MC:なるほど。ありがとうございます。そして夏帆さん。過去パートを演じられて、まずは現代パートをご覧になっての感想から伺ってもよろしいでしょうか?
夏帆:そうですね、撮影中はちょっとすれ違うことがあっても、まったく接点がなかったので、改めて出来上がった作品を観てすごく新鮮でした。別の作品を観ているような気持ちで拝見していたんですけど、それぞれすごく難しい役だと思うんですね、一歩間違えればキャラクターになってしまいそうな。そういう役を一人の人間として皆さんがしっかり演じていたので、自分もこの作品に参加しているんですけど、いち観客としてすごく楽しく拝見させていただきました。
MC:絹子を演じられて、こだわった点はなにかありましたか?
夏帆:嘉雄さんのと関係性をきちんと築いていくということが、一番大事にしなくてはいけないことだったので、その都度監督も時間を作ってくださったので、時間を積み重ねて撮影ができたかなという印象はあります。
MC:ありがとうございます。東出さんもぜひ、現代パートをご覧になってのご感想と、嘉雄を演じられて「昭和が似合うお二人」なんて言われてましたけども、いかがだったでしょうか?
東出:「ビブリア」はもともと好きで読んでいたんですけれども、栞子さんと大輔がいると思いました。「ビブリア」が本当に実写化されたというのを現代パートを観て、すごい嬉しかったです。夏帆さんもおっしゃったように、本当にキャラクター性があって、可愛らしい登場人物なので、現代パートは非常に難しいだろうなとは思っていたんですけども、本当に素晴らしかったです。嘉雄を演じるにあたっては、過去の人なので未来のことはあんまり考えてない、本当に純愛に突っ走った感じだったんですけども、太宰治に憧れる小説家を志す青年だったんですけど、太宰が愛用していた「エバーシャープ」という万年筆があって、持道具さんがすごくこだわってくださって、太宰と同じ「エバーシャープ」の万年筆を用意してくださったり、小道具の細部にまでこだわって脚色してくださったので、そういう意味では僕が用意したことばかりではなく、本当に助けられることが多い現場でした。