』と言うシーンの最初のテイクを思い出します。私が泣いていたので、彼は『カット!』と叫んで私の母をすぐに呼んでくれました。私が『アラン、私は演技をしているんだよ!』と言うと、彼は大笑いしました。私はこの話がいかにもアランらしくて大好きです」「彼は自分の仕事をとても大切にしていましたが、何よりもまず、本当に親切で思いやりのある人でした。アランへ、あなたに会えなくなりとても寂しく思います。すべてのことに感謝しています…あなたは私の心の中ではずっと “おじいちゃん”です」
▼アラン・アーキン(左)、アビゲイル・ブレスリン(右) アビゲイル・ブレスリンのインスタグラム(abbienormal9)より
2008年の映画『ゲット スマート』で共演したアン・ハサウェイは、「アラン・アーキンは素晴らしい人で、『ゲット スマート』で共演できてとても幸運でした」とメッセージ。「彼は親切で、魂がこもっていて、支えになってくれるプロの中のプロ、心が広く誠実で、賢明で好奇心旺盛、アーティストの最高の手本でした。彼は23歳だった私に大きな印象を残し、私が一番大切にしている楽しいキャリアの思い出の中心にいます」
▼(左から)アン・ハサウェイ、ドウェイン・ジョンソン、アラン・アーキン、スティーヴ・カレル アン・ハサウェイのインスタグラム(annehathaway)より
このほかにも、ジェイソン・アレクサンダー、パットン・オズワルト、エレン・バーキン、マイケル・インペリオリら俳優仲間がSNSで追悼メッセージを発信している。
▼「コミンスキー・メソッド」の米国版予告編
▼『リトル・ミス・サンシャイン』の米国版予告編
アランは、1963年にブロードウェイミュージカル「Enter Laughing(原題)」でトニー賞を受賞。1966年にコメディ映画『アメリカ上陸作戦』で映画デビューし、同作でアカデミー賞主演男優賞にノミネート。『暗くなるまで待って』(1967)ではオードリー・ヘプバーンと共演。『愛すれど心さびしく』(1968)で再びアカデミー賞主演男優賞にノミネートされた。『キャッチ22』(1970)、『あきれたあきれた大作戦』(1979)、『シザーハンズ』(1990)、『摩天楼を夢みて』(1992)などを経て、『リトル・ミス・サンシャイン』(2006)でアカデミー賞助演男優賞を受賞。近年は『アルゴ』(2012)で再びアカデミー賞助演男優賞の候補になり、『ジーサンズ はじめての強盗』(2017)、「コミンスキー・メソッド」(2018〜2021)などで活躍した。