MC:そして、晴道の人生にとって重要な役どころ、夏帆さん、中尾さん。思い返されて印象的なエピソードを何か教えていただけませんか?
夏帆:北海道の街を観光するシーンがあって、市場に行ったじゃないですか。で、健さんがこんなに大きいカニをポケットマネーで購入なさってくれて、それがあまりにもスマートで、やっぱりスターは違うなあって思いました(笑)。美味しくいただきました。
MC:そんなに大きかったんですか?
夏帆:こんなですね。
佐藤:本当に大阪についてる、あのカニぐらい大きくて。美味しかったです。僕、毎年あそこからカニを送ってもらってます。茹でたてが美味しいんで、大きいカニが入る寸胴もアマゾンで買いました(笑)。いつでも茹でれます。
MC:中尾さんはいかがでしょうか?
中尾:僕、トラックに乗って、晴道が困ってるから駆けつけるみたいなシーンがあるんですけど、北海道の一本道みたいな所でロケだったんですけど、監督が「走ってくる画が欲しい」って言って、僕、2キロ先ぐらいから、一人でトラックで走ってるんですよ。走っても一向にカメラが見えてこないんですよ。道、間違えたかなっていうぐらいで、ようやく見えてきて。こんなに走らせる意味あるの?みたいな(笑)。トランシーバー1個だけ助手席に乗っけて、「よーいスタート、いいよ向かって来て」とか言われて、2キロっすよ?ずっとトラックで。いや、マジで500mぐらいでよかったんじゃないの?と思うんですけど。それ覚えてますね。めちゃくちゃ心細かったんで。
MC:寒竹監督、すごいウケてますけど(笑)。
寒竹:なんでそんな先から走ってたの(笑)?
中尾:走っても走っても全然カメラないんですよ!?忘れもしない、あの日。
寒竹:それは映ってないと思います(笑)。
中尾:(笑)。おーい!で、カットすんでしょ!?やってらんないよ〜(笑)。
MC:映ってないと断言されましたね(笑)。ありがとうございます。さあ、そしてもう一つの初恋を演じられた荒木さん、アオイさんにも伺いたいんですが、撮影中の印象的なことはありますか?
荒木:そうですね。僕はすっごい好きなシーンがあって、晴道が綴にすごい大事なことを言うシーンなんですけど、飛行機がある一定の速度を超えると、もう引き返せないみたいなのがあるんですけど、その時に、風が強すぎて僕の声が届かないのと、健さんも僕と反対を見てたんで、声が来ないんですよ。晴道かっこいいけど声聞こえないって。ひたすら頑張って。
佐藤:丘の上だったんですよね。めちゃくちゃ風が強くて。寒かったしね。風もすごかったし、髪の毛もこんなになりながら、でもセリフはとても素敵だし、やりましたけど、映ってないかもしれないです(笑)。
MC:細部に宿るっていいますからね。そういうところも大事です。アオイさんはいかがですか?
アオイ:撮影中、ひかりさんとご一緒する時間がとても長くて、待ち時間とかも長かったんですね。で、スタッフさんがすごい数なんですよ。でも、ひかりさんは端から名前を覚えるんですよね。「あの、なんとかくんね」って言いながら、そのなんとかさんの癖を全部真似するんですよ。掻いたりとか端から真似して、その方の名前を覚えていて、ひかりさんの演技ってこういうところからあるんだって、感動しちゃいました。
満島:もうそれぐらい、スタッフの名前を最後まで覚えるぐらい長かったんだと思います。撮影の準備期間も。エンドロールを見て、全員の名前がわかるの初めてでした。もう美術部助手とかまで全員名前がわかるっていうか、もう大切な作品ですね(笑)。
MC:ありがとうございます。ここは満島さん、佐藤さんに伺いたいんですけれども、本作の中で「運命」というセリフが多く登場する作品なんですが、ご自身が本作を通して運命を感じた瞬間はありましたか?
満島:お芝居の外で言うと、初めて寒竹監督に会った日に、まだこんなに大きな作品でラブストーリーで、私はあまりラブストーリーに参加する柄じゃないと思っていたので、自分が。可愛い顔とかできるのかなとか、そういういろんな不安があって。作品に参加した方が良いのだろうか?迷惑かけちゃうだろうか?って、ずっと逡巡があったんですけど、監督に初めて会った日に、「もう一度家に帰って考えます」って手を振って別れた後に、ものすごい涙が出てきて、何で泣いてるのか分からなくて、タクシーから降りて家に帰るドアの前までずっと泣いていて。これは何なんだろう?と思いながら、その時に、自分の力では及ばない何かをすごく感じて、そういう縁もあって参加しました。あと作品の中で言うと、中尾さんと、健さんの妹を演じている美波ちゃんが出てくるんですけど、ふたりのラブストーリーが私はすごく好きで、也英と晴道も運命だけど、中尾さんの梵字と、美波ちゃんの優雨の運命もすっごい美しくて。二人の結婚式とかも、こんな結婚式したいと思うようなのが出てきて好きでした。
中尾:すいません、体温が私も2度上がってしました(笑)。嬉しいですね。ありがとうございます。
MC:佐藤さんは運命を感じた瞬間はありましたか?
佐藤:天狗山という場所でとっても大事なシーンがあるんですけど、ロープウェーで結構上まで登って、景色がきれいなところで、二人のすごく大切なシーンがあるんですけど。現場に行って、雲が出てて、今日は撮れないっていうのが何回かあったんですよ。
満島:同じ現場に、撮れないで五回ぐらい。
佐藤:そうなんですよ。だから、「まだするな」ってことかっていう。さっきの莉可子ちゃんの話じゃないけど、我々は結構「今日は」ってエンジンかけて現場に入るんですけど、中止になって帰るので、まだちょっと足りてないのか?みたいなことを思いながら。だから、そこのシーンは非常に運命の神様が許してくれてからやっと撮れた大事なシーンになっているので観てください。
MC:ありがとうございます。さあ、皆さんに作品についてたっぷりと伺ったところで、皆様に内緒にしていたことがございまして、ご登壇者の皆様にスペシャルなプレゼントをご用意させていただきました。なんとオーケストラの皆様のご登場です。本作でインスパイアされた大切な楽曲がありますよね。皆さんにもここで演奏を聞いていただこうかなと思います。それではお聞きください。本日のイベントのためだけにご用意しました、スペシャルバージョンでお楽しみください。
▼オーケストラの演奏