【全文掲載】前田敦子「私は一人で育てていますけど…」ドラマで家族愛を再確認?

MC:これが不思議と自然なんですよね(笑)。さあ、続きましてエピソード5「彼を信じていた13日間」です。ユースケ・サンタマリアさんに、お伺いします。黒沢監督の演出が脚本ですごいと感じられた部分はありますか?

ユースケ:20年前ぐらいに初めてご一緒して、その時の映画体験というか、撮影体験がものすごい印象に残っていて。また、あの刺激を味わいたいと思って20年、一切監督と連絡が取れなくて、久しぶりにお会いしたんですけど、普通20年ぐらい経てば色々変わるじゃないですか。僕も変わってると思うし。でも、監督は時代を追い越している感じというか?そういうところも一切変わってなくて、僕はずっと心地いいゾーンに入ったまま最後まで撮影できました。

MC:監督との関係性とか感覚的なものはもう20年前と全く同じだったと?

ユースケ:スッと戻れたと言いましょうか。監督はそんな事なかったみたいですけど(笑)。

黒沢:確かにユースケ・サンタマリアさんとも永作博美さんとも一緒にお仕事をするのは20年ぶりだったんですけれども、今回頂いたテーマが50歳の男女の淡い恋の物語というお題で脚本書きましたので、ちょっと枯れたような人生、そろそろ下り坂になったような二人の物語を脚本に書いたんですが、ユースケさんも永作さんも全く変わってないんですよ。だから出来上がったものは、不思議な青春映画みたいになっちゃいましたね。なんか青春してらっしゃいますよ。セリフとか設定はちょっと枯れた感じなんですよ。それを心の中から熱がほとばしような二人が演じるという、なんとも変なドラマになってしまって、すみません(笑)。

MC:ユースケさん、青春を感じたそうですよ。

ユースケ:僕は本当にそんな感じだったんですよ。僕ひとりそういう感じなんだろうなと思ってたら、やっぱり監督、分かってたんですね(笑)。あとここに来てないですけど、博美ちゃんもたぶん、同じ気持ちだったと思います。今の大阪で朝ドラ頑張ってます。本当は一緒に人力車に乗って出てくるはずが、なぜ俺、一人で乗らなければいけなかったのか?監督と一緒に乗ると思ってたんですね。監督が恥ずかしいから断ったみたいで。

MC:でもユースケさん、堂々と乗ってましたよね?

ユースケ:堂々と乗るしかないじゃないですか。変だったでしょ?あそこまで行ったら突然監督が出てきて。やっぱりキャリアがあると断れるんですね。

MC:いろんなパターンがございます(笑)。ありがとうございます。続いてエピソード6「彼は私に最後のレッスンをとっておいた」。池松さん、全編ロサンゼルスで撮影されハリウッドスターのナオミ・スコットさんと共演された本作ですが、思い出深いエピソードありましたら教えてください。

池松:ナオミさんが驚くほど愛情深くてですね、不慣れな撮影でいろいろ助けてもらったんですけど、僕は全編英語のセリフだったんですけど、地球の「earth」っていう言葉が、僕の中では言えてるつもりだったんですけど、「全然違う」って言われて、「earth」の発音をずっと教えてもらいました。聞いたまま発音しても「違う」って言われて、多分50往復ぐらいしたと思います。あとは平栁さんは普段サンフランシスコ在住で、向こうでの仕事振りと言いますか、女性監督で日本人で、そういう素晴らしい仕事ぶりを見られた事とか、「モダンラブ」の立ち上げのチームのプロデューサーとかアマゾンUSのチームとか、そういう人たちと会えたのは、すごい思い出深いですね。

MC:平栁監督、本作では池松さん英語でストレートな愛情表現をされていますけれども。どのようなイメージで演出されたんでしょう?

平栁:池松さんは本当はすごい自信がある方なんですけど、いつも隠してるんですよね。たぶん、日本ではそういうのがウケないんでしょうね。きっとね。ですので、私の演出のイメージがジャパニーズ・ブラッド・ピットになっていただきたかったんですね。色気を消すことなくストレートに出すということで、ディカプリオとか。それをイメージして演出したんですけども、英語だけでハンディキャップなんですけども、すごくナチュラルに素晴らしい演技をしていただいて、いつも感心してモニターを見ていました。最終的にはジャパニーズ・ブラッド・ピットになっていますので、皆さん、楽しみにしていてください。

MC:池松さん、ジャパニーズ・ブラッド・ピットとおっしゃってますけど。

池松:そう言われてもですね…(笑)。

MC:ありがとうございます(笑)。それでは、アニメ作品であるエピソード7「彼が奏でるふたりの調べ」、こちら脚本を務められました荻上さんにお話、見どころを聞きたいと思います。

荻上:はい、高校生の時にすごく大好きだった男の子と、なかなかうまくいかなくて、大人になってから再会するっていう話なんですけど、大人になったときに彼女がすごい酒飲みで、私もすごい酒飲みなんですけど、酒を飲みすぎて“GERO”の時、それをどうやって山田監督は表現されるのだろうかって楽しみにしてたんですけど、まあ、何ともチャーミングにすごく綺麗に。素敵に描いてくださっていて、本当に山田監督の魔法にかかると、こんなに素敵なアニメーションになるんだなと思ってすごい感動しました。