MC:アップで万年筆が映るシーンもありますね。そういうところまでこだわりがあったということで、ありがとうございます。そして三島監督にもお話を伺いたいんですが、今回は本の扱い方、本棚の並べ方に関してもこだわりを大変感じた作品だなと思ったのですが、ビブリア古書堂を作り上げるなかで、特に気をつけた点があったら教えていただけますか。
三島:そうですね、本当に美術部と話し合っていたのは、「とにかく栞子さんの、どこを切り取っても本に囲まれているように撮れたらいいね」と。普通はカウンターに座っていて、カウンターの下は台なんですけど、そこにも棚があって、栞子さんの上にも棚があって、どこをとっても栞子さんは本に囲まれているようにしたいと思ったのと、あとは本棚って背中があるので、抜けて見えないんですけれども、わざとそれを取っ払って、本を通じて人が見えるというような構造で撮っていきたいということで、美術部の皆さんが素敵なセットをデザインしてくれて、本当にこだわって飾ってくれたっていう幸せなセットの中で、お芝居ができたんじゃないかと思いました。
MC:なるほど、それで世界観に入り込めるんですね。ありがとうございます。監督の中で、過去パート、現代パートを撮られる上で演出されて心がけたことはありましたか?
三島:いっぱいありますけど、大きくは過去の2人の想いというものが、しっかり描かれていなければ、それが現代に届くというところが薄くなってしまいますので、とにかく過去の想いをきっちりと強く深く描く。一方で現在進行系で行われているドラマもそのひとつの川として描いて、要は小さな2つの川が最後に大きな一本の川になるように作り上げられたらいいのかなと思って、作っておりました。
MC:ありがとうございます。そして、現在と過去というキーワードで、主題歌をサザンオールスターズさんが書き下ろしてくださったということですが、歌詞の中にもキーワードが散りばめられていると思うんですけど、この曲を聞かれた時にはいかがでしたか?
三島:そうですね、原由子さんの声を聞いた後のような映画になったらいいなと思っていたので、本当に原由子さんが歌ってくれることになるってことに、まず感慨深いものがあったんですけど。編集があがったものを観ていただいて…、
成田:ちょっと、ごめんなさい(笑)。
三島:汗がね(笑)。どうしちゃったの(笑)。
野村:すごいんですよ(笑)。雨ふっちゃってるんですよ。パッと見たとき、すごい汗がたまってるから。
三島:興奮しすぎた?小学生の子供みたいになってるけど(笑)。
成田:ちょっと僕、人前にで出るのが久々すぎて、緊張してるのかな(笑)。ごめなさい!
三島:なんの話をしていたか忘れちゃったんですけど(笑)。サザンの皆さんが編集を観て作ってくださったということが、本当にここでやりたかったテーマをちゃんと受け取って歌詞に落とし込んでくださったなと思ったのと、撮影中ずっとなぜか周平くんが歌ってましたよね。
野村:歌ってましたね。なんでだろうな…。サザンもしかり、昔の曲が好きだという話になり…。それを代表するのがサザンオールスターズさんかなと思いまして、この主題歌になればいいなと思いながら歌ってたら本当にしてくださいましたね(笑)。